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サトノダイヤモンドにおつりはあるのか? 追い切りチェック!

  • 2016年12月21日(水) 18時00分


馬体が素晴らしくなっているサトノダイヤモンド

 先週の朝日杯FS。12番人気3着ボンセルヴィーソはウマい馬券にも記したように、かなり気のある対抗評価。◎ミスエルテと順番を逆にすることも考えたくらいですから、悔しいというかなんというか。ただ、ミスエルテに関しては最終追い切りを見た時にこれしかないと思ってしまったので、そこに関しては仕方ないところ。追い切りで受ける直感がいい結果になることもあれば、ならないこともある。それは仕方ないですよね。

 外すこともあれば、当たることもあるのが予想。12月18日中山10Rは◎アルマエルナトだったからこそ的中できた3連複89万。もし単穴評価だったダイワダッチェスを本命にしていれば、4着で悶絶していましたね。だから1番人気を本命にはしない方がよいということではありませんし、それは時と場合によるでしょう。当たっても外れても、馬券って難しい。これはどこまでいっても永遠の課題なのでしょう。

 さて、今年最後の有馬記念。家を出るとものすごく濃い霧に包まれていて、自転車でトレセンへ向かうと視界は不良。画像を見てもらうとよく分かりますが、トラックの調教馬場は入場したことを確認することすら困難な状態で、特に朝一番に追い切った組は追い切ったかどうかを確認するのがやっとでした。坂路に関しても、モニターを見ていても、見えるところ見えないところがあるくらいで、最終追い切りだけで各馬の状態を判断するのは少し難しいでしょう。私の場合は中間の追い切りも含めた内容で、各馬に対する評価を下していくので、当コラムでもそのあたりを重視でお届けします。

入場したことを確認することすら困難な状態だった栗東トレセン(12月21日撮影) style=

入場したことを確認することすら困難な状態だった栗東トレセン(12月21日撮影)



 また、12月22日(木)22時からはnetkeiba.comの有馬記念予想特番「がっちり有馬記念予想TV Supported by ウマい馬券」が、ニコニコ生放送で配信されます。こちらの方もぜひご覧ください。

【有馬記念/キタサンブラック】

 昨年の有馬記念は3着。菊花賞からのローテーションということもあって、レース間隔があいた分、追い切り本数も時計もしっかりやった印象。それと比較すると、今回はジャパンCからのローテーション。レース間隔だけなら天皇賞(春)と同じですが、関東遠征が続く状況や前走がG1だったという点で今回は違います。

 それらを考慮した上で、今回の追い切りを振り返ると、1週前追い切りの時計が天皇賞(春)より遅くなった点は上記のことがあるからでしょう。だからといって時計が極端に遅いわけではなく、いつも行っている併せ馬はちゃんと課せられています。最終追い切りの時計は濃霧のため分かりませんが、いつもと同じく黒岩悠騎手が跨り、併せ馬をやっているという点を評価すればよいと思いますし、状態に関して前走から落ちているということはないでしょう。あとはレース展開。もちろん枠順も気になるところです。

状態は前走から落ちていないキタサンブラック(12月21日撮影)

状態は前走から落ちていないキタサンブラック(12月21日撮影)



【有馬記念/サトノダイヤモンド】

 秋2戦の個人的な評価。神戸新聞杯は明らかに次走を見据えた仕上げ。菊花賞は明らかに動きに変化が見られ、内容としても強化された仕上げ。どちらも1着ですが、そのレースぶりから状態が違っていたという判断は間違っていなかったと思います。そして、次走が有馬記念と決まった時には「おつりはあるのだろうか」と思ったものです。

 ところが12月に帰厩して、その姿を見た時には驚きました。菊花賞に比べて馬体が素晴らしくなっていること、気性面でも落ち着きがあって風格が出てきたこと。あらゆる面において成長していました。これぞ3歳秋だからこその成長かも知れません。もともと追い切りで動くタイプではありますが、それに安定感を増したのが現在。最終追い切りは濃霧で「やっている」ことをかろうじて確認できた程度でしたが、20日に坂路馬場での調教の様子を見ていても、前肢の可動域が広く、その影響で後肢もしっかり前に入っていく感じ。状態は申し分ないと思います。

状態は申し分ないサトノダイヤモンド(12月20日撮影)

状態は申し分ないサトノダイヤモンド(12月20日撮影)



