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「セン馬の法則」は寝言なのか?

  • 2016年12月02日(金) 19時00分


◆タキオンの血を引く馬の去勢は狙い目?

 昨年のチャンピオンズCは「古馬の牡馬」は1頭も3着以内に入れず。勝ち馬のサンビスタは牝馬。3着サウンドトゥルーはセン馬(去勢馬)

 1、2、4人気は「古馬の牡馬」。昨年のチャンピオンズCは「古馬の牡馬」に向かないレースだったとすらいえるでしょう。

 そしてレースだけではなく「古馬の牡馬」よりも「牝馬、若駒」の方が走る「血統」は存在します。

 いわゆる「フィリーサイヤー」(牝に活躍馬の多い種牡馬)と呼ばれる種牡馬は「牝馬と若駒」に活躍馬が集中します。また、こうした「フィリーサイヤー」の血を引く馬は「セン馬」が走りやすい傾向もあります。

 たとえば、ノンコノユメの母父でもあるアグネスタキオンは中央のG1勝ち馬を6頭出しましたが、このうち3頭は牝馬。牡馬でG1を勝った3頭もすべて若駒の時(3歳春まで)。「古馬の牡馬」でG1を勝った馬はいません。

 さらに興味深いのは、アグネスタキオンの後継種牡馬にあたるディープスカイはセン馬(去勢馬)の活躍馬が多いこと。

 ディープスカイの産駒は「メス以外」の中央勝利経験馬は39頭。このうち5頭の馬がセン馬として合計9勝の勝利実績があります。中央で勝った馬のうち約12.5%はセン馬として勝利しているのですから、まずまずな比率です。また、そのセン馬のうち2頭が3勝以上(障害戦除く)。出世率もセン馬が高い血統。

 なお、ディープスカイ産駒のセン馬をすべて買った場合の単勝回収率は178%。複勝回収率は62%。「去勢明け後数戦」に限定すればさらに回収率は優秀。

「アグネスタキオンの血を引く馬の去勢イベントを狙えば大儲け!」という表現も間違ってはいないでしょう。

 ただ、タキオンの血を引く馬が去勢されるのを待っているのでは、年間のイベント数があまりにも少なすぎます(笑)。この典型例で重要な事は「フィリーサイヤーは去勢明け後の数戦の期待値が高い」ことでしょう。(それでも年間出現数は少ないですが)

 そりゃあ「タキオンの血は若駒と牝馬で輝く血。だから古馬は去勢した方が活躍できる」と書いて、今年ノンコノユメが勝てば、それっぽいのですが…

 別にノンコノユメをチャンピオンズCで買うのをコジつけるために、思いついた法則ではありませんので。(人気でしょうし)

 ノンコノユメの新しい性別と血統を見て、以前から当コラムでも書いていた「去勢の法則」を思い出したまでです。

 そういえば、2014年の潮騒特別は、5人気と13人気のセン馬が1、2着。父はどちらもファルブラヴ。3連単は50万馬券。このレースはホームページで公開している予想では本命、対抗のド本線で的中させたことを思い出しました。当時から今回のコラムで書いたことは指摘していたんですよね。

 なお、今年も出走するサウンドトゥルーの父フレンチデピュティも「去勢」のオプションがハマりやすい血統。だから、牝馬と牡馬の若駒のG1勝ち馬が多い血統です。同じくフレンチデピュティの血を引くゴールドドリームも若駒だからこそ狙える血統ともいえます。

 ちなみに、ステイヤーズSからセン馬として再スタートするプロモントーリオも母父フレンチデピュティ。今回走るか?がわかれば苦労しませんが、年明けの中長距離重賞でも狙ってみたい血統です。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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