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「やっぱりすごいわ」と呟いた追い切りとは!? 2重賞の追い切りチェック!

  • 2017年01月11日(水) 19時00分


レース間隔を詰めるのはプラスになると思うポポカテペトル

 1月5日、7日、8日と1週間での3日開催が終了。2場開催だったとはいえ、バタバタとする1週間でしたが、ウマい馬券の予想は散々。年明けから期待して参考にしてくださった皆様には本当に申し訳ない結果となりました。本当にごめんなさい。

 東西金杯はともかく、フェアリーSにせよ、シンザン記念にせよ、本命を間違わなければ3連馬券を的中できたチャンスだっただけに、8日の中山競馬場からの帰路は悔しい思いで一杯でした。だからといってできることは来年こそ同じ失敗を繰り返さない、そして今週に向けて、しっかりと準備すること。

 そんな中、特別登録の時点で「コレ」と決めた馬の雰囲気を10日に確認すると思った通りの雰囲気でした。日経新春杯はコレでいくと思います。あとは3場開催だけに11日の追い切りで感じた直感を大切にしながら、しっかりと週末の予想をやっていきたいと思います。

【京成杯/ガンサリュート】

 リスグラシューやカデナといった後に重賞を勝つ馬の2着が続いたことで注目されていますが、そのレースぶりは一戦ごとに堅実になっています。前走後はすぐにここを目標にしており、レース間隔こそあいていますが、仕上がりに関しては入念です。

 入念という意味は追い切り本数だけでなく、1日の調教内容も同じ。この馬に関しては、坂路を57秒から58秒で駆け上がった後、CWで時計を出す。このパターンで水曜追い切りをこなしています。1月4日もそうでしたが、驚いたのは最終追い切りの11日。坂路4F58.6秒とそれなりの数字だったのに、CWは6Fからの追い切り。しかもファッショニスタを追走する内容で、最後は追いつくことができませんでした。

 6F84.2秒は速く、遅れたことよりもこれだけ攻めた内容を評価するべきかも知れません。ただ中山競馬場までの輸送もある中でここまでの負荷が必ずしもプラスに作用するかどうかは難しいところ。個人的には追い切りの見た目からあまり高く評価できないのが正直な印象です。

ガンサリュート(内・1月11日撮影)

追い切りの見た目からあまり高く評価できないガンサリュート(内・1月11日撮影)



【京成杯/ポポカテペトル】

 新馬戦1着、前走5着はいずれも最終追い切りの併せ馬先着でしたが、その中間の併せ馬はいつも遅れるタイプ。それだけに、1月4日のCWでラプソディーアに先行するも遅れた内容は当然といってもよいと思います。少し前向きさに欠くタイプであることを思えば、レース間隔を詰めるのはプラスになると思います。

 最終追い切りも3頭併せの先頭だったにも関わらず、リッチーリッチーに手応え劣勢で遅れ気味のゴール。やっぱり動かないかなといったところですが、ラスト1F11.8秒と自身はきっちり伸びています。勝つイメージが湧きにくい追い切りでの動きですが、すんなりと先行して前々でレースができるようなら、ゴール前で圏内の勝負はしているような気がします。

ポポカテペトル(外・1月11日撮影)

追い切りではやっぱり動かないポポカテペトル(外・1月11日撮影)



【日経新春杯/ミッキーロケット】

 中5週の神戸新聞杯、中3週の菊花賞と使った昨秋。そのパフォーマンスの高さはここで1番人気に評価されても当然の内容でした。ただしその2戦は夏場を使ってきてからのもの。今回は菊花賞後に休養しての中11週ですから、そこをどのように捉えるか。まず最終追い切りを含めて5本の調教を考えると、当時よりも状態が上ということはないと思っています。

 ただ、1週前追い切り、最終追い切りともに休み明けだからこそ、しっかりと時計を出して、併せ馬を行っています。だからこそレッドラウダという追い切りで動く相手をつけましたし、和田竜二騎手にも跨ってもらったようです。その期待に応えて動けている馬。最終追い切りでも2馬身追走したのに、最後は少し前に出たのですから、追われてからの反応は上々。

