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牡馬に挑む牝馬

  • 2016年12月13日(火) 12時00分


牝馬だから勝てないということはないだろう

 先週のソウルスターリングに続き、今週もフランケル産駒の大物、ミスエルテが登場する。しかもこちらは牝馬でありながら牡馬に挑戦するということでさらに話題性がある。

 昔の2歳GIは東西に分かれているだけで牡馬牝馬の別はなかった。例えば朝日杯ならテンモンやメジロボサツ、阪神ならラフォンテースやエイトクラウンは牡牝混合時代に牡馬を負かしているわけで、牝馬だから勝てないということはないだろう。

 ただそれでも、「牡馬相手に走る牝馬」がどの程度の成績なのかは気になるところ。2歳GIだけではとてもじゃないがサンプルが少ないので、全平地GI・1986年以降について調べてみた。

性 着度数 勝率 複勝率 単回収率 複回収率
牡 [386-385-387-5095] 6.2% 18.5% 71 69
セン [12-7-10-155] 6.5% 15.8% 112 98
牝 [40-46-43-582] 5.6% 18.1% 69 68

 セン馬が穴あけてるな、というのは本題と関係ないので横に置くとして、牡馬と牝馬の成績差はほとんどない。短距離やダートなどさまざまなカテゴリを含めた数字だが、セックスアローワンスがきちんと機能しているとも言える。

 ちなみに2歳GI限定だと[0-2-1-14]で複回収率27%。そう聞くと買う気がなくなるかもしれないが、1番人気に推された馬は2頭で2着と3着、2番人気が2着と6着。そう考えると、勝ち切れるかどうかは別としてミスエルテにもそれなりのシルシを回す必要があるように思える。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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