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遅れてきた大物、ローズジュレップ/全日本2歳優駿

  • 2016年12月13日(火) 18時00分


◆田中淳司厩舎にとって3年ぶりの期待がかかる

 今年のホッカイドウ競馬の2歳戦線は、重賞で連戦連勝という主役的な存在が現れないまま、クライマックスともいえるJpnIIIのエーデルワイス賞、北海道2歳優駿では、ともにJRAの強力な1頭に圧倒された。しかしシーズンが終了したあと、遠征した兵庫ジュニアグランプリを快勝したのがローズジュレップ。

 断然人気に支持されたサッポロクラシックCで2着に敗れていたため、兵庫ジュニアグランプリではそれほど注目されることもなかったが、逃げたネコワールドをぴたりと2番手で追走し、直線で先頭に立つと接戦の2着争いを2馬身差で振り切ってという強い勝ち方だった。サッポロクラシックCは砂が補充されて時計がかかる馬場だったという敗因がはっきりしており、3走前のウィナーズチャレンジでの5馬身差圧勝、そして前走の兵庫ジュニアグランプリのレースぶりからは、ここにきての充実ぶりがうかがえる。まさに遅れてきた大物。田中淳司厩舎にとっては、2013年のハッピースプリント以来3年ぶりの期待がかかる。

 兵庫ジュニアグランプリで接戦の2着争いを制したのがハングリーベン。スタート後の直線から行きたがるようなところを見せ、北村宏司騎手はかなり苦労しているようだった。兵庫ジュニアグランプリでは持てる力を発揮できていないと考えるべきで、流れに乗って能力を発揮すれば逆転まであると見る。

 リエノテソーロは、芝・ダートで1200m戦を3連勝。初ダートだったエーデルワイス賞では、中団外目を追走し、余裕の手応えで直線突き放して見せた。血統面で将来的には距離延長がどこまでということはあるが、エーデルワイス賞のレースぶりから現時点で1600mまでなら問題ないと見る。

 バリスコアは、兵庫ジュニアグランプリでは中団追走から直線鋭く追い込み、接戦の2着争いにからんでの3着。門別では重賞を使われるタイミングがないままオール連対。こちらも遅れてきた大物という可能性がある。

 ネコワールドも兵庫ジュニアグランプリでは実力を出し切ったとは言い難い。大外枠からのスタートで、中程の枠にいたアズールムーンを制してハナに立つのにかなり脚を使わされ、それで直線失速。今回は14頭立ての9番枠で、マイペースで逃げられれば前走よりはいいレースができるはず。

 ヒガシウィルウィンは、スウィフトハートをわずかにハナ差でしりぞけたサンライズCが重賞初制覇で、続く北海道2歳優駿でも、勝ったエピカリスにちぎられたとはいえ、再びスウィフトハートをしりぞけての2着。デビューして4戦目までは1200m以下を使われていたが、その後距離延長となっての充実ぶりがうかがえる。

◎ローズジュレップ
○ハングリーベン
▲リエノテソーロ
△バリスコア
△ネコワールド
△ヒガシウィルウィン

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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