重賞データ分析 〜総論×各論トライアングル/小林誠

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前走G2組の取捨が勝負の分かれ道!?/ジャパンカップ

2016年11月23日(水)18時00分

注目数:41人

■ジャパンカップ(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録21頭


【特注データ】〜レースデータより〜


 このデータは、過去10年のジャパンカップ勝ち馬について、その前3走着順をまとめたもの。すぐに気付くのが、2〜3走前で崩れている馬が1頭もいないという点だ。2014年のエピファネイアが2走前に4着となっているが、これは香港遠征であり、例外として扱ってもよさそう。また、凱旋門賞で失格となった2006年のディープインパクトをのぞき、前走7着以下馬がいないのも特徴的である。

 このデータを踏まえて今年の登録馬をチェックすると、日本馬で1着が期待できるのはキタサンブラック(1→3→1着)、ディーマジェスティ(3→1→4着)、トーセンバジル(1→1→1着)の3頭。しかし、条件戦上がりのトーセンバジルはさすがに厳しいので、次点でルージュバック(1→1→7着)を、この特注データ推奨馬に挙げておこう。

【コース総論】東京芝2400m Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気が勝率36.1%、複勝率72.2%と絶好調。ふたケタ人気は厳しい。
★中〜外との比較で勝率が2倍以上と、明らかに内枠が有利で外枠が不利。
★逃げ切りは至難の業で中団からの差す馬が強い。末脚のキレが超重要。





 18頭立てのコースデータで目立っているのが、1番人気馬の強さだ。勝率36.1%、連対率52.8%、複勝率72.2%は破格の数値で、複勝回収率も100%オーバー。同じ人気サイドでも、2〜3人気とは「まったく」違うほどに高信頼度である。ここから、4〜6番人気や7〜9番人気に流す買い目が、最も効率がよさそう。多頭数でも、ふたケタ人気馬の激走には期待しづらいコースといえる。

 馬番別成績では、内枠有利&外枠不利の傾向がハッキリと見てとれる。内枠である馬番1〜6番の信頼度が圧倒的に高く、回収率もトップで枠番値もプラス圏内と、文句なしに優秀な成績。内枠と外枠では、複勝率で比べると2倍近くの大差が出ている。極端な外差し馬場にでもなれば話は別だが、基本的にはかなり内枠有利と考えたほうがいい。

 最後の直線が長い東京芝コースらしく、脚質面は完全に差し優勢。逃げ切った馬は期間内に1頭もおらず、先行勢と中団待機組との比較でも、連対率には2倍近くの大きな差がある。さすがに後方からの直線一気は決まりづらいが、最速上がり馬の好成績を見ての通り、末脚のキレが勝ち負けの必須条件といっても過言ではないほど。コースデータからは、「内枠に入った中団から速い上がりで差せる馬」をプッシュしたい。

【レース総論】ジャパンカップ(G1) 過去10年

・レースの要所!

★6番人気以内[9-8-7-36]と人気サイドが圧倒的優勢。牝馬も強い。
★コースデータ以上に内枠が好成績。人気馬ならなおさら期待大。
★6歳以上の高齢馬は大幅割引。外国人騎手は日本馬騎乗なら買い。








 平均配当は、単勝958円、馬連3354円、3連複1万8845円と低めの水準。人気別成績を見ても、6番人気以内[9-8-7-36]で7番人気以下[1-2-3-102]と、順当決着傾向が強いレースとなっている。2013年や2011年のように、3着に人気薄が激走するケースもあるが、ふたケタ人気馬に過度の期待は禁物といえる。

 また、牝馬が猛烈に強いレースであるのも、ジャパンカップの特徴。過去10年で牡馬も牝馬も5勝ずつを挙げているが、2010年にブエナビスタが1位入線で2着に降着となっているのを考えると、牝馬が勝ち越しているようなものだ。あとは、完全に西高東低で、外国馬がまったく通用していないのも覚えておきたい。

 馬番別成績は、コースデータ以上に内枠有利。勝率も複勝率も枠番値もダントツの高さで、複勝回収率は100%の大台を突破と、圧倒的な強さを見せつけている。人気サイドでも強いが、注目したいのが人気薄での活躍。昨年のラストインパクト、2013年のトーセンジョーダン、2011年のジャガーメイルは、いずれも内枠である馬番1〜6番に入った激走馬である。

 また、このコースとは思えないほど前が残っているのも、大きな特徴。昨年のショウナンパンドラのように中団から突き抜ける馬もいるが、4コーナーを6番手以内で回った先行勢がトータル[8-4-5-54]と、中団待機組を圧倒しているのだ。また、最速上がり馬よりも上がり2位の馬のほうが好成績というのも、先行勢の強さを裏付けるもの。イメージほどには差せないと考えるべきだ。

 極端な成績差が出ているのが年齢別成績で、5歳以下馬[10-9-8-96]に対して6歳以上馬[0-1-2-42]と、高齢馬は壊滅状態。2007年2着のポップロックが最後の連対例では、いかにも狙いづらい。また、好走馬のほとんどが「前走中央G1組もしくは海外遠征組」であり、それ以外のレースから好走したのは、2008年1着のスクリーンヒーローのみ。今年は前走G2組が人気を集めそうだが、過信は禁物である。

