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日本ダービーに関する興味深いデータ

  • 2017年01月14日(土) 12時00分


◆史上初の3連覇がかかるノーザンファーム

 福寿草特別のエアウィンザー、届きませんでしたね。いろいろ考えた末に、思い切って今年のダービー馬として期待したんですけど、もう一度考え直さなきゃいけません。

 実は、ペルシアンナイトにしようかな、と思ったこともありました。小倉芝1800メートルの新馬戦でデビュー勝ち、というところが条件に合っていたからです。しかし、同馬も翌日のシンザン記念に出走して3着。重馬場がこたえたんでしょうが、エアウィンザーと同じく賞金が加算できなかったので、今後の使いどころが難しくなってしまったようです。

 まぁ、こうやって有力と思われた馬がモタついていると、すでに実績を残した馬がますます有利になる、とも考えられます。いよいよ藤沢和雄調教師がサトノアレスかレイデオロでダービー初制覇を果たすのかもしれませんね。

 でもそれじゃぁ、【なぁんだ、結局それかよ】って言われそう。なのでここでは、去年のマカヒキのような、2歳時は芝1800メートルの新馬戦で1勝しただけ、という馬の中からサーベラージュを挙げておきます(ただし、京成杯を勝ったら、という条件付きですけど…)。

 ところで、そんなこんなを考えているうちに、また1つ、日本ダービーに関する興味深いデータを発見してしまいました。それは、去年まで83回も行われてきた日本ダービーで、同一生産者の生産馬が3年連続で優勝したことはない、というもの。ちなみに2連覇は、以下のとおり計9回記録されています。 

下総御料牧場2回(1936年トクマサ+37年ヒサトモ、39年クモハタ+40年イエリユウ)
小岩井農場2回(41年セントライト+42年ミナミホマレ、49年タチカゼ+50年クモノハナ)
シンボリ牧場1回(84年シンボリルドルフ+85年シリウスシンボリ)
社台ファーム1回(95年タヤスツヨシ+96年フサイチコンコルド)
ノーザンファーム2回(2004年キングカメハメハ+05年ディープインパクト、15年ドゥラメンテ+16年マカヒキ)
ノースヒルズ1回(13年キズナ+14年ワンアンドオンリー)

 今年はもうお気づきのように、ノーザンファームに史上初の3連覇がかかっています。距離適性を考えると、同ファームの生産馬でダービー有力候補とされているのはレイデオロとサトノアーサーや、バルデス、ヴァナヘイム、ムーヴザワールドあたり。これらの馬がダービーに駒を進めれば、快挙達成に挑むことになるわけです。

 一方、“3連覇”を阻んだ馬8頭のうち7頭は1〜3番人気に推されていた、というデータも発見しました。こんなことを書くとノーザンファームから“出禁”を言い渡されちゃうかもしれませんが、今年のダービーで、1〜3番人気馬の中に、同ファーム以外で生産された馬がいたら、その馬を頭にして馬券を買うのも妙案、ってことですかね?

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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