【有馬記念/サウンズオブアース】

 素晴らしい状態だと感じて、ウマい馬券でも本命を打った前走ジャパンC。それ以上の状態は望めないだろうと勝手な想像をしていましたが、前走後の翌週に担当者新妻一男厩務員に聞くと「疲れは全然ない。むしろ良くなってきているくらい」と。正直、驚きました。使うとダメージの大きなタイプで、あれだけ走れば疲れが残ると思っていただけに、といった感じ。

 1週前追い切り、最終追い切りともに明確な意図を持って、併せ馬を行っており、それが瞬間的に加速することに慣れさせること。坂路では多少の鈍さがあって、前にいる馬を追い抜くことに時間を要していましたが、最終追い切りでは大量のウッドチップを被っても怯むことなく、一瞬で相手を置き去りにすることに成功。濃霧ではありましたが、最後の直線での動きは目立っていました。一杯に追われましたし、前向きさが前面に出てきた今なら差し遅れることはなさそうです。

濃霧だったが最後の直線での動きが目立っていたサウンズオブアース(12月21日撮影)

濃霧だったが最後の直線での動きが目立っていたサウンズオブアース(12月21日撮影)



【有馬記念/シュヴァルグラン】

 前走は最終追い切りでアドマイヤロケットに遅れたので、反応の鈍さを懸念していましたが、結果的にはレースでも3着。個人的にはこの追い切りに余裕があった分、JC組で次走への上積みが大きいのはこの馬だろうとは思っていました。実際、12月8日にCWで6Fから時計を出していることから、JCの疲れがないことは確認できましたし、12月15日のCWでは猛烈に速い6F時計を出して驚かされました。

 もっと驚いたのはその翌日。坂路を4F65.4秒で上がってきたこと。普通なら運動だけで終わるような厩舎もある追い日翌日に少し気を許せば時計になりそうな勢いあるキャンターで駆け上がった姿は今でも脳裏に焼き付いています。それがあったからこそ、最終追い切りできっちり先着でしたのでしょう。これがベストの仕上げだと思いますし、これだけ動けば阪神大賞典のようなレースも可能だと思います。

シュヴァルグランはベストの仕上げで阪神大賞典のようなレースも可能(12月21日撮影)

シュヴァルグランはベストの仕上げで阪神大賞典のようなレースも可能(12月21日撮影)



【有馬記念/ヤマカツエース】

 すずらん賞以来、なにかしらの印を打ち続けてきた馬ですが、最終追い切り場所が坂路だった天皇賞(秋)はさすがに無印。惨敗して当然だと思いますが、前走はCWに最終追い切り場所を変更して、追い切り本数の多い調教内容でしたから、自信の本命を打たせてもらいました。

 ただ20キロ増えていた馬体重は意外。それでも勝ったことを楽勝と考えてよいのだとすれば、その分、しっかりと追い切られていることは高く評価したいところ。特に1週前追い切りではとても中2週とは思えない負荷のかけ方。最終追い切りは濃霧のため、時計や動きの詳細は確認できませんでしたが、しっかり6Fから追い切られているようですし、状態の良さは強調できるところでしょう。

状態の良さは強調できるヤマカツエース(12月21日撮影)

状態の良さは強調できるヤマカツエース(12月21日撮影)



◆次走要注意

・12/17 2歳未勝利【ディアパリス】(8人/7着)

 ウマい馬券では阪神ダート1200mに適したスパルタ坂路だったので、本命を打ちましたが、レース結果は7着。ただメンバー最速上がりを使っている点からも好走の下地は整っていました。
 ダート適性が高いことは間違いなく、距離を1F延長しても京都でも通用しそうな気はします。

[メモ登録用コメント] [ダート1400m以下]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・12/18 ディセンバーS【ヤマニンボワラクテ】(6人/9着)

 内枠が仇になったような形で何もせずに1周回ってきただけ。状態に関しては申し分なかったと思われるだけに、今回は本当に残念なレース。
 今週に松永幹夫調教師に確認したところ、次走は万葉Sとのこと。武豊騎手が跨るということなので、今回と同じ最終追い切りなら見限るわけにはいきません。

[メモ登録用コメント] [万葉S]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・阪神C【ミッキーアイル】
 マイルCSを制していますが、その以前から阪神C参戦のプランはありました。そんなこともあって、ここまでの調整は至って順調。帰厩早々に速い時計を出せたことがその根拠ですが、最終追い切りでは久しぶりにラスト1Fが最速ラップを踏みました。行きたがるところもなく、脚をためて走っている現状からここはもちろん勝ち負けのイメージです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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