強敵が少ない組み合わせに恵まれた
重賞に昇格した第一回の昨年は「11、16、15」番人気の決着で、3連単はなんと295万円台だった。牝馬同士のハンデ戦。コース形態からして微妙な中山1600m。「夏の牝馬」のたとえがあるくらいだから、急に寒さが増し、大丈夫そうにみえて体調下降の馬も含まれる危険がある。
まして今年は、ここまでに行われた世代の入り乱れる古馬牝馬限定重賞は「10鞍」。1番人気になって勝ったのは京都牝馬Sのクイーンズリングだけ、という記録もある。
そこで人気の
マジックタイム(父ハーツクライ)ではまずい気もするが、この牝馬、秋後半の10月から2月までの成績は【3-5-0-3】。冬型というほどではないが、このシーズンの成績は悪くない。桜花賞馬
レッツゴードンキがハンデ頭になってくれたから、0秒5差前後に好走しているG1ヴィクトリアマイル、G1マイルチャンピオンSの55キロから、1キロ増だけ。ハンデの不利もない。この秋はまだ2戦しただけなので、ローテーションの死角もなく、元気いっぱいである。今回は強敵が少ない組み合わせに恵まれた印象が濃い。
また、2戦1勝の中山1600mでは、今春のダービー卿CTを、ロゴタイプ、サトノアラジン相手に1分32秒8(上がり33秒8)で勝っている。
前回のマイルチャンピオンSは、出負けしたうえ、直線は馬群の外に回るロスもあった。それで0秒5差なら悪くない。ハーツクライ産駒で、母の父はブライアンズタイム、祖母はサドラーズウェルズ産駒。この時期の少しタフな芝コンディションは歓迎に近いだろう。
人気どおりの結果は考えにくいので、先行もできる自在型の
クロコスミア、うまく内枠を引いて好位抜け出しの形が取れそうな
ダイワドレッサーが本線。以下は、少し手を広げたい。