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西高東低を覆す!変革の藤沢和雄厩舎が放つ三本の矢(辻三蔵)

  • 2016年12月06日(火) 18時00分


◆今年からウッドコースと坂路調教を併用

 今年のJRA2歳重賞成績を調べると、関西馬8勝、関東馬2勝、地方馬1勝と西高東低の傾向が顕著に出ている(データは2016年12月5日現在)。地方所属だったトラストが札幌2歳Sを勝っているが、現在は栗東・中村均厩舎に転厩したので関西馬として考えてもいい。

 関東馬はサウジアラビアロイヤルC、東京スポーツ杯2歳Sを勝ったブレスジャーニーの重賞2勝。競優牧場生産で北海道サマーセールで270万円で落札された馬が孤軍奮闘。重賞連対組ではミルファーム生産のオーバースペック(新潟2歳S2着)、ダイイチターミナル(小倉2歳S2着)も健闘している。

 一方、主力を占める社台系生産馬はノーザンファーム生産馬が[0-1-0-4]、社台ファーム生産馬は[0-0-0-2]。フローレスマジック(木村哲也厩舎)のアルテミスS2着が最高成績だ。

 関西馬の場合、ノーザンファーム生産馬が[4-4-3-13](勝率17%、複勝率46%)、社台ファーム生産馬が[1-0-0-3](勝率25%)。社台系生産馬が期待通りの活躍を見せている。

 特に、ノーザンファーム生産馬は10月以降のJRA重賞で[4-3-2-8](勝率24%、複勝率53%)。リスグラシュー(アルテミスS)、モンドキャンノ(京王杯2歳S)、ミスエルテ(ファンタジーS)、ジューヌエコール(デイリー杯2歳S)と素質馬を使い分けて3週連続、重賞制覇を果たしている。牧場側とすれば厩舎の東西は関係なく、適性を見極めた上で勝てる馬を配置する構図が見えてくる。

 それでも西高東低の現実は変わらない。関東馬劣勢の状況を跳ね返すには、関東馬が2歳GIを勝つしかない。

 関東馬では藤沢和雄厩舎が精鋭を率いて2歳GI制覇を狙う。阪神ジュベナイルFにソウルスターリング、朝日杯フューチュリティSにサトノアレスが出走予定。ホープフルS出走を目指すレイデオロを含む三本の矢で、12月に行われる2歳重賞完全制覇を狙う。

 藤沢和雄厩舎は今年、JRAリーディング2位の46勝を挙げている。昨年の32勝を大きく上回り、2014年以来の50勝到達も目前だ。

 成績向上の要因として、今年から南馬場ウッドコースでの6F追いを再導入している。かつてはコディーノ(2013年皐月賞3着)やバウンスシャッセ(2014年オークス3着)が活用したが、2014年の天皇賞(秋)でスピルバーグが坂路調教で勝って以来、坂路中心の調教に切り替えていた。

 しかし、栗東以上に負荷が掛かっていた美浦坂路も最近は走りやすくなり、速い時計が出るようになった。2014、2016年暮れの追い日(水曜日)の1番時計を比較すると、2014年11月26日が4F55秒3、2016年11月30日は4F49秒8。先週11月30日は調教駆けするノボバカラが1番時計なので極端に速いが、条件馬でも4F51秒台を記録している。2014年と比べて4F時計が3秒以上速くなっており、「馬なり調教」でも負荷が掛かった2年前の美浦坂路とは状況が一変している。

 そのため、藤沢和雄厩舎も今年からウッドコースと坂路調教を併用するようになった。昨年は美浦坂路16勝、美浦南W7勝だが、今年は美浦南W23勝、美浦坂路16勝と勝利数が逆転している。

 中間の調整では南馬場ウッドコースで6F追いを行い、スタミナ強化。最終調整は4F目から上がり重点に追い、瞬発力を鍛える。併せ馬で闘争心を促し、ゴール前同入が基本。大外を回って加速し、「馬なり」でラスト1F12秒台でまとめるのが理想だ。

 美浦南Wの好走時計は[4F52-53秒台、3F39-40秒台、1F12秒台]。

 今年の藤沢和雄厩舎の調教パターンを調教コース:美浦南W、4F54秒2以内、3F40秒3以内、1F12秒7以内、コース取り:8分以上、脚色:馬なりに設定した場合、[4-1-1-1](勝率57%、複勝率86%)と好成績を収めている。

 藤沢和雄厩舎が放つ三本の矢が前記の好走調教に該当すれば、悲願達成は十分に可能だ。

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