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ミッキーロケット ここからはばたく/トレセン発秘話

  • 2017年01月11日(水) 18時40分


◆GIを目指すのかを決める重要なレースになる

 昨年12月にJRAから発表されたニュースに思わず手を叩いた。動物愛護の精神から「パッド付きムチの義務化」に拍手したというわけではなく、「パトロールビデオの全レース公開」に歓喜したのだ。

 これまでは重賞しか公開されていなかった全周パトロールビデオが、今月14日の競馬から、JRAのホームページで全レース終了の約50分後に見られるようになる。今まで重賞以外のパトロールビデオを見ようとすれば、競馬場に行くか、グリーンチャンネルでチェックするしかなかったのだが、これからはいつでも、どこでも自由に見ることができるわけだ。自分の買っている馬がレース映像では映っていない部分で不利を受けていたというのはよくあるケース。その場面を見られないもどかしさがずっとあったのだが、これからはそのモヤモヤから解き放たれる。

 以前から見られる、見られないの話は別にして、パトロールビデオの重要性はいくらでも具体例を挙げることができる。例えばGII日経新春杯(15日=京都芝外2400メートル)に出走予定のミッキーロケットが、昨秋の神戸新聞杯(2着)でゴチャついた4角の場面も、通常の映像では分かりづらいが、パトロールビデオで見るとその“混雑ぶり”がよく分かる。やはり競馬を細部まで検証しようとするなら、パトロールビデオは欠かせないツールなのである。

「あの不利がなければ、サトノダイヤモンドとのクビ差はどうなっていたかと思うよね。次の菊花賞(5着)にしても、ジョッキー(和田)との事前の話では“サトノより前で競馬をする”ことになっていたんだが、実際は後ろからになってしまった。その割にはよく頑張っていたと思うよ」と音無調教師。

 この一戦は「今後GIII、GIIを狙っていくか、GIを目指すのかを決める重要なレースになる」とトレーナーは位置付けているが、どう転ぶかは「サトノダイヤモンドとの接戦が評価されるのだろうが、ウチのはオープンを勝ったことがないわけだから…。そのあたりを総合的にハンデキャッパーがどう判断するか。他との(ハンデの)兼ね合いになるだろう」とハンデ発表前に口にしていた。果たして55キロのハンデはどう映ったか?

 不利がありながらサトノダイヤモンドと接戦を演じた神戸新聞杯、位置取りが予想外の後ろになっても掲示板は外さなかった菊花賞。昨秋のミッキーロケットの走りは、強い現4歳世代の“第2勢力”としては十分な内容。坂路野郎はハンデ55キロなら何も問題なしとみて、迷いなく重い印をつけるつもりだ。(栗東の坂路野郎・高岡功)

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2010年に創刊50周年を迎えた夕刊紙。競馬確定面「競馬トウスポ」(大阪スポーツは「競馬大スポ」、中京スポーツは「競馬中京スポ」)は便利な抜き取り16ページで、中身は東スポグループだからこその超充実ぶり。開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載しています。

関東・舘林勲、大阪・松浪大樹の本紙予想のほか、記者による好評コラム(「一撃・山河浩、馬匠・渡辺薫など)、そして競馬評論家・井崎脩五郎、爆笑問題の田中裕二、IK血統研など超豪華執筆陣の記事も読みごたえたっぷり。馬券作戦に役立つ情報が満載です。

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