スマートフォン版へ

「昨年の雪辱を果たせる状態」サトノアラジン追い切り詳報!

  • 2016年11月16日(水) 18時00分


直近の重賞勝ち時と同じパターンで調整

 先週のウマい馬券。エリザベス女王杯はご存じの通り、シュンドルボンに本命を打って、見せ場もなく終了。▲シングウィズジョイを本命にしていれば、せめて複勝1200円が的中していた、と後悔したことは言うまでもありません。しかし、その数十分後「マ・ツ・ワ・カ〜」と叫んで、3連複30万の配当に酔っていたことを考えると、競馬って本当に乱高下激しいギャンブルです。ただ、トータルでプラス回収率になっていても、やっぱり閲覧数の多いG1を的中させたいという気持ちが本音。今週こそは、と思っていますが。

 それにしても難しいメンバー構成のマイルCS。◎は毎年本命を決める時に使っている調教条件の該当馬と決めていますが、それが何頭かいること。また、該当馬でないとしても、馬券対象になるであろう馬もいますから、その扱いをどうするべきか。きっと入稿ギリギリまで悩むことになるでしょう。ここでは調教適性ではなく、各馬の好走時と比較した調教内容の解説に徹していきたいと思います。

【マイルCS/サトノアラジン】

 意外だったのは、最終追い切りを6Fから行った点。昨年と同じく、休み明けのトライアルレースを叩いていますから、昨年の最終追い切りと同じように4F追い切りになると思っていました。しかし、昨年が4着だった結果を考えると、今年の6F追い切りは高く評価できると思います。

 その理由として、直近の重賞勝ちである京王杯SCもスワンSも6F追い切りだったこと。そして、安田記念では7Fから時計になっていました。全体時計とラスト1Fのバランスは重賞勝ちと全く同じといってよいでしょう。昨年の雪辱を果たせる状態にあることは間違いなく、あとは他馬との能力差、適性差だけだと思います。

サトノアラジン(11月16日撮影)

昨年の雪辱を果たせる状態にあるサトノアラジン(11月16日撮影)



【マイルCS/ミッキーアイル】

 前走スプリンターズSは1週前追い切りの併せ馬で遅れており、これが気になり無印にしましたが、レース結果はあわやの2着。ラスト1Fが13秒台という状態も決して歓迎できる内容ではなかったと思っていましたが、4F時計が速いことが好走条件といえるかも知れません。

 今回の1週前追い切りは単走。4F50.6秒は好走時と同じですが、ラスト1Fが13.1秒。年齢を重ねた今では、あまり前半に飛ばすと最後は時計を要してしまうのかも知れません。だからというわけではないのでしょうが、最終追い切りはテンから飛ばすよりも中間でラップを速めました。その結果、4F51.7秒と全体は遅いものの、2F24.2秒、1F12.4秒と最近にはなかった後半しっかりした脚。久しぶりのマイル戦ということを考えれば、この追い切りは理想的ですが、4F51秒台ならアーリントンCの時のようにラスト1F最速ラップがベストなような気もします。

ミッキーアイル(11月16日撮影)

最近にはなかった後半しっかりした追い切りのミッキーアイル(11月16日撮影)



【マイルCS/ロードクエスト】

 美浦所属馬ですが、この中間に栗東へ移動。滞在して調整が続けられています。まず15日時点で感じたのは、8日に比べて、普段の仕草に煩さが出てきたこと。これは環境慣れしている証拠ではないかと思います。騎乗している小島茂之調教師の表情を見ていても、それを感じることができます。

 1週前追い切りが坂路だったので、最終追い切りも坂路だろうと思いきや、CWでの併せ馬でした。1回目のハローが終了した時間帯に2コーナーから入場して併せ馬。6Fから時計を出し、メイスンウォーを追走して、馬なりで先着。最後は時計を要していますが、1頭になっていたことも影響しているでしょう。今回が初めての栗東滞在なので、過去との比較はできないものの、前走時のように4F追い切りよりも5F、6F追い切りの方が好走調教であることは間違いありません。

ロードクエスト(11月16日撮影)

この中間は栗東へ滞在して調整が続けられているロードクエスト(11月16日撮影)


【マイルCS/フィエロ】

 春からマイラーズC、安田記念、スワンS、マイルCS。この4戦が3年目となります。そもそも1着は2014年六甲S以来ありませんから、このローテーションでの1着もありません。ただ、マイルCSは2年続けて2着。3回目の悲願なるかどうか。

 過去2回の1週前追い切りはいずれも坂路でした。それが今年はCWになっています。1週前CW、最終追い坂路は2015年安田記念4着まで遡るパターン。もちろん当時とは、詳細な内容が違っており、同じ結果になるとは思いませんが、2014年と2015年が坂路だけで、勝ち馬とは差のないところまで好走したと判断すれば、一概にCW追いの変化がプラスではないでしょう。ただし、最終追い切りのラップの踏み方は過去2年と同じだけに、1週前追い切りがさほど気にならないのであれば、当然のように評価しなくてはいけません。

【マイルCS/サトノルパン】

 リディルから始まったエリモピクシーの仔。レッドベルダが勝てないままに終わりましたが、それ以外のきょうだいはすべて勝ち上がり、重賞勝ちも多数。この馬もその例には漏れていませんし、日本ダービーに出走しながらも昨年の京阪杯を勝っているという破天荒さがあります。

 なんだか、16日の最終追い切りを見ているときょうだいで初めてのG1制覇も叶えてしまいそうな爆発ぶり。前走時の最終追い切りと同様、CWで4Fから時計を出しましたが、鞍上M.デムーロ騎手が手綱を抑えていても、全く無視するようなスピードの出しっぷり。最後は流す感じで止まっておらず、道中に少しでもタメを利かせた走りができれば、レースでも爆発的な脚を使いそうな予感すらあります。

サトノルパン(11月16日撮影)

レースでも爆発的な脚を使いそうなサトノルパン(11月16日撮影)



◆次走要注意

・11/12 デイリー杯2歳S【ベルカプリ】(6人/5着)

 内回りだった前走より遅い走破時計で5着。完全に上がり勝負で瞬発力負けしているだけでしょう。先行できる脚質や粘り強い性格はこれから先は大きな武器になるはず。
 最終追い切りできれいな加速ラップを踏むことができれば、すぐに勝ち上がれると思います。

[メモ登録用コメント] [芝1600]最終追い切りでラスト1F最速なら勝ち負け。

・11/13 2歳新馬【コペルニクス】(4人/4着)

 4コーナーでは前を射程圏に入れていましたが、最後は行こうとするところするところが少し狭くなる事象。不利とは呼べませんが、能力全開の伸びを見せるにはスペースが狭かったと思います。
 追い切りでは動けていなかっただけに、半信半疑ではありましたが、これで動けることは実証。今後も追い切りでは動かないかも知れませんが、せめてラスト1Fがしっかり動けるようになる瞬発力は必要。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切り坂路でラスト1F12.5秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・福島民友C【ナリタスーパーワン】
 中1週ですが、CWで単走の追い切り。追い切りでは引っかかるということで、2コーナーあたりまではゆっくり歩かせて、向正面でキャンター。今回はさほど行きたがることもありませんでしたが、スピード乗りは抜群。馬場の内を回っていたとはいえ、6F78.0秒は高く評価できます。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング