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上位人気でキッチリ決まる前提で!/中山金杯

  • 2017年01月04日(水) 19時30分

■中山金杯(G3・中山芝2000m)フルゲート17頭/出走13頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 中山金杯で最も注目すべきファクター、それは「ハンデ」である。このレースはハンデを「背負っている」組が非常に強く、馬券に絡んだ馬の半数近くが、ハンデ56.5キロ以上。出走数の違いを考えると、これは圧倒的といっても過言ではない成績差である。ハンデ56キロ以下馬も来るには来るが、信頼度はかなり落ちると考えるべきだ。

 また、ハンデ56.5キロ以上で好走した馬のほとんどが「前走ひとケタ人気」であることや、内枠である馬番1〜6番に入った馬が、トータル[5-1-1-10]という好成績を残しているのも、押さえておきたいポイント。いずれの条件もクリアするクラリティスカイ、ツクバアズマオーの2頭は、素直に信頼すべき存在といえる。

【コース総論】中山芝2000m Cコース使用

・コースの要所!

★イメージよりも格段に人気サイドが強いコース。大穴狙いは期待薄。
★やや内枠優勢だが、枠番による成績差は小さめ。気にしすぎは禁物。
★先行有利であるのは間違いなし。前々で流れに乗れる馬から勝負。





 13頭立てと少頭数となった今年の中山金杯だが、コースのイメージを正確につかむため、データは16頭立てを採用した。まず目立っているのが、6番人気以内馬と7番人気以下馬での極端なまでの成績差である。中山芝というだけで「紛れそう」なイメージだが、実際にはかなり人気サイドが強く、極端な大穴狙いは禁物。とくに連対馬に関しては、上位人気でキッチリ決まる可能性が高いと考えるべきだ。

 そして枠番も、イメージとはかなり異なる結果が出ている。中山芝=内有利というイメージが非常に強いが、芝2000mは枠番による成績差が非常に少なく、単純に内外で比較したデータでも差はほとんどなし。内枠である馬番1〜4番の信頼度が最も高いが、外枠の成績が悪いワケではないので、過信は禁物だ。13頭立て程度であれば、どこに入ってもとくに問題ないと考えたほうがいい。

 ただし、脚質は明らかに先行有利。逃げ馬の成績も良好で、前に行けたほうがベターであるのは間違いない。中団や後方からでも届いてはいるが、回収率の低さを見てもわかるように、これは「能力」で来ているもの。間違っても、人気薄の差し&追い込み馬が頻繁に突っ込んでくるようなコースではない。

【レース総論】中山金杯(G3) 過去10年

・レースの要所!

★コースデータ同様に人気サイドに強いが、1番人気の過信は禁物。
★勝率の高さは内枠が圧倒的。先行勢の強さはコースデータ以上。
★前走での好走が結果に直結。前走での距離は気にする必要なし。
★関東所属騎手「以外」が猛烈に強いレース。鞍上はかなり重視。








 レースの平均配当は、単勝586円、馬連3549円、3連複1万7931円というもの。数値をご覧の通り、順当決着傾向の強いレースである。5番人気以内馬の強さはかなりのもので、トータル[10-7-7-26]で複勝率48.0%、複勝回収率108%と、信頼度だけでなく回収率もたいへん優秀。2〜3着のヒモはともかく、1着馬が紛れるケースは考えづらい。

 13頭立てなので枠番を気にする必要はそれほどないが、過去10年の勝ち馬のうち7頭までが「馬番1〜6番」であったのは、偶然ではないはず。2〜3着にはどの枠番からでも来られるが、勝つのは今年も内に入った馬である可能性が高そうだ。そして脚質面は、コースデータ以上に先行有利。最速上がりの馬が[0-1-1-8]とサッパリの成績であるのが、それを裏付けている。

 意識しておきたいのが、意外に巻き返しがきかないレースであること。過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち、じつに20頭までが「前走5着以内」だった。なかでも前走2着以内馬は高信頼度で、「前走2番人気以内かつ2着以内」の馬は、複勝率50%。昨年の勝ち馬ヤマカツエースと3着馬のフルーキーが、まさにこのパターンである。今年の出走馬でこの条件を満たすのは、ツクバアズマオーとストロングタイタンの2頭だ。

 また、関東の重賞であるにもかかわらず、関東所属騎手の成績がイマイチであるのも、中山金杯の大きな特徴。信頼度や回収率の高さはデータをご覧の通りで、ダノンメジャー(小牧太ジョッキー)とストロングタイタン(川田ジョッキー)の2頭は、これだけで「買い」といえるほど。いずれも継続騎乗であるのを考えると、かなりの高確率で馬券絡みが期待できそうだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 A→Cコース替わり。例年の傾向から思いっきり前有利になると思われる。

・天候予測
 好天が続いており、明日もいいお天気になりそう。もちろん良馬場前提で。

・注目血統
 ハービンジャー産駒◎、クロフネ産駒○、ゼンノロブロイ産駒▲

 中山金杯においてきわめて重要なのが、A→Cコース替わり。前年の最終開催から間隔が開くのもあって、もう「思いっきり」前有利の馬場が出現するケースが多い。ちなみに昨年の中山金杯デーに行われた芝のレースは、6レースすべてが先行馬による勝利だった。おそらく今年も、逃げ・先行天国が発生するものと思われる。

 血統面は、ハービンジャー産駒をトップ評価。勝利数が最も多いのはステイゴールド産駒だが、出走数の多さで勝ち星を稼いでいる印象で、内容がそこまでいいとは思えない。それに対してハービンジャー産駒は、勝率、連対率ともに優秀で、かなりの適性の高さを感じる内容だ。あとは、クロフネ産駒とゼンノロブロイ産駒も、同様にプラス評価の対象としている。

★出走登録馬・総論×各論

 枠番が決まっている状態で迎えられる、1年に1回だけのチャンス。というわけで、いきなり結論から述べさせていただくとしよう。

 ◎03.ツクバアズマオー
 ○02.クラリティスカイ
 ▲06.ダノンメジャー
 ☆10.ストロングタイタン
 △08.マイネルフロスト
 注07.ドレッドノータス
 注01.シャイニープリンス

 トップ評価は、冒頭の特注データ該当馬であり、さらに「前走2番人気以内かつ2着以内」という条件もクリアするツクバアズマオー。中山芝で[4-2-2-4]と好成績を残しているのも心強い。前走を叩かれての上積みにも期待できるはずで、少頭数も大歓迎のはず。怖いのは、スーパー前残り馬場になった場合くらいのものだ。

 二番手と三番手は、前に行ける脚のあるクラリティスカイダノンメジャー。とくに、おそらくハナを切るであろう後者には、かなり期待している。どういう馬場になるかは、フタを開けてみないとわからないが、例年の傾向からして「逃げられる=スーパーリーチ」と考えていいはず。前走内容からも侮れない存在である。

 四番手にストロングタイタン。こちらも買い材料はかなり多いが、現在3連勝中というのもあり、過剰人気になりそうなのがネック。逆に五番手評価のマイネルフロストは、昨年の2着馬だというのに美味しい人気となってくれそうで、かなり食指が動かされる。ここまでの5頭が、今年の中山金杯の上位評価組だ。

 どう買うかはオッズを見てから考えるが、やはり今年も例年通り、おおむね順当に決着しそうな雰囲気。金杯というだけで高配当を狙いたくなるが、無理な穴狙いは避けたほうが賢明だと思われる。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山10レース 有馬記念(G1)
1着 11サトノダイヤモンド
2着 01キタサンブラック
3着 02ゴールドアクター

最後の最後まで馬券下手かよ(#^ω^)ビキビキ

とはいえ、コラムで述べた内容自体は当たりまくっていたので、これは完全に自己責任。3連複ならあっさり的中ですが、それだと何の面白味もないですからねえ。枠番が決まった瞬間に「あ、コレ堅いヤツや」と思ったんだから、その直感に従えばいいものを……。まあいいや、攻めた結果だし(自己弁護)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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