調教Gメン研究所/井内利彰

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ミスエルテの瞬発力は「瞬間移動」級!? 最終追い切りチェック!

2016年12月14日(水)18時00分

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馬体は細く見えるが……

 今週の話題はなんといってもミスエルテ。先週の阪神JFをFrankel産駒が優勝したこともあるでしょうし、netkeiba.comの予想オッズでも2.5倍の1番人気(14日11時時点)。牝馬が牡馬相手に出走してくるのだからという「異例」な感じも人気を助長しているように思います。しかし、栗東へ帰厩してからの様子を見ていると、落ち着きはないし、馬体は細く見えるし「これで牡馬が負けたらあかんやろ」という感じでした。

 そして14日の追い切り。やはり、ミスエルテの追い切りが気になる方が多いのでしょう。多方面の関係者から「どうでした、時計は?」といった質問を受けました。その時にはこう返答するしかありませんでしたね。それは中間の追い切り内容も含めて、馬の評価として原稿に記しておきます。

【朝日杯FS/ミスエルテ】

 冒頭に触れたように、一番最初、夏場に栗東へ入厩した時の体と比べても細く見える今回。落ち着きなく歩く様子も気になるところですが、実は13日の坂路上の8号で運動している様子を見た時には、テンションが高いというよりも、気持ちが前向きすぎて、それをなだめられているといった感じ。「それってテンションが高いのでは?」と思うかも知れませんが、自分の中では微妙に違います。テンションが高いと言えば我を見失っているけど、今のミスエルテはそこまでの状態ではないような感じ。

 前日にそんな様子を見ていて、迎えた最終追い切り。予想通り、4F追いでしたが、ダノンシーザーを追走して、ラスト1F標識で「瞬間移動」のような伸びを見せて先着。時計をとりながら「やっぱり凄いわ」と呟いてしまいました。ラスト1F11.7秒でしたが、数字以上に「シュッ」っていう感じが凄い。質問を受けた方にはそれをお伝えし「昨日までは△止まりの評価でしたが、これを見せられると▲以上は絶対に打たないと」と答えました。1週前追い切りでは6Fから追い切れているわけですし、馬体が細いことに過敏になる必要もないかも知れません。

ミスエルテ(12月14日撮影)

馬体が細いことに過敏になる必要もないかも知れないミスエルテ(12月14日撮影)



【朝日杯FS/モンドキャンノ】

 京王杯2歳Sは申し分ないレースぶりで、本当に強い内容。CWでの追い切りを取り入れ、折り合うことに専念した調教も効果があったのでしょう。前走で1Fの距離延長を克服しているだけに、今回のマイルに関しても同じように克服できると思います。

 ただ、判断の難しいところがバルザローナ騎手が騎乗した最終追い切り。先行したファッショニスタを1秒以上追走していましたが、後ろからそろっと追走。折り合っているというよりも引っかかってはいないという感じで、ちょっとしたことで引っかかっても不思議ない感じ。個人的な印象として、手が合っているという印象は持ちませんでした。それを決定的にしたのは、結果的に単走のような追い切りになってしまったこと。仕掛けるところもなく、最後まで前との差があいたままだったことは決して歓迎できる内容ではないと思います。もちろんこれは個人的な印象で「ジョッキーに感触を掴んでもらうことができたので」という安田隆行調教師のコメントとは別。この追い切りを見て、相当後ろからのレースになるか、もしくは引っかかってしまうか。どちらかになりそうな気がしてなりません。

モンドキャンノ(12月14日撮影)

ちょっとしたことで引っかかっても不思議ない感じのモンドキャンノ(12月14日撮影)



【朝日杯FS/ダンビュライト】

 前走は直線先頭に立った時、外からブレスジャーニーが迫ってきて、内へ切れ込んでしまいました。その修正をすべく、今回はチークピーシズを着用してハミも変更。この効果については「前走まではそんなことはなかったし、調教では一切そんな癖を見せていなかったから。今回もレースになってみないとなんとも」と音無秀孝調教師。なので、馬具については特に気にすることはないでしょう。

