調教Gメン研究所/井内利彰

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新旧勢力が激突!チャンピオンズC有力馬追い切りチェック!

2016年11月30日(水)18時00分

注目数:33人


ダート無敗のアウォーディーは!?

 先週のジャパンカップ。あれほどまでにキタランブラックが楽に逃げることができるとは予想できませんでしたが、◎サウンズオブアースは全力を出し切って2着。流れが向けば勝つことができたか、これは不明ですし、もう少しペースが速いレースになったにしても、キタサンブラックと最後に馬体を併せることができたとしても差せていたかは微妙。なにせ、そんなシーンで粘り込みを見せたのが、天皇賞(春)であり、宝塚記念ですからね。上位3頭は有馬記念へ向かいますが、かなり楽しみなレースになりそう。これにサトノダイヤモンドが加わって、どんなレース展開になるのか。今度こそ、キタサンブラックにとっては厳しいレース展開になってくるのではないでしょうか。とにかく暮れのグランプリが楽しみです。

 今週のチャンピオンズカップもそんな気持ちでした。ダート無敗のアウォーディーに対して、新旧勢力が激突。わくわくするようなメンバー構成ですが、既にニュースになっているように、ホッコータルマエやタガノトネールが出走することができません。私の耳には調教時間中に入ってきましたが、ちょっと寂しいというか「いかに無事にゲートインさせるか」これが馬に携わる人からすれば、本当に大事なんだなということを思い知ったような気がします。2頭の回避は残念ですが、それでもやっぱり面白いメンバーですよ。

【チャンピオンズC/アウォーディー】

 JRA競走には今年のアンタレスS以来の出走となります。レース間隔はそのアンタレスSと同じ中3週。そことの調教比較をしていくと、追い切り本数は当時よりも1本多い5本。すべてCWでの追い切りという点は全く同じです。アンタレスSでは最終追い切りのみ併せ馬でしたが、今回は1週前追い切りも併せ馬。そういった意味で、全体的な調教内容としては、今回の方が明らかに強い負荷と考えてよいでしょう。

 それは時計面にも表れています。終い重点だったアンタレスSの最終追い切りではピオネロと併せてほぼ同入のゴールで6F84.2秒。それが今回はフェルメッツァに最後は手応え劣勢で遅れ気味でしたが、これは大きく追走したことが理由。むしろ、時計は6F82.7秒なので、当時より速い点が評価できます。もともと追い切りで派手な動きを見せるタイプではなく、これだけしっかりと追い切りを消化できたことが最も評価できる点でしょう。

アウォーディー(11月30日撮影)

しっかりと追い切りを消化できたことが最も評価できるアウォーディー(11月30日撮影・奥)



【チャンピオンズC/ゴールドドリーム】

 前走武蔵野Sは休み明け、トライアルということもあり、必要最低限の追い切りを消化しての出走という印象。それでも1週前追い切りでは坂路4F51.2秒と速い時計をマークして、最終追い切りはラスト1Fが最速になるようにきれいな加速ラップを踏んでいました。その結果がレコード駆けの2着ですから、能力が高く、休み明けでも力を出せたというところでしょう。

 中2週の今回は15-15の1週前追い切りを消化して最終追い切り。過去の中2週、3歳500万下では3本の追い切りを消化していたので、本数という意味では物足りなさを感じるところでしたが、最終追い切りは4F50.8秒で自己ベストを更新。陣営としてもこれをベストと思って仕上げてきたので、もちろん評価すべき内容だと思いますが、過去の1着時の最終追い切りではすべて併せ馬を行っており、これがない単走をどう評価するべきか。もちろん2着、3着の実績があるので、低い評価はできませんが、勝つという評価もしにくい最終追い切りでした。

ゴールドドリーム(11月29日撮影)

低い評価はできませんが、勝つという評価もしにくいゴールドドリーム(11月29日撮影)



【チャンピオンズC/コパノリッキー】

 チャンピオンズCには2014年、2015年と連続して出走。よって、当時の調教内容と今回を比較してみたいと思いますが、まず2014年との比較。坂路で1本、CWで3本というトータル的な調教内容は当時と全く同じ。しかし、当時の最終追い切りでは状態に疑問を感じていた私。それが今回は全くありません。ちなみに2015年との比較では今回の方が1本少ない本数なので、これとは内容自体が違います。

