調教Gメン研究所/井内利彰

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ハイレベルの阪神JFで「調教要注目馬」は!?/追い切り詳報

2016年12月07日(水)18時00分

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ディーパワンサは「前走負けた相手も逆転できる」状態

 先週のチャンピオンズC。無印にしたサウンドトゥルーが勝ってしまったことは、恥じなければいけないことですが、それ以上に恥じないといけないのはアスカノロマン。状態が芳しくないと思った上での無印でしたが、レース後のジョッキーコメントでは「今日の状態で勝てなかったのは僕の責任」と明言されていました。今、追い切りを思い返しても私の眼で見た調教診断からはいい状態だと思うことはできませんから、やっぱりジョッキーにしか分からないところがあるのでしょう。これで私もひとつの勉強になりましたし、今後に役立てるようにしていきたいと思います。

 さて、今週の阪神ジュベナイルフィリーズ。美浦のソウルスターリングの状態は分かりませんが、とにかく栗東の出走予定馬はみな好調といった感じ。美浦所属で栗東滞在しているブラックオニキスあたりも小気味よいフットワークで機敏な動きを見せており、追い切りだけではどの馬を評価するか迷ってしまうくらい。予想に関しては、週末までかなり迷うことになりそうです。

【阪神JF/ジューヌエコール】

 前走は距離延長に対応することもあってか、中間に2回のCW追い切り。いずれもモンドキャンノ(朝日杯FSに出走予定)と併せて、先行したり追いかけたりと中身の濃い内容でした。そして最終追い切りは坂路でラスト1Fが最速になるラップを踏みつつ、4F時計の自己ベストを更新するというもの。正直、これ以上ない仕上げでウマい馬券でも◎を打たせていただきました。

 今回も同じパターンなのか、もしくは少し捻りが入ってくるのか。そこに注目していましたが、微妙にパターンを変えています。CWでの追い切りが加わってくるところは変わっていませんが、最終追い切りがCWでの4F追い切りになりました。全体時計が遅めで、ラスト1Fが鋭い内容。前走でも多少行きたがるところを見せていたことを考えると、坂路よりはCWの方が距離対応に適切ということかも知れません。

ジューヌエコール(12月7日撮影)

今回は微妙にパターンを変えてきたジューヌエコール(12月7日撮影)



【阪神JF/リスグラシュー】

 前走は初めての東京競馬場への遠征。馬体重は減っていましたし、凄味を感じさせるような雰囲気もなかっただけに少し不安なところもありましたが、終わってみればなんと強いレース内容。前走時の最終追い切りはラスト1Fが最速になるラップで、実に力強い走りを見せていましたから、追い切りで動けていれば、見映えしないパドックでも問題ないのかも知れません。

 今回も前走同様、1週前追い切りにジョッキーが跨って速い4F時計を出し、最終追い切りは終い重点。時計自体は今回の方が遅いだけに、その点がどうかというところはありますが、パターンとして変化がないということは高く評価できます。あとはレース当日はG1独特の雰囲気になるでしょうから、変な入れ込みなどがなければといったところ。

リスグラシュー(12月6日撮影)

追い切りで動けていれば、見映えしないパドックでも問題ないリスグラシュー(12月6日撮影)



【阪神JF/レーヌミノル】

 前走は見ごたえ十分のレース。センスがあるという言葉だけではこの馬の能力を表現できないほど秀逸なレースぶり。モンドキャンノが仕掛けたところを見て、一緒に追い出しましたが、結果的には追われる立場になって、差し負けしてしまいました。しかし瞬発力の差で敗れただけ。むしろ、もっと早目に突き放すようなレースをしていれば、結果は違ったのかも知れません。

 そう思わせるのは普段の追い切り。CWで道中から飛ばしていっても、最後まできっちり脚を使えるのがこの馬の長所。今回こそはそんなレースをするような気もしましたが、最終追い切りではCWでロバストミノル、ケンシュナウザーを追走してテンはすごくゆっくり、直線はかなり離れた位置から前を捕まえるという内容。最後はなんとか捕まえたかどうかという感じでしたが、その1Fは11.5秒。3F37.5秒ですから、直線だけではなく、コーナーでもしっかり脚を使っています。この走りができれば、前走より後ろの位置取りから前を捕まえる、前回モンドキャンノにやられたようなレースができるかも知れません。

レーヌミノル(12月7日撮影)

最後まできっちり脚を使えるレーヌミノル(12月7日撮影)



【阪神JF/ヴゼットジョリー】

 新馬戦の最終追い切りはCW、新潟2歳Sの最終追い切りは坂路でしたから、今回はどちらを選択してくるだろうと思っていました。結果はCW。休み明けということもあっての選択なのかも知れませんが、その内容は6F時計が遅めで、終い重点でした。

 先週に続いて、和田竜二騎手が跨っていましたが、首の位置が低くて、いかにもローエングリン産駒といった動き。前への推進力がしっかりとしていて、先行していたファンドレイザーを楽々と捕まえていました。調教から判断できる状態に関しては隙がないと思いますが、あとはレースが久しぶり、キャリアが2戦といったところで他馬との差がどのくらいかといったところ。

ヴゼットジョリー(12月7日撮影)

調教から判断できる状態に関しては隙がないヴゼットジョリー(12月7日撮影)



【阪神JF/ディーパワンサ】

 先週のトレセンニュースでもお伝えしたことですが、前走デイリー杯2歳Sの追い切りではいかにも休み明けを感じさせる動き。しかし、レースではメンバー最速上がりをマークしての4着でしたから、良くなってくれば、どれだけ走るのだろうという期待がありました。そこで見せてくれた1週前追い切りの動き。A.シュタルケ騎手との相性なのか、ひと叩きした効果なのか。いろんな要素が相まっている感じがします。

 最終追い切りは終い重点。CWでタイセイオーキッドを追走しましたが、道中はしっかり脚がたまった状態で最後の直線。外から並びかけて、仕掛けられると抜群の伸び。6F86.5秒は遅い時計ですが、これは折り合いのことを考えれば、むしろ評価できる数字。そして、1F12.2秒は数字以上に鋭い伸びでした。これなら前走負けた相手も逆転できる状態でしょう。

ディーパワンサ(12月7日撮影)

仕掛けられると抜群の伸びをみせたディーパワンサ(12月7日撮影)



◆次走要注意

・12/3 金鯱賞【リアファル】(3人/5着)

 追い切りでの動きはしっかりしていましたが、さすがに約1年ぶりのレースでは見せ場をつくる程度がやっと。ただ、瞬発力勝負のレースでなければ、着順自体はもっと上だったかも知れません。
 このまま無事に進んでいけば、先行力は大きな武器。再び重賞路線での活躍が期待できると思います。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切り坂路で2F目から12秒台ラップ持続なら勝ち負け。

・12/4 2歳新馬【レッドリボン】(4人/2着)

 追い切りでの動きを考えれば、初戦から勝ち負けだろうと思っていましたが、レースでの位置取りが少し後ろだったこともあり、連対も厳しいと思わせる感じ。
 ところが、前を捕まえようとする姿勢は追い切りと同じだったので、メンバー最速上がりを使えました。次はきっちり決めるでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りで併せ馬先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・ラピスラズリS【レッドラウダ】
 今週もブラックスピネルとの併せ馬でしたが、その動きは抜群。テンから速いラップを踏んでも最後まで減速しない、スピードの持続力を考えると、出走が叶いそうにないカペラSでダート1200mという条件も適性は高いと思います。いずれにせよ、中山のレースだと思いますが、馬の状態は最高レベルでしょう。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!
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コラムニストプロフィール

井内利彰
井内利彰
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