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枠順抽選から白熱している今年の有馬記念

  • 2016年12月23日(金) 18時00分


◆キタサンブラックは今回のテーマも展開

 枠順抽選でキタサンブラックが1番枠を引き当て盛り上がった今年の有馬記念。さらにゴールドアクターが2番枠を引き返して、さらに白熱してきた。

 キタサンブラックは今回突出した1番人気だろう。これまで展開を味方にしてきた馬だけに、今回のテーマも展開。マルターズアポジーがいるので控えて2番手になる可能性はある。それ自体は問題だが、ラップを他人にゆだねることがリスク。この馬にとって最悪なのは前半スローでレースの動き出しが早いパターン。それを意識しているジョッキーが他馬の中にどれだけいるか。

 ゴールドアクターはキタサンブラックをひたすらマークでいいだろう。向正面中ほど、残り1000mから並びかけにいけば持続力勝負でこちらが有利になるが、溜める文化の日本人騎手にその発想があるかどうか。サトノノブレスかだれかが前崩れ狙い(サトノダイヤモンドを利するための)で動いてきてくれれば、自身に負荷はかからず展開だけ向いてくる最高の形になる。

 サトノダイヤモンドは能力の絶対値が高そうだが、中山向きの器用さがあるかどうか。後ろからの攻めにはなるので、どのくらい馬群の厚いところを回ることになるかという問題もある。なにしろいちばんの敵は内ラチに近いところを回るので。

 サウンズオブアースは絶好の枠を引いた。最近のデムーロは良いときと悪いときのギャップが目立つが、良いときに当たれば一発があってもおかしくない。競馬は一か八かのイン突きでいいと思う。

 シュヴァルグランマリアライトは枠順との戦いになった。言葉は悪いが気楽に乗れる状況になっているので、展開が向かなければそれまで、という競馬でいいだろう。この2頭だと、単純に枠がやや内で仕掛けも早くなりそうなシュヴァルグランのほうか。

 個人的に複穴として注目しているのがサトノノブレス。今回はサトノダイヤモンドの露払い役と思われているが、それが実は自分のほうに向く流れを作る可能性がある。「キレないディープ」の典型なのでロングスパートのほうがいいし、そう考えると人気馬ではゴールドアクターと組み合わせになりやすいように思う。

 もう1頭穴でアドマイヤデウス。常に惜しい競馬になる馬で、実は昨年の有馬記念で◎にしたのだが、勝負どころで置かれて0.3秒差の7着だった。展開と踏むコースがハマれば馬券圏内に入ってくる可能性がある馬。人気が無いときほど押さえておきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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