 休み明け判断として5走前をどう評価するか。格下500万下だからこその圧勝だったのかどうか。逆に今回は当時と同じローテーションで、手加減なしに仕上げることができました。今回は休み明けだからこその良い状態という考え方にシフトした方がよいかも知れないという印象を受けた最終追い切りでした。

ミッキーロケット(1月10日撮影)

追われてからの反応は上々だったミッキーロケット(1月10日撮影)



【日経新春杯/シャケトラ】

 デビューから4戦すべてがメンバー最速上がりをマーク。1000万下を勝ち上がったばかりといっても、ここで注目されるのは当然の実績です。角居勝彦厩舎で中4週のレース間隔を考えると、追い切り内容が少し軽いようにも思えますが、最終追い切りの動きを見ると、それも当然のような気もします。

 理由はとんでもなく前向きな点。あまり追い切り本数が多いとオーバーワークになってしまうようなタイプでしょう。最終追い切りはCWでキセキと併せ、シャケトラが先行しましたが、相手が追いつくこともできないスピードで圧倒。最後までそのスピードは衰えず、6F80.7秒、1F12.0秒という素晴らしい内容。これを見た直後に「やっぱりすごいわ」と呟いたことは言うまでもありません。

シャケトラ(1月11日撮影)

素晴らしい内容だったシャケトラ(1月11日撮影)



【日経新春杯/カフジプリンス】

 神戸新聞杯、菊花賞とCWオンリーの調教内容でしたが、これは私の予想基本である調教適性では大きな不利。それでも上位争いをできた時点で長距離路線での能力の高さは感じていました。前走から坂路での追い切りに戻り、1600万下をきっちり勝ち上がることができました。追い切り本数が少ない状態だったので、7分程度の状態だったと思います。

 今回は中2週。追い切り本数こそ標準ですが、普段の調教の様子を見ても昨秋より落ち着きが出て、走りにも安定感が出てきました。そして最終追い切りはオールドクラシックを追走して、最後は相手を突き放して先着。前にいた他厩舎の併せ馬まで抜き去ってしまうのではないかというくらい勢いのある動きでした。4F51.0秒は自己ベスト更新。状態に関しては申し分なく、あとはレースで力を発揮するだけといった感じです。

カフジプリンス(1月10日撮影)

状態に関しては申し分ないカフジプリンス(1月10日撮影)



◆次走要注意

・1/7 ポルックスS【バスタータイプ】(3人/5着)

 約9か月ぶりのレースで最終追い切り場所はいつもの好走時と違うCW。それでいて12キロ増なら馬券圏内の好走はあるかもと考えていましたが、レースは無理せず後方から。それでも最後はメンバー中2位の上がりを使って5着。やはりオープン特別では能力上位です。

 次走は馬体重が絞れるかどうか関係なく、最終追い切り場所が坂路なら順調な証。理想はマーチS2着時のように、4F時計が速いこと。総武Sが4F52.2秒だったことを思えば、このあたりの数字がひとつの目安となりそうです。

[メモ登録用コメント] [ダート1800m]最終追い切り栗東坂路で4F52.5秒以下なら勝ち負け

・1/8 フェアリーS【コーラルプリンセス】(3人/8着)

 スタートは悪くありませんでしたが、最後の直線は外へ持ち出したい態勢。ただ、外から被せられて、出すに出せない状況。出せた時は坂が始まるところで、加速するにもできず。負けるべくして負けたレースです。
 やっぱり東京競馬場のような広い馬場で早目に加速することが理想。クイーンCなら巻き返しは可能でしょう。

[メモ登録用コメント] [クイーンC]最終追い切り南Wでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・日経新春杯【ヤマカツライデン】
 まず最初にお断りしておくと休み明けで追い切り本数が少ないので、週末の予想コラムでは無印にしてしまうかも知れません。ただ、11日のCWでの動きはあまりに素晴らしかったので、ここで取り上げました。
 朝一番のCWを池添謙一騎手が跨っての単走でしたが、テンからスピードに乗って、素晴らしいフットワークでゴールを駆け抜けました。6F81.3秒、1F11.9秒というバランスもよく、主観的な動きは人気馬の最終追い切りと遜色ありません。

ヤマカツライデン(1月11日撮影)

動きは人気馬の最終追い切りと遜色ないヤマカツライデン(1月11日撮影)



【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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