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やはり重要、有馬記念の枠順

  • 2016年12月20日(火) 12時00分


入って歓迎すべき枠でないことは確か

 有馬記念では以前、通常の抽選ではなく抽選で先に選ばれた者から好きな枠を選ぶという制度がとられた。結局は普通の公開抽選に戻ってしまったが、有馬記念はかなり枠がモノを言うレースだけに、選択方式も良かったのではないかと個人的には思っている。

 中山はコースをほとんどいじっていないので、過去30年という長い期間のデータを出してもいいだろう。結果はこちら。

枠番 着度数 勝率 複勝率 単回収率 複回収率
1枠 [4-4-4-33] 8.9% 26.7% 63 129
2枠 [3-5-4-37] 6.1% 24.5% 225 123
3枠 [3-7-5-36] 5.9% 29.4% 23 119
4枠 [7-4-3-43] 12.3% 24.6% 105 82
5枠 [4-5-2-47] 6.9% 19.0% 287 89
6枠 [2-0-6-51] 3.4% 13.6% 10 58
7枠 [4-3-6-47] 6.7% 21.7% 41 49
8枠 [3-2-0-56] 4.9% 8.2% 35 50

 6枠から外の回収率が極端に低いことにお気づきだろう。8枠は勝率・複勝率から低いが、6枠・7枠は複勝率の落ち込み以上に回収率の落ち込みがひどい。つまり人気サイドの馬しか来ていないことが分かる。

 6枠より外の穴馬というと、00年ダイワテキサス、08年アドマイヤモナークと、10年トゥザグローリーくらい。1番人気になるような馬は6枠より外でも[5-2-2-5]と走っているが、入って歓迎すべき枠でないことは確かだ。

 しかも有馬記念は12頭立てという頭数少なめの年もあり、前掲のデータはその年も含んだもの。フルゲート16頭立てになったのは過去30年のうち半分の15年だが、その際の6枠以降は回収率が単29%・複50%で総合よりもさらに低い。しかも8枠15番は[1-0-0-14]で89年イナリワン以外全滅。8枠16番は[0-0-0-15]。人気上位馬がさほど多くないとはいえ、さすがにしんどい。

 枠番の6枠以降に入る確率は37.5%。自分の予定している軸馬が入らないことを祈るばかりだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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