芦毛で地方出身の競走馬というと我々世代ではオグリキャップを思い出します。怪物と呼ばれたオグリキャップ。ちょうどわたしが競馬業界に入るころの時代のお馬さんでした。妹も地方から中央の瀬戸口厩舎に入ったオグリローマン。彼女は桜花賞を勝ち、わたしは幸いにもそれを予想で当てさせていただいた、という思い出もありました。
そして、そのオグリローマンを担当していたのが現在松永昌厩舎にいてウインバリアシオンを担当していた竹邑さん…。ホント、この世界っていろんな出来事が数珠つなぎになって繋がっていくんですよね。
オグリキャップを思い出した理由は、今週、地方転厩初戦で東スポ杯2歳Sに出走するトラストを取材させていただいたからなんです。オグリキャップは現・2歳時は地方で走っており、11月に名古屋で9戦目となる中日スポーツ杯を走り、7勝目をあげていました。
トラストは5月に川崎でデビューし、地方で2勝したあと、中央で2戦していますからオグリキャップとは全然ローテーションが違いますね。しかも、この時期に中央入りとあって、地方出身のハンデはありません。これも時代の流れですね。実力のあるものが強い相手と戦える、自由な選択肢がある、というのはすごくいいことだと思います。
実際にトラストに会ったのですが、洗い場で休んでいるときだったこともあり本当におとなしかったです。おっとりしていて、顔も愛らしい。
ところが、これが馬場に出ると一変。スイッチが入って凛々しくなるそうです。こういうオンオフのスイッチの切り替えが出来て、メリハリのある馬って走る馬が多いですよね。「調教では普段と違って一気にテンションがあがる」(中村均師)そうです。いや〜、そういう話を聞けば聞くほど期待は膨らみます。
「普段は全然いれこまない。ゲート試験もすんなり合格しました。カイバもよく食べるし、扱いやすいですよ」(中村均師)。
最大目標はもちろん、日本ダービー。中村均師もあと少しで定年を迎えられます。このトラストがビッグチャンスを運ぶのかな!?期待は膨らむばかりです。
来週はジャパンC。昨年このレースで2着だったラストインパクトが順調に調整を進めています。
馬体重は若干減っているそうですが「体は出来ている」(岸本助手)とのこと。
松田博資厩舎時代からラストインパクトによく跨っていた川田騎手の話では「道中、(ハミを)噛んでしまっている分、ラストがスッと来れていない」(岸本助手)そうです。なんとも、ラストインパクトという名前にはそぐわない現象ですね…。
同じく川田騎手の話では「競馬でいい成績が出ているときはゲートから出た瞬間にスッとハミが抜けて折り合いがつくかんじがある」とのこと。これまで良績のある左まわりで巻き返し、といきますでしょうか。来週の本追い切りを見守りたいと思います。
最後に今週はカレンチャンの全弟が出走しますね。名前はカレンカカ。お姉ちゃんはスプリンターでしたが、こちらは芝1800mデビューです。姉とは違う味を見せてくれるかな!?とても楽しみです!