 あとは、「外国人ジョッキー騎乗の日本馬」も激アツ。世界でも有数の高賞金レースだけあって、日本人とは本気度が違う。関西馬×外国人ジョッキーが最も信頼できるパターンで、今年はサウンズオブアース、リアルスティール、レインボーラインの3頭が、これに該当しそう。人気薄でも侮れない存在となりそうだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 Cコース継続。連続開催の最終週だけに、差し優勢の馬場となりそう。

・天候予測
 日曜日に雨予報。週末にかけても不安定な天候で道悪となる可能性も。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○、ハービンジャー産駒▲

 長く続いた秋の東京開催も、今週でラスト。さすがに芝コースには傷みが出てきており、先行勢もそれなりに踏ん張っているが、やはり外から差す馬のほうが有利だろう。気になるのが天候で、水曜日の夜に下手すると積雪〜週末まで曇り空〜日曜日に雨予報と、道悪となってもおかしくない雰囲気。土曜日に雨があると、馬場の悪化が一気に進む可能性もありそうだ。

 血統面は、ディープインパクト産駒とハーツクライ産駒、ハービンジャー産駒をプラス評価の対象に。とくに強調したいのがハーツクライ産駒の強さで、連対率や複勝率の高さは、ディープ産駒とほぼ互角。シュヴァルグラン、フェイムゲーム、ワンアンドオンリーと3頭を送り込んできたここは、一発があっておかしくない。

★出走登録馬・総論×各論

 登録は21頭だが、アルバートとトウシンモンステラが回避予定。フランスのイラプト、ドイツのナイトフラワーとイキートスの外国馬3頭がエントリーしてくれたのもあって、フルゲート18頭でレースが行われそうだ。キタサンブラック、ゴールドアクター、ディーマジェスティ、リアルスティールなど、出走メンバーの豪華さもなかなかのもの。馬券的にも面白い熱戦となってくれそうである。

 例年との大きな違いが、天皇賞・秋から出走する馬の少なさ。圧倒的に強いローテなのだが、なんとリアルスティールとルージュバックの2頭しか登録がない。そのかわりに多いのが、好走例がほとんどない前走G2からのローテ。しかも、キタサンブラックにゴールドアクター、シュヴァルグランなど、人気馬ぞろいなのだ。コレがレース結果にどのような影響をおよぼすのかも、注目したいポイントといえる。

 では、各論に入ろう。トップ評価は、皐月賞馬ディーマジェスティだ。冒頭の「特注データ」条件をクリアした数少ない馬で、それ以外にもプラス評価の項目がズラリ。関東馬であるのが一応はマイナスだが、それを補ってあまりある強調材料の持ち主である。やや人気を落としそうな今回は、絶好の狙い時となりそうだ。

 二番手評価にキタサンブラック。京都大賞典からのローテで割り引いたが、こちらも勝ち負けになって当然というプロフィルの持ち主である。過去に大きく崩れたのは、東京芝2400mのダービーだけ。それだけにコース適性の面で不安は残るが、当時とは充実度がまったく違う。ここも、センスのいい走りで確実に結果を出してくれそうだ。

 三番手評価にルージュバック。天皇賞・秋は7着に終わったが、あれは展開に泣いた部分も大きかったはず。牝馬のキレが生きるジャパンカップで、自慢の末脚が炸裂するケースも十分に考えられる。これだけ前走G2組が多いと、このローテも大きな強調材料となるはず。トレセン帰厩時で448キロならば、大きく馬体重を減らすこともないだろう。

 四番手評価にリアルスティール。前走の天皇賞・秋で2着と、やはり力がある馬であることを見せつけた。「天皇賞・秋で最速上がり」というのはかなりの強調材料で、ムーア騎手が騎乗予定であるのも大きなプラス。現在netkeiba.comの予想オッズ2番人気と、想像以上に人気を集めているが、確かにそれだけ期待させるものがある。

 以下はレインボーライン、サウンズオブアース、シュヴァルグラン、ゴールドアクターという評価の序列。人気サイドで評価が伸び悩んだのがゴールドアクターで、ここは強調材料に欠ける面がある。枠番によっては、思いきって「消し」で勝負するのもアリだ。外国馬はデータから推しづらいが、一発があるとすれば牝馬のナイトフラワーか。


■総論×各論・先週の馬券回顧




京都11レース マイルCS(G1)
1着 16ミッキーアイル
2着 08イスラボニータ
3着 15ネオリアリズム

ネオリアリズムの複勝が正解かよ(#^ω^)ビキビキ

直線での不利については、タラレバになるのでノーコメント。それで損することもあれば、逆に儲かることもあるワケで。それも含めて「競馬」ではないかと。まあ、馬単の軸に選んだヤングマンパワーが16着の時点で、惜しくも何ともないんだけどさ! しっかし、五番手評価以内の3頭で決まってんのに、なんで当たらないんだ(馬券下手)。

※コースデータと血統データは2010年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!
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コラムニストプロフィール

小林誠
小林誠
競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想を馬券総合倶楽部にて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。
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