【栗東】
◆ファヴォーラ(牝、父Frankel、母グッドウッドマーチ、栗東・藤原英昭厩舎)
本馬が当欄に登場するのは2回目。今開催1週目の阪神芝1400m(牝)でのデビュー予定をお伝えしていたが、1頭の除外にあたってしまい、ここまでデビューを延期した形。その時にもお伝えしたが、Frankel産駒は大活躍。ソウルスターリングが阪神JFを勝ち、ミスエルテは牝馬にも関わらず、牡馬混合の朝日杯FSで1番人気の支持を集めた。自然とこの馬に対する注目度も高まってくる。
1週目の時点ですでに動ける態勢は整っていたが、そこからの微調整も抜かりなし。12月15日のCWでメイズオブオナーを追走する併せ馬では、レースでも騎乗する川田将雅騎手が跨って、きっちり先着。5F68.1秒は遅いが、3F37.8秒、1F12.0秒は新馬としては優秀。予定されている12月25日(日)阪神芝1600mでどのようなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみ。
◆ホワイトドラゴン(牡、父Cowboy Cal、母Spot of Beauty、栗東・鮫島一歩厩舎)
白毛ということもあって、入厩時から注目を集めている外国産馬。日本で走った父産駒はダート1200mで3勝を挙げたシャラクなどがいる。本馬を担当する松浦良幸調教助手は「ストライドが大きくて、芝でもやれそう」とコメント。ちなみにデビュー戦は12月23日(祝・金)阪神芝2000mを予定している。
12月8日のCWでは新馬ハギノアレスと併せて遅れてしまったが、全体が6F83.0秒、終いは1F12.7秒と悪くない数字。12月15日も同じ組み合わせでCWの併せ馬だったが、時計がかなり遅くなったとはいえ、動き自体はかなり素軽くなっていた。初戦からという雰囲気ではないものの、追うごとに良化している様子からも今週の最終追い切りで更に動ける状態になるのではないだろうか。
◆スマートレイチェル(牝、父キングカメハメハ、母ショウナンアクト、栗東・西園正都厩舎)
全兄オルナはダート中距離で3勝。おじのダテノハクトラもダートで4勝を挙げているダート血統。
10月13日にゲート試験を合格。「試験でのラップは12秒台。楽に出た時計なので、ダッシュ力は十分」と西園正都調教師。12月14日の坂路追い切りでは2歳未勝利に先着。その時計は4F54.3秒と全体は遅いものの、2F24.8秒、1F12.2秒はかなり優秀。母はダート1400m以下で4勝を挙げているだけに、そのスピードはきっちりと伝わっているのかも知れない。12月24日(土)阪神ダート1400mを武豊騎手でデビューする予定となっている。
◆ハリーレガシー(牡、父ヴィクトワールピサ、母バルドウィナ、栗東・音無秀孝厩舎)
全姉は今年の桜花賞を制したジュエラー。性別が違うこともあってか「全弟といっても体型は全く違いますね。肢が短めで幅のある体型。距離適性は姉以上に短いかも」と音無秀孝調教師。
ただ個人的には坂路での追い切りであまり速い時計が出ず、体型ほど距離適性が短いように思えなかった。そんな中、12月14日のCW追い切りで速い時計をマーク。3頭併せの真ん中だったが、しっかりと動けており6F82.4秒。終いは時計を要したが、無理しなかった分もあるので内容は悪くない。このひと追いで中身が変わってくる可能性もあり、最終追い切りの動き次第では、12月25日(日)阪神芝1600mでの走りが楽しみになってくる。なお鞍上は松若風馬騎手が予定されている。
【美浦】
◆アニマルインミー(牡、父Run Away and Hide、母I Saw It、美浦・小島茂之厩舎)
バレッツセレクト2歳セールに上場され、5万7000ドルで落札された。父はアメリカのダートで3戦3勝(うち重賞2勝)。一族からはエイシンキャメロン(重賞2勝、朝日杯3歳S2着)やアルマエルナト(ファルコンS3着)が出ている。
自ら調教に騎乗している小島茂之調教師は「立派な馬格でパワフルだし、いかにもダートの短距離向きというタイプ。初戦から楽しみにしています」と好感触だ。12月25日、中山のダート1200mをM・デムーロ騎手で予定している。
◆ケイパーストーリー(牡、父Dubawi、母Karen's Caper、美浦・藤沢和雄厩舎)
父は愛2000ギニー、ジャックルマロワ賞など愛仏でGIを3勝。母は英米で芝の重賞を3勝、英GIコロネーションS2着の活躍馬。異父兄にUAE2000ギニーを勝ったKingletがいる。
「いい馬っぷりをしているし、稽古では古馬と併せても一緒に動けているぐらい。じっくりと乗り込んで順調に来ているし、いいところがありそうだよ」と藤沢和雄調教師。12月25日、中山の芝2000mを戸崎圭太騎手で予定している。
◆フライベルク(牡、父ディープインパクト、母フラニーフロイド、美浦・木村哲也厩舎)
母は米GIプライオリスSの勝ち馬。現3歳の全姉プラトリーナは5戦目で勝ち上がっている。
「小柄な姉とは違い、ゴツさのある体つきに出た。気性的にはカッとなりそうなところもあるけど、スピードに乗ってからのフットワークがいい。いかにもディープインパクト産駒らしいタイプ。いいモノを持っていることは間違いないし、先を見据えて大事に育てていきたいですね」と木村哲也調教師。12月25日、中山の芝2000mをC・ルメール騎手で予定している。
◆ブロードアリュール(牡、父ゴールドアリュール、母ブロードアピール、美浦・尾関知人厩舎)
米国産の母は芝、ダートを問わずに短距離路線の重賞で6勝した。姪にテンダリーヴォイス(フェアリーS3着)やプロレタリアト(現オープン)がいる。
「気持ちがカッとなりやすいけど、だいぶ慣れてきた感じ。気のいいタイプでスピードもありそうだし、1週前の追い切りでは動きすぎかと思うぐらいの動きでした。この血統だし、まずはダートの短い距離で見てみたいですね」と尾関知人調教師。12月25日、中山のダート1200mをC・ルメール騎手で予定している。
■お知らせ■
2016年度の更新は今回で終了となります。本年度もご愛読いただきありがとうございました。
2017年の東西トラックマン『今週のデビュー馬情報』はプレミアムニュース枠にて連載いたします。なお、各掲載日時に変更はございません。引き続き『今週のデビュー馬情報』のご愛読をよろしくお願いいたします。
netkeiba編集部