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中央卒業生が多数出走した総の国オープンを振り返る

  • 2016年12月12日(月) 18時00分


地方交流戦の総の国オープン、中央卒業生ミッキーヘネシー優勝!


 12月6日船橋競馬場で行われた地方交流戦の総の国(ふさのくに)オープン。南関東はもちろんのこと全国から中央卒業生の姿が見られました。

 あいうえお順で紹介すると、アンコイルド(栗東・矢作芳人厩舎)、トーセンアドミラル(美浦・加藤征弘厩)、ナムラビクター(栗東・福島信晴厩舎)、バンブーリバプール(栗東・佐藤正雄厩舎)、ヘブンズゲート(美浦・斎藤誠厩舎)、ミッキーヘネシー(栗東・橋口弘次郎厩舎)、ラヴィアンクレールとロイヤルクレスト(美浦・鈴木伸尋厩舎)。※厩舎名は中央から移籍する時のもの

 中央ファンの方たちにとっても懐かしい名前ばかりだと思います。この総の国オープンで大奮闘したのは、今は高知の一員として頑張っているミッキーヘネシーでした。若手の有望株・川崎の瀧川寿希也騎手を背にして、13番人気という低評価を覆しての圧勝。なんと、単勝万馬券(10410円)!!!

瀧川寿希也騎手を背に完勝したミッキーヘネシー


 道中は最後方から進めていき、3〜4コーナーで一気に進出していくと、最後の直線ではライバルたちを突き放し、2着馬に3馬身差をつける完勝でした。管理する高知の別府真司調教師は別府真衣騎手のお父さんとしても知られていて、高知では数多くのレースを制している方ですが、南関東遠征は初勝利でとてもお喜びになっていました。

 「差し馬なのに砂を被るのは好きではないので、瀧川騎手も外枠からうまく乗ってくれました。馬の状態もとてもよかったですし、強い相手と戦ってきたのも生かせたのかなと思います」(別府調教師)

南関東初勝利を飾った別府真司調教師は向かって右にいる方です


 この後は12月29日の東京大賞典に挑戦したいというお話しでした。



ナムラビクター、安らかに……


 そして、多くの方がご存知のように、北海道から移籍し南関東での初戦を迎えた中央卒業生ナムラビクターは、向正面で競走中止し、右第三中手骨複雑骨折により亡くなりました。

生前のナムラビクター


 ナムラビクターの直後にいたラヴィアンクレールもかなり大きく転倒したものの、レース直後の段階では大きな怪我はなさそうとのことで厩舎へ帰っていったのは不幸中の幸いでした。騎乗していた騎手たちにも怪我はありませんでした。

 ナムラビクターは、2014年アンタレスS優勝やその年のチャンピオンズカップではホッコータルマエの0.1秒差の2着になるなどダート戦で大活躍した馬ですね。

パドックで周回するナムラビクター


時おりこんな表情も


 私は南関東ホームページ内にある南関魂というブログで日々の南関東競馬を綴っていますが、ナムラビクターが亡くなったことをお伝えした際には、あまりにも悲しみの声が多く、これほどまでにたくさんの人たちから愛されていた馬だったんだなぁ……と。

凛々しい表情も印象的でした


 翌日、ナムラビクターの馬房へおじゃましてお線香をあげさせて頂きました。24時間前には普通に生活していた場所。人馬ともに命をかけてレースで戦っていることを改めて痛感させられました。

 南関東の仲間になって本当に短い間でしたが、南関東所属として砂上に立ったナムラビクターの姿を忘れません。ご冥福をお祈りします。安らかに……。

南関東競馬リポーター。宮城県仙台市出身。元NHK山形放送局キャスター。タイキフォーチュンがきっかけで競馬の世界を知り魅了され、競馬を伝える仕事に就きたく上京。MXテレビ大井競馬中継を経て、現在は南関東競馬内で取材活動を行っている。南関東競馬公式ウェブサイト内・南関魂、大井競馬ホームページ、サンケイスポーツ、楽天、ウェブハロン、ターファイトクラブ会報誌、馬事通信など。

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