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あまり強気に出そうな馬がいない点に注目/六甲アイランドS

  • 2016年12月22日(木) 18時00分


古馬になって粘り強くなる一族

 中心になる馬が見当たらず、いかにも波乱が生じそうなフルゲート18頭立ての接戦。阪神だけ、今週からBコースに移動するが、馬場状態も読みにくい。

 多頭数の1400mにしてはあまり強気に出そうな馬がいない点に注目して、人気薄のツィンクルソード(父デュランダル)から高配当狙いに出たい。

 2歳時は3戦2勝で強気にGI朝日杯FSに出走し、3歳初戦はオープン特別のクロッカスS・1400mで写真判定の微差3着したほどの期待馬だったが、そのあとは2度にわたる長期休養があったため、大スランプ。3歳夏以降は長く500万下、1000万下に低迷することになってしまった。だが、5歳秋の前々回の1000万特別で、途中からハナに行かせると一変した行きっぷりで後続を離し、1分20秒9で逃げ込んでいる。

 行く馬がいない展開で「35秒8-(11秒0)-34秒1」=1分20秒9という妙な流れだったが、少々行きたがったため、それなら「行かせてしまえ」とハナにたったテン乗り小牧太騎手のファインプレーだった。楽に行けたから、上がりを「11秒0-11秒4-11秒7」でまとめる快勝だった。

 今回は、今週から移動柵を設置したBコースで、引いたのが内の1番枠。再び小牧騎手に戻った。このちょっともろいところのあるスピード型、なぜか控えるレースばかりを続けるが、2歳時の2勝目と、前々回の4勝目。途中から一旦先頭に立ったレースはたった2回だけで、2戦2勝である。

 2走前に結果を出していることを買われて2度目の騎乗となった小牧騎手、ツィンクルソードが行きたい素振りを示したら、無理に控えてもまれるレースはしない可能性が高い。ダート、芝を合わせ距離1400mは【3-0-2-7】。もまれては望みが薄くなるが距離はまさにベスト。大駆けに期待したい。上のペールギュントなどもそうだったが、早熟系ではなく、古馬になって粘り強くなる一族である。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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