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今年のジャパンCはデータがアテにならない年

  • 2016年11月26日(土) 12時00分


最近の傾向が覆されるとしたら…

 今月5、6日、バドミントン中継の仕事で札幌に出張したときに大雪に見舞われた私。その時期の大雪には、私だけじゃなく地元の人たちもビックリしていましたが、今週の東京の雪にはもっと驚きました。

 24日の朝、私は新潟にいて、昼過ぎに東京行きの新幹線に乗ったのですが、新潟は雲が多めながらも晴れていました。それが、越後湯沢あたりで雪になり、上毛高原、高崎、熊谷と、東京に近づくにつれて雪景色が“濃く”なっていったんです。「トンネルを抜けると雪国だった」の南と北が入れ替わっちゃったみたい。貴重な経験をさせてもらいました。

 都心で11月に初雪が降ったのは54年ぶり(私が2歳だった年以来)、積雪を記録したのは観測史上初めて、とのこと。まぁこんな年は、私のG1データ作戦が当たらないのも当たり前でしょう?だって、ここ10〜20年くらいの経験や結果の積み重ねがアテにならないわけですから。むしろ、「データに当てはまらない結果が起きるとすればどうなるか?」を考えたほうがいいような気がします。

 さて、それではジャパンC。最近の傾向が覆されるとしたら、そりゃぁもう外国馬が馬券の対象になる、ってことしかないですよね。今年の参戦馬、イキートス、イラプト、ナイトフラワーが3着以内に来なければ、外国馬の馬券絡みは丸10年も途絶えてしまいます。最後に来たのは06年のウィジャボード(=3着)。いつの間にか、競馬週刊誌の誌面から「どの外国馬が強い?」を検討する座談会記事が消えちゃいましたし、「ウイニング競馬」の番組内でも、外国馬を“特別枠”で紹介することはほとんどなくなりました。「そんな国際競走なんて意味あるの?」と言ったら言い過ぎですか?

 そうそう、ウィジャボードが3着に来た10年前と、そのまた10年前、96年のジャパンCでは、ある特徴的な結果が出ていました。それは、上位1〜3着に来た馬の前走がすべて天皇賞・秋以外のレースだったこと。96年以降の20年間でそうなったのは、ほかには98年だけ。きわめて珍しいことと言えます。

 今年は、京都大賞典からのキタサンブラック、オールカマーからのゴールドアクター、菊花賞からのディーマジェスティとレインボーライン、アルゼンチン共和国杯からのシュヴァルグランなど、天皇賞・秋以外組に有力馬が多く、これらが1〜3着を占めてもおかしくありません。“10年周期”の結果が出現しそうな様相です。

 でも、先に書いたように、今年はデータがアテにならない年。今年起きたら10年連続になってしまうことと、“10年周期”になることをいっぺんにひっくり返すとすれば、外国馬3頭のどれかと、天皇賞・秋を走ったリアルスティール、ルージュバックのどちらかが3着以内に来る、と考えて馬券を買ってみるのもおもしろいんじゃないですか?えっ、「データ作戦がハズレすぎて、ついにプッツンしちゃったか」って?ウーン、そのとおりかも。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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