ダートグレード競走に魅せられて/荘司典子

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アムールブリエの連覇濃厚!? リピーター活躍のレース/名古屋グランプリ

2016年12月14日(水)18時01分

注目数:4人


ダートグレード競走の中で最も長い距離で争われる戦い


 12月15日(木)、名古屋競馬場で行われる『第16回名古屋グランプリ』は2001年に創設されたダート2500m戦。1周1100mの小回りコースでコーナーを6回まわる長距離重賞。ダートグレード競走の中で最も長い距離で争われる戦いで、コース適性も相まってスペシャリストと言える同一馬がこれまで何年にもわたって上位に来ています。

 そこで、実際に名古屋グランプリでリピーターがどれぐらい活躍しているのか、過去に活躍した7頭を取り上げてみたいと思います。

 まず2001年初代チャンピオンに輝いた笠松のミツアキサイレンス。翌2002年にも出走して3着、3年連続で出走した2003年は10着でした。4歳時(当時)に兵庫チャンピオンシップでダートグレード競走初制覇。2001年2月の佐賀記念でダートグレード競走2勝目を挙げ、同年の名古屋グランプリを制覇。翌2002年には佐賀記念を連覇。また当時はダートグレード競走だったオグリキャップ記念で2年連続2着(2001年、2002年)。芝の阪神大賞典や宝塚記念にも挑戦しています。

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▲JRAの芝レースにも挑戦していた第1回の覇者ミツアキサイレンス(写真は2005年JBCクラシック出走時、撮影:高橋 正和)



 2001年にミツアキサイレンスの3着だったスナークレイアース。2002年には10着に敗れましたが、2004年3度目の出走で2着に好走。2002年7歳で白山大賞典を勝ち重賞初制覇。2004年には9歳にしてマーキュリーCを制覇するなど、年を重ねて開花した印象があります。

 2008年の覇者ワンダースピードは当時6歳。翌2009年には7歳で2着、2010年には8歳で再び1着となり、名古屋グランプリ2勝目を挙げたのを最後に引退。こちらも6歳時のアンタレスS(京都)で重賞初制覇を果たした遅咲きの重賞ウイナーです。

 マイネルアワグラスも名古屋グランプリに3年連続出走。2009年5歳時に3着。2010年6歳時に4着。2011年7歳時にはニホンピロアワーズの3着。重賞勝ちは4歳時のシリウスS(阪神)だけでしたが、9歳で引退するまでダート路線で上位に顔を出していました。

 シビルウォーは計3度の出走。2010年5歳時に3着。2013年8歳で1着。2014年には9歳で3着。ブリーダーズゴールドC連覇(2011年、2012年)、白山大賞典(2011年)、マーキュリーC(2012年)を制したほか、多くの重賞で2、3着に好走する堅実な走りが印象に残っています。

 2012年にジャパンカップダート(阪神・1800m)を制したGIホース・ニホンピロアワーズも名古屋グランプリに3回出走しています。2011年4歳で1着となりこれが初めての重賞制覇。2014年7歳で2着、2015年8歳でも2着。昨年このレースを最後に引退・種牡馬入りしました。

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▲第11回名古屋グランプリの優勝が初重賞制覇だったニホンピロアワーズ(写真はJCダート優勝時、(C)netkeib.com)



 エーシンモアオバーはなんと5年連続で出走して2勝を挙げた、このレースに無くてはならない存在でした。2011年5歳でニホンピロアワーズの2着。2012年6歳で1着。2013年7歳で5着に敗れましたが、2014年8歳でニホンピロアワーズの追撃を抑えて復活の勝利。その間、白山大賞典を連覇(2013年、2014年)するなどの活躍を見せ、昨年2015年のこのレース5着を最後にこちらも引退・種牡馬入りしています。

C・ルメール騎手との初コンビで連覇を狙うアムールブリエ


 今年16回目を迎える名古屋グランプリ。地方馬が優勝したのは第1回のミツアキサイレンス(笠松)だけとJRA勢が断然優位。それでは今年のJRA勢からご紹介していきましょう。

 今回の出走メンバーで唯一のリピーターが昨年の覇者・アムールブリエ。昨年のレースでは常連のエーシンモアオバー、ニホンピロアワーズらを破り、15回の歴史で初の牝馬による勝利を挙げました。エンプレス杯連覇(2015年、2016年)、ブリーダーズゴールドC連覇(2015年、2016年)と牝馬路線では中心的存在。2走前の白山大賞典ではケイティブレイブを捕らえることができずに2着。前走・JBCレディスクラシックでは9着に敗れましたが、川崎の1600mという距離が敗因の一つでしょう。得意の長距離戦に戻れば当然昨年の再現も可能。今回はC・ルメール騎手との初コンビで連覇を狙います。ただ、これだけリピーターが活躍するレースにもかかわらず“連覇”した馬は1頭もいません。初の連覇なるか注目が集まります。

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▲前走は9着に敗れたものの得意の長距離戦で連覇狙うアムールブリエ(写真はエンプレス杯優勝時、撮影:高橋 正和)



 3歳馬ケイティブレイブは、5月の兵庫チャンピオンシップで鮮やかに逃げ切り重賞初制覇。続くジャパンダートダービー2着、レパードS2着、古馬との初対戦となったラジオ日本賞2着と、2着が3回続きましたが、2走前・白山大賞典を快勝。単調な逃げ馬ではなく番手からの競馬を経験したことで強さを増し、前走・浦和記念もクリソライトに4馬身差をつけて快勝。遠くない未来、JpnI制覇も射程圏内に入る今一番の期待馬です。

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▲強さを増している今一番の期待馬ケイティブレイブ(写真は浦和記念優勝時、撮影:武田 明彦)



 このレースと比較的相性の良い佐賀記念とマーキュリーCの勝ち馬ストロングサウザーも参戦。小回りコースで上位を狙います。

 モズライジンは3月の名古屋大賞典でアウォーディーの3着。コース経験があるのが強み。鞍上は初コンビのM・デムーロ騎手です。

 メイショウヒコボシは10月に2100mの赤富士S(東京・準OP)を勝ってオープン入り。みやこS5着、浦和記念4着と堅実に掲示板に載っていますが、今回は初めての2500mがカギ。

 地方勢の筆頭は大井のユーロビート。昨年、マーキュリーCを制しダートグレード競走初制覇。2走前、大井の東京記念を制した(東京記念は2014年も優勝)南関東の長距離戦線の第一人者。前走・JBCクラシック6着は地方馬最先着。今回も一つでも上の着順を目指します。

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▲南関東・長距離戦線の第一人者ユーロビート(写真は2016年東京記念優勝時、撮影:高橋 正和)



 地元愛知の3歳馬カツゲキキトキト。7連勝で挑んだジャパンダートダービーで6着。黒潮盃ではミスミランダーの2着、地元に戻って秋の鞍では4馬身差の快勝。白山大賞典は地方馬最先着の6着。続く東海菊花賞、ターコイズオープンを制し連勝中。地の利を活かしてどこまで食い込めるでしょうか。

 白山大賞典上位馬の再戦ムードのメンバー。ケイティブレイブが連勝を“3”に伸ばすのか。リピーター・アムールブリエの連覇か。ストロングサウザーの逆転勝利があるのか。他馬の台頭は!? 2分40秒台の決着となる長丁場、馬も観戦するファンもスタミナが求められる戦いです。

※次回の更新は12月27日(火)18時。園田競馬場で行われる「兵庫ゴールドトロフィー」のコラムをお届けします。



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。
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コラムニストプロフィール

荘司典子
荘司典子
埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。