地方競馬に吠える!/斎藤修

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競馬場の有効利用

2016年12月02日(金)18時00分

注目数:18人


◆競馬ファンも、そうでない人も楽しめるイベント

 11月26日(土)、27日(日)、大井競馬場に新たにオープンしたウマイルスクエアで、『全国ねぎサミット2016 in TOKYO × 肉フェス』なるイベントが行われた。

 大井競馬場は、昨年のJBC開催のタイミングで、かつて2号スタンドだったところにG-FRONTというスタンドがオープンしたが、3号スタンドだった場所にはスタンド等の施設はつくらず、さまざまなイベントを開催するための『UMILE SQUARE(ウマイルスクエア)』として生まれ変わった。“ウマイル”とは、「馬が居る」「スマイル」「美味い」などの言葉を掛け合わせたものだそうだ。そこで開催された最初のイベントが、『全国ねぎサミット×肉フェス』というわけ。

 『全国ねぎサミット』は2010年、深谷ねぎで有名な埼玉県深谷市で第1回が開催され、今回が7回目。『肉フェス』は2014年春に駒沢オリンピック公園で第1回が行われ、その後も全国各地で開催されてきたようだ。

 今回はその2つのイベントがコラボしたもの。ねぎサミットでは、全国28市町村が自慢のねぎをアピール。もちろん試食・販売が行われた。肉フェスでは、12店舗が様々な肉料理などを販売した。

 さらに26日(土)には、毎年恒例の『TCKお客様感謝デー』も併せて開催。大井競馬所属騎手によるサイン会やイベント、調教師バンドによる演奏などが行われた。また27日(日)には、これまた恒例となっている相馬野馬追の実演も行われた。27日は大井競馬の開催もあり、さらにJ-PLACE大井として中央競馬の馬券発売も行われていたから、まさに競馬ファンも、そうでない人も楽しめる大々的なイベントとなった。

 ぼくが足を運んだのは26日、土曜日の16時過ぎ。すでに陽が落ちかけていて、18時という終了時刻が迫っていたため、競馬場から出てくる人のほうが多かったのだが、ちょっとびっくりしたのが、束になったねぎを抱えたりバックパックに入れている人がたくさんいたこと。「みんなそんなにねぎ好きなのか!」と思わず心のなかで叫んでしまった。

 SNSに投稿されていた写真などを見ると、11時のオープン時には開門待ちの人がかなりの列をつくっていたようだし、聞いたところによると肉フェスの店舗によっては1時間待ちというところもあったそうだ。それゆえ夕方には、ねぎも肉も「本日分売り切れ」という貼り紙を出しているところが目立った。

ずらりとテントに並んだ全国のねぎ


特設ステージで行われた「利きねぎ選手権」


 入場者は、土日それぞれ約16,000人で、計約32,000人とのこと。競馬も開催していた日曜日にあまり客足が伸びなかったのは、雨模様の天候もあったのだろう。

 競馬開催がない日の競馬場は、ともすれば無駄に広大なスペースになりかねない。まして近年では馬券発売の大部分がネット発売に依存するようになり、GIなどの大レースや、大型連休、年末年始などの特異日以外はかつてほどの入場人員は望めない。それゆえ大井競馬場ではかつてのスタンドの一部をウマイルスクエアとしたのだろう。同じように川崎競馬場ではスタンドだったところが複合ショッピング施設となった。

 また地方都市の競馬場では、ほぼ毎日のように他場の場外発売となっているところもあるが、それにしても使われているのはスタンドの一部。それ以外は、いわば無駄なスペースになっている。

 今回の『全国ねぎサミット×肉フェス』は、競馬場という広大なスペースで、競馬以外の人が集まるイベントを開催するという可能性を示したといえるだろう。

 競馬場は広大なスペースといっても、かなり厳密に閉じられていて、有料イベントなどをやるにも都合がいい。また柵や塀などでほぼ完全に閉じられているだけに、小さな子供を自由に遊ばせても事故などの危険がきわめて少ない。地方都市の競馬場も、多くの人が集まるイベント会場としての利用はおおいに考えていくべきと思う。

 なお、大井競馬場の年末12月26日〜31日の開催のウマイルスクエアでは、『TCKラーメン☆餃子フェス2016』が開催される。TCKラーメンフェスティバルはこれまでも行われていたが、場所は内馬場だった。競馬がメインというファンにとって、実は内馬場はなかなか足を運びにくい。それがスタンド脇のスペースでの開催となれば、これまで以上に盛り上がりそうだ。ただそのぶん、人気店の行列は長くなりそうだが。
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コラムニストプロフィール

斎藤修
斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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