常石勝義&赤見千尋が見つけた 競馬の職人/常石勝義&赤見千尋

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芝もダートも一流馬 競馬界の二刀流レッドファルクス

2016年12月06日(火)18時00分

注目数:27人
二刀流レッドファルクス

レッドファルクスで香港スプリントに挑戦する尾関調教師(撮影:佐々木祥恵)



いいものを持っているので、じっくり育ててきた


赤見:まずはスプリンターズS制覇おめでとうございます!厩舎にとって初めてのGI制覇でしたね。

尾関:ありがとうございます。ちょっと時間は経ちましたけど、あんまり実感が湧かないんですよね。レース直前ミルコ・デムーロ騎手に、「先生、GI勝ったことあるの?」って聞かれたので、「ないです」って答えたら、「じゃあ、がんばってきます!」って言ってくれて。その通りに結果を出してくれて、本当に嬉しかったです。勝利インタビュー中に、ここまで一緒にがんばってきたスタッフたちのことを思い浮かべたら感極まって言葉が詰まってしまいました。GIを勝つというのは、本当に大きなことですよね。

赤見:レースは好スタートを決めて、中団から差し切り勝ちでした。どんな風にご覧になってました?

二刀流レッドファルクス

好スタートを決めて、中団から差し切り勝ち(撮影:下野 雄規)


尾関:スタートは今までで一番良かったし、想像よりもいい位置に付けられました。3,4コーナーは外を回っていたのでスムーズだったし、最後もよく伸びてくれましたね。CBC賞を勝っていたので、中京の高松宮記念を勝たせなければいけないなと考えていたんです。でもその前に挑戦したスプリンターズでGI制覇してくれるとは…。嬉しいやらびっくりやらでした。

赤見:レッドファルクスはオープン入りまで少し時間が掛かりましたが、ここまでの道のりというのは?

尾関:スウェプトオーヴァーボード産駒でちょっと気難しいのかなって思っていたんですけど、実際は素直で扱いやすい馬なんです。オンとオフがしっかりしているし、厩舎に居る時も調教中も、こちらが思ったようなことができるので、とても扱いやすいですね。ただ、まだ体ができていなかったし、早い時期からバンバンという感じではないなと。いいものを持っていると感じたので、じっくり育てていきたいと思いました。

赤見:これまでは左トモに疲れが出やすかったそうですね。

尾関:そうなんですよ。ウッドで追い切ると後ろだけ手前が変わらなかったりしていたんです。去年半年休養して10月に復帰してからは、レース的にも能力的にも体的にも、もう一段階上がったと感じました。ただ、まさかここまで強くなっているとは…。嬉しい驚きでしたね。

赤見:現在は香港スプリントに向けて調整中ということですが、状態はいかがですか?

尾関:レース後も順調に過ごしています。去年サクラゴスペルで挑戦しているので、その経験をフィードバックできればと思っています。性格的には香港への輸送も初めての環境も順応してくれそうなので、不安はないですね。大舞台ですけれど、人馬ともに力まず調整できています。

赤見:尾関先生は競馬ファンからスタートして調教師になったんですよね。

尾関:そうですね。千葉県出身で中山はファンの時に一番多く行っていた競馬場だったので、そこでGIを勝てて嬉しかったです。ファンになったのは小学校6年生の時で、ミスターシービーの三冠のニュースを見てすごいなと。そこからいつの間にかのめり込んで、競馬の仕事がしたいなと思うようになりました。

赤見:さらに、尾関厩舎といえばガンダム仕様の厩舎ジャンパーが素敵です!!

尾関:そこですか(笑)。デザインの基本はガンダムなんですけど、中日ドラゴンズが好きだということと、あとこのニンジンを上から見たようなデザインのマークは、レッドホットチリペッパーズのマークに似ているんです。だから、僕の好きなものを集めて作った感じですね。遠くからでもすぐにわかるデザインなので気に入っています。

赤見:では、今後に向けて意気込みをお願いします。

尾関:ファンの方にはいつも応援していただき、とても感謝しています。レッドファルクスはダートも芝も両方がんばってくれる馬です。日本ハムの大谷選手はピッチャーでダメな時はバットで返したりもするので、同じように二刀流でがんばります!
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コラムニストプロフィール

常石勝義&赤見千尋
常石勝義&赤見千尋
常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

赤見千尋
1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミックシリーズ」の「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍中。