クイーンズリングにGI制覇のサインが!?/トレセン発秘話
◆吉村調教師も「ここにきて馬体に芯が入り、体幹がしっかりしてきた」
「おい、エリザベス女王杯の答えを教えてやろうか」
とあるキュウ舎を訪ねたら、不意に後ろから声をかけられた。見ると身長180センチを超える大男がこちらを見てニヤリと笑っている。クイーンズリングを出走させる吉村キュウ舎の矢野キュウ務員だ。そういえばこの人、昨春の桜花賞時にも「答えはもう出ている」ってのたまっていたような…。
確かクイーンズリングのGI競走用特殊ゼッケンが「4」だったことから当時、3連勝中だった同馬が「4連勝で勝つサイン」と断言した揚げ句、4連勝ではなく、4着に終わるオチをつけてくれた人物。果たして今回はどんな“サイン”が出ているというのか?
「いや、サインとかそんなもんちゃうんや。俺の家に飾ってあるクイーンズリングの写真がほとんどピンク帽ってこと。これってどういうことか分かる?」
デビューからこれまで5勝を挙げているクイーンズリング。実にうち4勝が(8)枠で、残りひとつが(7)枠というのだから、外枠でしか勝っていないことになる。
「よく不利と言われる中山の1600メートルはもちろん、府中の1800メートルだって、スタートしてからすぐカーブだから外枠の方が不利。そういう枠順を乗り越えて、ここまで勝ってきたってことや。どうや、もう勝つ馬が分かったやろ」
なんだか納得したような、しないような…。ただクイーンズリングのデキがかなりいいことだけは確かなようで、吉村調教師も「ここにきて馬体に芯が入り、体幹がしっかりしてきた」と自信たっぷりにその充実ぶりを解説するほどだ。
今度こそ、クイーンズリングがGIの頂に到達するのか。ちなみに今回の特殊ゼッケンは「3」で、矢野さんいわく「ここが(京都牝馬S、府中牝馬Sに続く)今年の重賞3勝目になるということやろな」。今度は3着ってオチにならないことを願うばかりだ。(栗東の坂路野郎・高岡功)