地方競馬ノート-ダートグレード競走回顧/斎藤修

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北海道の快速馬ローズジュレップが殊勲の快走/兵庫ジュニアGP

2016年11月24日(木)18時00分

注目数:13人


優先出走権を獲得して全日本2歳優駿へ


 今シーズンはホッカイドウ競馬所属馬の全国区での活躍があまり目立っていなかったが、ついにここで来た。

 目立たなかったのは、連戦連勝という馬がいなかったこともあるし、またエーデルワイス賞、北海道2歳優駿で、それぞれ中央馬に圧倒的に強い馬が1頭いたということもあった。

 今回、北海道から遠征の2頭は、ローズジュレップが前走1番人気に支持されたサッポロクラシックCで2着、バリスコアは今回が重賞初挑戦ということで、注目度は高いものではなかった。

 一方で中央勢は、5頭中4頭が2勝馬とはいえ、圧倒的に強いレースをしてきたという馬もなく、また実際のレースでも能力を発揮しきれなかった。

 ハナを奪ったのはネコワールドだったが、大外枠からのスタートで、出遅れというほどではないもののスタートはあまりよくなく、さらにアズールムーンも行く気を見せたため、先頭に立つまでにかなり脚を使ってしまった。2コーナーで隊列が決まったが、直後でローズジュレップに突かれる形になって息の入る場面がなく、3コーナー過ぎでは手ごたえが一杯になってしまった。レース3日前には強めに追われ、しかも美浦からの輸送があってのプラス11kgは、もしかしたら体調的な問題もあったのかもしれない。

 エスメラルディーナの妹として注目され1番人気に支持されたアズールムーンはスタートダッシュを決めたものの、ネコワールドに譲らないような勢いで来られてしまったため控えざるをえず、それでリズムが崩れてしまった。ダートが合わないということはないだろうが、砂をかぶって追走がスムーズではなく、向正面で早くも鞍上の手が動いていた。

 結果的にスタート後の直線で競り合った2頭が共倒れ。アズールムーンは5着、ネコワールドは6着に沈んだ。

 その2頭が競り合ってくれたことによって、図らずもうまくレースを運べたのがローズジュレップだ。逃げるつもりもあったようだが、2頭が競り合ったことで、3番枠にもかかわらずうまく外に持ち出すことができた。このあたりはさすがに地元川原騎手の判断が冴えていた。手ごたえ抜群のまま4コーナー手前でもネコワールドを交わしにかかり、直線で後続を振り切った。

 ローズジュレップは、デビュー3戦目のウィナーズチャレンジ(1200m)では、不良馬場とはいえ1分11秒8というかなり速いタイムで6馬身差圧勝。5戦目のウィナーズチャレンジ(1200m)でも1分13秒5で、やはり2着に5馬身差。今シーズンの門別は例年以上に時計のかかる馬場だったにもかかわらず、かなりのスピードを見せていた。それゆえサッポロクラシックCでは単勝1.2倍の断然人気に支持され、早目から直線でも単独先頭。しかしフライングショットに差し切られて2着に敗れていた。これは開催前に砂が補充され、かなり時計のかかる馬場になったことが影響したようだった。今回は前でレースを引っ張る馬がいて、レースが流れたことが、この快速馬にはおあつらえ向きの流れになった。もちろん川原騎手の好判断もあっての結果ではある。

 3頭横一線の2着争いで先着したのは、ダートで2勝を上げていたハングリーベン。スタート後から馬が行きたがっていて、道中はかなり力んで走っているようだった。3コーナー手前でペースが上ってからはスムーズな追走となり、4コーナー手前では勝ち馬をとらえようかという勢いがあった。直線でのもうひと伸びが足りなかったのは、前半に折り合いを欠いたぶんだろう。

 4コーナー7番手から直線伸びを見せて3着に入ったのが、北海道のバリスコア。これまでは逃げまたは先行で結果を残していたが、ここであらたな一面を見せた。

 それにしても北海道・田中淳司厩舎は、6番人気と7番人気で、あわやワンツーかというところでの1着・3着。同厩舎は今シーズン、門別で125勝を挙げ、調教師としてのホッカイドウ競馬のシーズン最多勝記録を更新。その勢いは地元のシーズンが終了しても続いていた。ローズジュレップは優先出走権を獲得して全日本2歳優駿へ、バリスコアも選ばれれば全日本2歳優駿へ出走となるようだ。

 全日本2歳優駿へ向けてということでは、北海道2歳優駿で大差圧勝を見せたエピカリスが出てくるのかどうか、いまだはっきりしていない。中央馬の登録馬発表は27日になるが、その動向によって勢力図は大きく変わってきそうだ。
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コラムニストプロフィール

斎藤修
斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。