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いつもの血統とズレた血統

  • 2016年11月11日(金) 19時00分


◆主流とは「ズレ」る距離のエリザベス女王杯では長所に変わる

 エリザベス女王杯も父か母父キングマンボ系に相性の良いレース。「キングマンボに相性が良いレース」って毎週書いているような気もしますが(みやこSも父か母父キングマンボ系が2、3着)2010年以降、6年連続で父か母父キングマンボ系が馬券に。なおこの期間、6人気以内の父か母父キングマンボ系は7頭出走して6頭が3着以内に走っています。

 今年の出走予定馬で父か母父キングマンボ系はシュンドルボン、プロレタリアト、マキシマムドパリ、マリアライト。マリアライト以外が馬券圏内に食い込めば、なかなかおいしいのではないでしょうか?

 いずれのキングマンボ軍も、チャレンジャーの立場で強敵相手に積極的な競馬をした方が持ち味を出せるタイプでもあります。ただしチャレンジャー血統のマリアライトは今回は王者の立場でレースに出るのが昨年とは違うんですが。馬場も去年よりは軽いでしょうし。

 キングマンボと同じく重要なのが、ディープインパクト。これもいつも書いていますね。エリザベス女王杯も「G1未勝利のディープインパクト産駒」が4年連続で馬券になっています。

 今年のG1未勝利のディープ産駒はタッチングスピーチのみ。

 タッチングスピーチは母がサドラーズウェルズ系とネヴァーベンド系の配合馬。この配合は欧州では主流のニックス配合。

 ディープ産駒は欧州の重厚さよりも米国系の速さを取り入れた血統のほうが成功しています。したがってバリバリ欧州のタッチングスピーチはディープ産駒のなかではモダンよりも少し「ズレ」た血統。

 ただし、この「ズレ」が2200mという主流の2000、2400とは「ズレ」る距離で行われるエリザベス女王杯では長所に変わります。実際、欧州のG1を勝っているスノーフェアリーが連覇したり、タイガーテイルが大穴を出しているのも、ズレる距離で行われるので、欧州血統が活きるため。

 タッチングスピーチは2000、2400よりも1800、2200の方が合うタイプ、と去年書いて本命にしたんですが3着。今年着順を上げたら「スノーフェアリーが走ったのもタッチングスピーチが走ったのも血統じゃなくムーアのおかげ」と、どうしても血統を否定したい人が言うのかもしれませんが、それも一理あるでしょう。血統を活かすのも騎手の仕事ですし、それを推理するのも競馬というゲームの楽しみですから。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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