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キタサンブラックの状態は!?ジャパンC有力馬をチェック!

  • 2016年11月23日(水) 18時00分


週末の馬場状態が有利になる馬は!?

 今週のジャパンカップ。東京都の11月27日の天気予報を確認しようと関連情報を調べていると、東京って明日は最高気温でも3℃、最低気温は1℃という予報なんですね。しかも雨か雪。今朝23日の栗東はみんな「寒い、寒い」と口にしていましたが、そんなのあまっちょろいって感じ。明日が出勤という皆様、本当にご苦労様です。

 その天気で気付いたことは、週末のレースは馬場状態がかなり緩いだろうということ。24日の雨がどの程度なのか分かりませんが、それによっては、気温も上がらないことで26日のレースから緩い馬場になりそう。そして、27日に雨が降るようであれば、時計のかかる馬場になることは間違いありません。それがプラスに作用する馬はどれなのか、マイナスになる馬は。今週末は事前に予想を入稿しなければいけないメディアがないため、26日のレースを見てからのウマい馬券入稿も検討してみたいと思います。

【ジャパンC/キタサンブラック】

 もう横綱の安定感が出たといってもよいでしょう。前走の休み明けは中間の追い切り、最終追い切り、そして京都大賞典と本当に安定した走りっぷりでした。だから大きな上積みとかではなく、今回も高値安定。追い切りの本数も多すぎず、少なすぎず、本当に順調さを感じます。

 だからこそ、1週前追い切りで速い時計を出し、最終追い切りは遅い6F時計にとどめたと思います。時計は遅いものの、最後の直線で外から前を捕まえにいく雰囲気は好調時のそれ。状態に関しては、申し分ないと思いますし、馬場が渋ったとしても、宝塚記念での粘り腰を見れば、むしろプラスに作用しそう。あとは日本ダービー以来となる東京競馬場がどうか。

キタサンブラック(11月23日撮影)

もう横綱の安定感が出たといってもよいキタサンブラック(11月23日撮影)



【ジャパンC/リアルスティール】

 毎日王冠をスキップしての天皇賞秋。当コラムでは不安視したつもりは一切ないので、その点は強調させていただきつつ、この中間の追い切りの流れ。まず、前走の疲労と反動が心配でしたが、11月11日から坂路で時計を出している点。これを見れば、なにも心配になるようなことはないということでしょう。

 その翌週には1週前追い切りをCWで行って、併せ馬が同入。強いて挙げれば、ここが先着というのが、好走時のパターンになりますが、皐月賞2着時は遅れていたので、併せ馬を行っていること自体が重要だと思います。そして、最終追い切りは1Fごとがタメの利いた走りで、その区間における加速力が抜群。ラップの踏み方は前走より今回の方が優秀であることは間違いなく、距離延長も全く気にならない前走からの上昇ぶりといってよいでしょう。

リアルスティール(11月22日撮影)

ラップの踏み方は前走より今回の方が優秀なリアルスティール(11月22日撮影)



【ジャパンC/シュヴァルグラン】

 前走に関しては「絶好調ではなかったし、次を見据えてのレースだったことは確か」と振り返る友道康夫調教師。ただただ、強かった。そして、ペースがこの馬に向いたものだった。それに尽きるアルゼンチン共和国杯というのが、個人的な見解。しかし、そのペースはJCでも再現性の高そうな道中緩んで、最後の3Fの競馬。前走からの上積みが必至の状態ですから、ここはG1獲りに絶好のチャンスではないでしょうか。

 最終追い切りは前走時と同じアドマイヤロケットが相手。相手も前走を勝利しており、好調であることは間違いありませんが、今回はシュヴァルグランが先着するだろうという想定で動きを見ていました。しかし、最後の直線では馬体を並べるのが精一杯。大きく先着するというイメージとは違う内容でした。時計も決して速いわけではない、6F84.6〜5F69.4〜4F54.7〜3F39.8〜1F12.9秒。もちろん一杯に追われて遅れたわけではないので、前走よりは追い切りで動いたことは間違いありません。しかし、この動きだけで本命を即決できるほどのインパクトがある追い切りでもありませんでした。