 とにかく今回は躍動感ある走りが半端ありません。1週前追い切りはC.ルメール騎手が跨って、かなりしっかりと動きました。ストライドのダイナミックさはこれまでの追い切りでは感じたことがないくらいの迫力。最終追い切りは時計こそ遅くなりましたが、これは1週前追い切りでの状態が素晴らしいからこそであり、動き自体はラスト1F、本当に迫力があったと思います。結果に関しては、自分のレースができるかどうか、今回はそれに尽きると思います。

コパノリッキー(11月30日撮影)

これまでの追い切りでは感じたことがないくらいの迫力だったコパノリッキー(11月30日撮影)



【チャンピオンズC/モーニン】

 武蔵野Sの仕上がりに関しては、ラスト1F12.0秒であり、動きも力強くて問題ないと思いました。しかし7着という結果から振り返ると、4F53.5秒という全体時計が過去の最終追い切りと比較するとかなり遅いので、それが影響したのかも知れません。あらためて強調しておくと、これはあくまで結果論からの推測であって、当時は本当にいい状態だと思っていました。

 今回は前走7着だからこそできそうな調教内容の変化。それが1週前追い切りはCWで6Fから時計を出した点。明らかに距離延長を意識した内容に思えますし、まずはこれが功を奏すかどうか。最終追い切りは坂路4F51.1秒と過去の最終追い切りとほぼ同じ内容ですから、今回こそG1ホースの実力を発揮できる仕上がりではないでしょうか。

モーニン(11月29日撮影)

今回こそG1ホースの実力を発揮できる仕上がりのモーニン(11月29日撮影)



【チャンピオンズC/アポロケンタッキー】

 みやこSではラニがいたので、本命を打つことができませんでしたが、ブラジルCからの変わり身を感じずにはいられない仕上がり。中1週で最終追い切りが自己ベスト更新なんて、簡単にはできません。むしろ今回はその反動が心配なところでした。

 しかし、1週前追い切りではダンツプリウスを煽るような動きで抜群。時計は遅くても、動きの機敏さは素晴らしかったと思います。それに比べると物足りなく感じた最終追い切り。トウシンイーグルとの追い比べではかなり地味でした。確かに時計を要する時間帯での追い切りですが、それは1週前追い切りでも同じ。低い評価はできませんが、ビジュアルとしては先週の動きがかなり印象に残る。これが正直な感想です。

アポロケンタッキー(11月29日撮影)

最終追い切りのトウシンイーグルとの追い比べはかなり地味だったアポロケンタッキー(11月29日撮影)



◆次走要注意

・11/26 キャピタルS【ダノンリバティ】(2人/7着)

 どんな位置でレースをするか、非常に気になるところでしたが、外枠ということもあってか、中団より後ろでのレース。それなりに流れたレースでもあり、これでも十分届くと思いましたが、直線では狭いところに突っ込んでいく内容でした。
 やはり個人的には六甲Sや関屋記念のように先行して、早目に先頭に立つ。これが好走するためのベストだと思います。まだまだ能力を出し切っていないだけに、見限ることはできないでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1600]最終追い切りで坂路4F51秒以下なら勝ち負け。

・11/27 京阪杯【ネロ】(2人/1着)

 坂路での好時計がようやく結果につながったレース。馬場が悪くなってもラチ沿いを飛ばしていけば、後続がついてくることができないという結果でしょう。
 馬場が悪いといえば、来春の高松宮記念。雨でも降って、馬場が悪化すれば、この馬のパワーが最も活かされる馬場となりそう。気が早いかも知れませんが、このレースで来年の宮記念最有力候補とさせてください。

[メモ登録用コメント] [高松宮記念]最終追い切り坂路で4F50秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳未勝利【ルタンデュボヌール】
 もっと早くに勝ち上がっていないといけない素質馬。30日の追い切りでも古馬を全く相手にしない脚力を披露。自分の持っている能力を発揮できれば、来春はクラシック路線に乗ってもおかしくないだけに、ここできっちりと走ってほしいところです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!
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コラムニストプロフィール

井内利彰
井内利彰
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