 追い切りですが、1週前のクランモンタナとの併せ馬は相手を置き去りにする内容で優秀。最終追い切りはプレシャスルージュと併せて同入がやっと。時計は4F52.2秒と全体が速く、決して悪くありません。個人的にはもっと速い2F時計を希望していましたが、この馬自身としては、前走時の最終追い切りよりも全体時計が速くなっているだけに、負荷はかけられていると判断してよいでしょう。前の有力馬をマークできる先行脚質も有利なはずです。

ダンビュライト(12月13日撮影)

負荷はかけられていると判断してよいダンビュライト(12月13日撮影)



【朝日杯FS/クリアザトラック】

 1戦1勝、角居勝彦厩舎にM.デムーロ騎手。当然、リオンディーズの再来を期待したいところですが、調整パターンも似ているところはあります。角居厩舎らしくないプールでの調整の後、CWでの追い切りばかりで、最終追い切りは単走。個人的にはかなり粗削りのままG1を制したという印象でした。

 こちらは前走後坂路で時計を出していたものの、11月23日の15-15を最後に坂路には入っていません。その後はトラックでの調整が続き、最終追い切りはD芝を単走。この内容が軽いだけに、評価が難しいところですが、1週前追い切りはエキストラエンドと道中から馬体を併せて追い比べ。6Fで速い時計が出せていますし、これを評価すれば、最終追い切りの軽さは仕方ないでしょう。ただ、リオンディーズほどの爆発力を感じさせないというのが、個人的な印象です。

クリアザトラック(12月14日撮影)

1週前追い切りを評価すれば最終追い切りの軽さは仕方ないクリアザトラック(12月14日撮影)



【朝日杯FS/トラスト】

 前走時の最終追い切りは坂路で4F52.7秒、1F12.1秒とこの馬らしいパワーを発揮する動きでしたが、レースでは折り合い面のことがあって結果を残すことができませんでした。それもあってか、今回は中間、最終ともにCWでの追い切りを選択。その動きで折り合いを欠くようなところはありません。

 2週ともマイネルサグラを追走する内容でしたが、ゴール前での動きは相手が余裕、こちらは一杯といった感じ。最終追い切りでもその印象は全く変わらず、個人的な印象としては脚をためようとしても、さほど切れる脚を使えない感じ。このあたりは実戦なら変わってくるのかも知れませんが、ひとまず追い切りを見た印象としてはあまり高い評価ができるものではありません。

トラスト(12月14日撮影)

追い切りの印象としてはあまり高い評価ができないトラスト(12月14日撮影)



◆次走要注意

・12/10 チャレンジC【ブラックスピネル】(2人/5着)

 やっぱり前で位置した方がいい結果を出せるという典型的なレース。坂上で伸びあぐねていましたが、坂が終わると伸びており、直線は平坦ベストでしょう。
 もちろん大幅馬体重増も響いていると思うので、きっちり絞れての京都なら。

[メモ登録用コメント] [京都芝]馬体重10キロ以上減なら勝ち負け

・12/11 阪神JF【サトノアリシア】(7人/7着)

 出遅れたとはいえ、リスグラシューの直後でレースしていましたから、本来ならもっと上の着順でなくてはいけません。ただ、ジョッキーコメントによると入れ込みがあったようですし、当日輸送は思った以上にマイナス材料だったのかも知れません。
 これで当日輸送になれてくれれば、もっと走っていいはず。来春は馬券になる走りを見せてくれるでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切り坂路でラスト1F12.4秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・尾張特別【カラビナ】
 500万下を勝ったばかりですが、その勢いを感じるような14日の最終追い切り。ヒーズインラブに大きく先行していましたが、道中の行きっぷりは抜群。相手が内から迫ってくると鞍上の指示を待つまでもなく、自ら伸びていました。時計も速く、ここは連勝を期待。

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コラムニストプロフィール

井内利彰
井内利彰
調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ
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