シュヴァルグラン(11月23日撮影)

本命を即決できるほどのインパクトはないシュヴァルグラン(11月23日撮影)



【ジャパンC/サウンズオブアース】

 京都大賞典は見せ場もないレースになるかも知れない。そんな中間の気配でしたが、後方からよく追い上げたという内容。このあたりは京都競馬場が得意という適性が手助けした部分は大きかったと思います。しかし、ここでの状態がひと息だったからこそ、ここに向けての上昇幅は出走メンバーでも一番あるといってよいと思います。

 中間は坂路での追い切りが続いていますが、前走時よりも推進力がある動き。1週前追い切りは前半をためて、最後に一杯に追うといった感じで、とにかく迫力満点の脚さばき。最終追い切りはM.デムーロ騎手が跨るということで、緩い内容を懸念していましたが、リードしたシェルブルックと城戸義政騎手のがんばりもあって、時計が速く、最後もしっかり負荷をかけることができる内容でした。これなら昨年5着時とは違う仕上がりと表現できますし、この馬の「もう少し」を後押しするのは雨馬場だと思うだけに、当日の渋り具合は気になるところ。

サウンズオブアース(11月23日撮影)

上昇幅は出走メンバーでも一番あるサウンズオブアース(11月23日撮影)



【ジャパンC/レインボーライン】

 前走後放牧に出されて、ノーザンFしがらきから栗東へ帰厩したのは11月15日。短期間での調整になりますが、このあたりは菊花賞と同じなので、慣れたもの。G1で2着して、なおかつメンバー中2位の上がりを使っているわけですから、恵まれた着順ではなく、実力あっての結果だと思います。

 この中間も自身のパターン、厩舎のパターンを守る、日曜本追い切り、水曜軽めという内容。11月20日の追い切り内容は前走時の日曜追いよりも優秀なので、やはりひと叩きした効果があるのでしょう。だからこそ、最終追い切りは4F時計が前走よりも遅いということかもしれません。もちろんラスト1Fが最速ラップ。一見した調教時計は遅くても、状態に関しては申し分ありません。札幌記念でのパフォーマンスを考えると、当日の馬場が渋くなることも歓迎でしょう。

◆次走要注意

・11/19 東京スポーツ杯2歳S【ムーヴザワールド】(1人/3着)

 若干遅めのスタートでしたが、先行力はありました。4コーナーで鞍上が押している様子を見て、距離不足かも知れないと思いましたが、それも直線が長いことやペースが流れたこともあって、最後はしっかりと伸びる形。
 最後は併せ馬の関係で着順こそ3着でしたが、内容は濃い3着。距離が延びてこそと思わせてくれましたし、現時点で日本ダービー最有力という印象のレースでした。

[メモ登録用コメント] [日本ダービー]石坂正厩舎の勝負調教なら勝ち負け。

・11/20 2歳新馬【クラシカルレディ】(4人/8着)

 抜群のスタートを決めてハナで主導権を握るレースぶり。直線に向いても余力があっただけに、ひょっとしたらという内容。ただ、あと1Fで止まりましたし、ちょっと瞬発力も足りない感じ。
 距離短縮でダート。これならあっさりと未勝利は脱出できそう。距離短縮するなら、最終追い切りの4F時計をもう少し速めてもいいと思います。

[メモ登録用コメント] [ダート1400]最終追い切り坂路で4F53秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・高雄特別【サラトガスピリット】
 常に追い切りでは素晴らしい動きを見せる馬ですが、競走除外明けの休み明けという今回もそれを感じさせない走りを見せています。
 大きく追走したCWでの3頭併せはあっさりと先着。6F時計が速く、ラスト1Fも11.9秒。とにかく負けてはいけないレースではないでしょうか。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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