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年の瀬の大一番は3強の決戦か!?/東京大賞典

  • 2016年12月28日(水) 18時01分


例年以上に盛り上がりそうな“暮れの大一番”


 年内のGIは残すところあと一戦。ダート競馬の総決算『第62回東京大賞典』が12月29日(木)に大井競馬場で行われます。先日行われた有馬記念は実力馬による3強での決着となりました。東京大賞典はサウンドトゥルー、アウォーディー、コパノリッキーの3つどもえの戦いが予想され、こちらも3強のワンツースリーになるのか!? それとも牙城を崩す伏兵はいるのか!? 暮れの大一番は例年以上に盛り上がりそうです。

 有馬記念より一年早い1955年(昭和30年)に「秋の鞍」という名称で創設された東京大賞典。1964年に現在の名称となり、今年62年目を迎える歴史ある戦い。これまで歴代の名馬たちが記憶に残る名勝負を繰り広げてきました。

 まず今回はアジュディミツオーが3歳で勝利した2004年の東京大賞典を振り返りたいと思います。

 2003年、船橋・川島正行厩舎からデビュー。新馬戦を快勝し無敗の4連勝で2004年の東京ダービーを制覇。その後ジャパンダートダービー4着、黒潮盃3着、日本テレビ盃2着。続くJBCクラシック(大井)ではアドマイヤドンの2着に好走していました。

 迎えた2004年12月29日、第50回東京大賞典。この日は東京に初雪が降った寒い一日でダートは重馬場。雪の中で傘をさし、パドックを周回する馬をみつめる競馬ファン。厳しい気候に負けず大井競馬場に集まった大勢の観客には不思議な連帯感が生まれていました。
DGに魅せられて

▲雪の降る寒い一日だった2004年12月29日(写真は東京大賞典のパドック)



 1番人気は前走でジャパンカップダート(当時は東京ダート2100mで施行)を制したタイムパラドックス。2番人気はダービーグランプリ(当時は統一GI競走)を勝ったのちアメリカのブリーダーズカップクラシックに挑戦(6着)したパーソナルラッシュ。アジュディミツオーは3番人気でした。

 レースはアジュディミツオーが軽快に逃げ、2番手ユートピア、3番手は芦毛のクーリンガー。内田博幸騎手が楽な手応えでレースを進め、先頭のまま直線に入ると後続との差を広げて圧勝! 2着ユートピア、3着クーリンガーで前に行った3頭での決着となりました。

 2001年岩手のトーホウエンペラー以来の地方馬による勝利、船橋所属馬では1998年のアブクマポーロ以来6年ぶりの制覇。この勝利により翌2005年のドバイワールドカップに招待され、地方所属馬として史上初の海外遠征を実現。結果はロージズインメイの6着に敗れましたが、ドバイの地でも堂々と逃げてレースを引っ張った雄姿は深く心に刻まれています。

 その後2005年の東京大賞典を連覇し、2006年には川崎記念とかしわ記念も制覇。続く帝王賞ではカネヒキリと歴史に残る名勝負を演じて、GI5勝目を挙げました。8歳まで現役を続け、引退後は種牡馬入り。初年度産駒は2013年にデビューしています。
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▲GI5勝を挙げ引退後は種牡馬入りしたアジュディミツオー(写真は引退式)


 現役時代、気性が荒く“まるで肉食獣のよう”と言われていたアジュディミツオー。当時の私は見るたびに「こんなに男らしくカッコいい馬がいるのか!」と、ピカピカの馬体に惚れ惚れ。迫力満点のオーラで他を寄せ付けない風格は、文字通り王者そのもの。ちょっと怖いけれど大好きな馬でした。生え抜きの地方馬の中からアジュディミツオーのようにJRA勢と互角に戦い、海外のビッグレースにも挑戦するようなスターホースが再び誕生することを心から願っています。

異次元の末脚で連覇を狙うサウンドトゥルー


 さあそれでは今年の東京大賞典に出走する有力馬たちをご紹介しましょう。

 まずサウンドトゥルー。昨年このレースを勝ってGIホースの仲間入り。今年に入って惜敗の連続ともどかしいレースが続いていましたが、前走・チャンピオンズCでGI2勝目を挙げました。ゴール前、先に抜け出したアウォーディーを外から並ぶ間もなく交わしてゴール! 異次元の末脚が復活した実力馬が連覇を狙います。

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▲前走のチャンピオンズCではアウォーディーを差し切ったサウンドトゥルー((C)netkeiba.com)


 アウォーディーは昨年の秋、ダートに矛先を変えてから6連勝でJBCクラシックを制覇し、JpnIホースに上り詰めました。前走・チャンピオンズCではサウンドトゥルーの差し脚に屈しダート戦で初めての黒星となりましたが、負けて強し。1頭で抜け出すとソラを使う気難しさはありますが、力があるのは間違いありません。今回、大井競馬場でのレースは初めてですが鞍上・武豊騎手は東京大賞典を5勝もしている名手。そのエスコートに注目です。
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▲GI格2勝目なるかアウォーディー(写真はJBCクラシック優勝時、撮影・高橋 正和)


 GI格のレースを8勝しているコパノリッキー。チャンピオンズCでは13着。大きく負けてしまうこともありますが、自分のリズムで競馬ができた時の強さは他を圧倒するものがあります。これまで大井競馬場では5戦して2勝【2-2-0-1】、2015年のJBCクラシックと今年の帝王賞を勝利。意外にも東京大賞典はまだ勝っていないレース。ぜひとも欲しいタイトルです。鞍上は大井競馬場を知り尽くした戸崎圭太騎手。
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▲東京大賞典のタイトルが欲しいコパノリッキー(写真はマイルCS南部杯優勝時、撮影・高橋 正和)


 ノンコノユメは去勢・休養後、今回が3戦目。2015年のジャパンダートダービー1着、今年の帝王賞でコパノリッキーの2着と大井競馬場は2戦して【1-1-0-0】と相性のいいコース。本来の力を発揮できる状態ならばサウンドトゥルー同様、末脚に期待できる1頭です。

 みやこSを勝ったアポロケンタッキー。大井競馬場でのレースは初めてですがこちらもコースを知り尽くした内田博幸騎手を鞍上に迎えて臨みます。

 2014年のジャパンダートダービー馬、カゼノコ。3月の名古屋大賞典でアウォーディーの3着だったモズライジンも参戦。JRA勢は以上の7頭。

 地方勢ではハッピースプリント。近走不振でしたが、前走・浦和記念でケイティブレイブの3着と復活の兆しを見せています。地方競馬ファンとしてはこの馬の復活にも期待したいところ。
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▲復活が期待されるハッピースプリント(写真は浦和記念出走時、撮影・武田 明彦)


 サウンドトゥルー、アウォーディー、コパノリッキーの3強。上位人気も予想される実力馬3頭がどんな競馬を見せてくれるでしょうか。騎手の心理戦、道中の駆け引きからも目が離せません。大一番を制するのはどの馬か!? 名馬たちの戦いに早くも心が躍ります!

※次回の更新は1月24日(火)18時。大井競馬場で行われる「TCK女王盃」のコラムをお届けします。



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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