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少しタフな芝コンディションは歓迎に近い/ターコイズS

  • 2016年12月16日(金) 18時00分


強敵が少ない組み合わせに恵まれた

 重賞に昇格した第一回の昨年は「11、16、15」番人気の決着で、3連単はなんと295万円台だった。牝馬同士のハンデ戦。コース形態からして微妙な中山1600m。「夏の牝馬」のたとえがあるくらいだから、急に寒さが増し、大丈夫そうにみえて体調下降の馬も含まれる危険がある。

 まして今年は、ここまでに行われた世代の入り乱れる古馬牝馬限定重賞は「10鞍」。1番人気になって勝ったのは京都牝馬Sのクイーンズリングだけ、という記録もある。

 そこで人気のマジックタイム(父ハーツクライ)ではまずい気もするが、この牝馬、秋後半の10月から2月までの成績は【3-5-0-3】。冬型というほどではないが、このシーズンの成績は悪くない。桜花賞馬レッツゴードンキがハンデ頭になってくれたから、0秒5差前後に好走しているG1ヴィクトリアマイル、G1マイルチャンピオンSの55キロから、1キロ増だけ。ハンデの不利もない。この秋はまだ2戦しただけなので、ローテーションの死角もなく、元気いっぱいである。今回は強敵が少ない組み合わせに恵まれた印象が濃い。

 また、2戦1勝の中山1600mでは、今春のダービー卿CTを、ロゴタイプ、サトノアラジン相手に1分32秒8(上がり33秒8)で勝っている。

 前回のマイルチャンピオンSは、出負けしたうえ、直線は馬群の外に回るロスもあった。それで0秒5差なら悪くない。ハーツクライ産駒で、母の父はブライアンズタイム、祖母はサドラーズウェルズ産駒。この時期の少しタフな芝コンディションは歓迎に近いだろう。

 人気どおりの結果は考えにくいので、先行もできる自在型のクロコスミア、うまく内枠を引いて好位抜け出しの形が取れそうなダイワドレッサーが本線。以下は、少し手を広げたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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