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ヒモが紛れて高配当が出そうな一戦!/アメリカJCC

  • 2017年01月19日(木) 18時00分

■アメリカJCC(G2・中山芝2200m)フルゲート17頭/登録17頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 因果関係を説明しづらいデータだが、このレースで目立つのが「前走馬体重480〜499キロ」馬の強さ。2013年ダノンバラード、2014年ヴェルデグリーン、2015年クリールカイザー、そして2016年ディサイファなど、勝ち馬のほとんどがこの条件に該当している。信頼度の高さや回収率の高さも文句なしの、まさに特注条件といえる。

 この条件をクリアしている馬のなかでも、とくに強いのが上位人気。7番人気以内馬に限ればトータル[9-1-5-11]で勝率34.6%、連対率38.5%、複勝率57.7%と猛烈に強く、回収率も単221%、複136%とさらに向上する。今年の登録馬で「前走馬体重480〜499キロ」であるのは、クリールカイザー、シルクドリーマー、ゼーヴィント、マイネルフロスト、ヤマニンボワラクテ、ルミナスウォリアー、ワンアンドオンリーの7頭だ。

 このうち、当日7番人気以内に推されそうなのが、ゼーヴィント、ルミナスウォリアー、ワンアンドオンリーの3頭。さらに高信頼度な「関東馬」でもあるゼーヴィントとルミナスウォリアーの2頭を、今年の特注馬としたい。

【コース総論】中山芝2200m Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気の信頼度は低め。4〜6番人気から入る馬券に妙味アリか。
★内枠である馬番1〜4番が過剰に人気。枠番による差は意外にない。
★圧倒的に前有利。勝ち負けするには4角5番手以内の位置が欲しい。





 1番人気よりも2番人気のほうが強いという逆転現象が起こっている、中山芝2200m。人気馬を狙うなら2〜3番人気のほうが効率がいいし、4〜6番人気あたりの中穴から入る馬券のほうがさらに儲かりそうだ。ただし、人気薄がバンバン激走するようなコースではなく、過度の穴狙いは禁物。12番人気以下で連対した馬は1頭しかいない。

 枠番データで目立つのは、イメージ的に有利そうな内枠の不振である。単勝回収率は馬番1〜4番が最も高いが、対照的に勝率や連対率も最も低く、とてもではないが内枠有利とはいえない結果。枠番値もマイナス0.7とかなり低く、過剰人気である可能性がきわめて高い。実際は、枠番による影響が意外なほど小さいコースなのである。

 ただし、脚質別では明らかに前有利。4コーナー11番手以下の位置からでは、3着に来るのも無理だと考えるべきだ。逃げ馬がそのまま残る確率も非常に高く、4コーナーで「5番手以内」のポジションにいなければ、勝ち負けは難しいはず。中団からの差しもそれなりには届くが、人気の差し馬を過度に信頼するのは禁物といえる。

【レース総論】アメリカJCC(G2) 過去10年

・レースの要所!

★2〜3番人気は強いが1番人気は大不振。最も効率がいいのは中穴狙い。
★枠番による成績差はそれほどないが、脚質別では圧倒的に先行勢優勢。
★高齢馬の活躍が目立っており年齢不問。斤量も今年は不問でオッケイ。
★前走G1組が大敗から巻き返してくるレース。関東馬の強さも要注目。








 レースの平均配当は単勝591円、馬連5595円、3連複1万3728円と、やや低めの水準。過去10年の勝ち馬はすべて5番人気以内であり、1着が大きく紛れるようなレースではない。ただし、1番人気は[2-0-0-8]と大不振で、現在4年連続で4着以下に敗退中。また、10番人気以下も[0-1-0-44]と期待薄だ。最も効率がいいのは、「2〜5番人気から入る中穴狙い」の馬券だろう。

 枠番データで最も高信頼度であるのは、内枠である馬番1〜4番。とはいえ、平均人気が6.6と抜けて高いのだから、これは当然の結果である。平均人気を加味して考えると、枠番の内外による有利・不利はほとんどなく、イメージよりも格段にフラット。外枠が思いっきり嫌われているが、実際はそこまで大きく割り引く必要ナシなのである。

 枠番は不問だが脚質面は圧倒的に前有利──というのも、コースデータと同様の傾向。先行勢の強さはコースデータ以上で、馬券絡みした30頭のうち20頭までが、4コーナーを5番手以内で回っていた。4コーナー6番手以下から好走したのはすべて7番人気以内馬で、8番人気以下馬は[0-0-0-47]と全滅。もう、「人気馬しか差せない」くらいに思っておいたほうがいい。

 年齢別成績で目立つのは、通常ならば割引の対象となる高齢馬の好成績。昨年も、ディサイファが1着で2着にスーパームーンと、7歳馬によるワンツー決着だった。高齢馬が強いというワケではないが、これを理由に人気を落としているような馬は、狙ってみる価値アリだ。斤量別では58キロ馬が好成績と「背負っている組」が強いレースだが、今年の登録馬はすべて57キロ以下。斤量57キロ馬を少しプラスに評価する程度でいいだろう。

 前走クラス別成績では、前走G1組の強さが目立っている。前走で大敗している馬でも巻き返してくるケースが多く、前走着順は気にする必要なし。逆に、前走G2〜条件戦組は前走人気が今回の着順に直結している傾向があるので、前走で上位人気に推されていた馬をプラスに評価する方向でいきたい。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 けっこう差しが決まっている印象。やや差し優勢の馬場と考えるべきか。

・天候予測
 金曜日が雨〜雪となる予報。土日は晴れ予報だが多少は影響が残りそう。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ステイゴールド産駒○

 大雪の影響で、まさかの4日連続開催となった先週の中央競馬。今週も金曜日に雪の予報が出ているが、気温は先週末よりも高く、そこまで大きな影響は出ないと思われる。土日に関しては降雨も降雪もないだろうし、基本的には良馬場前提の予想でオッケイ。ただし、外から差す馬にかなり有利な馬場バイアスとなる可能性はある。

 血統面は、ディープインパクト産駒とステイゴールド産駒をプラス評価の対象とした。マンハッタンカフェ産駒あたりも悪くはないが、プラスに評価するほど成績がいいかといえば、微妙なところだ。あとは、表には記載されていないドリームジャーニー産駒が要注目。当コースの出走回数はわずか5回だが、[4-1-0-0]とパーフェクト連対中なのである。コース適性だけなら、ミライヘノツバサが「断然」だろう。

★出走登録馬・総論×各論

 フルゲート17頭に対して、キッチリ17頭が登録してきた、今年のアメリカJCC。重複登録馬や現段階で回避を表明している馬は見当たらず、ほぼこのままのメンツでレースが行われそうだ。現在netkeiba.comでの予想オッズは、ゼーヴィントが2.5倍で1番人気。3.5倍でリアファルが続くが、なんと3番人気にはミライヘノツバサが推されている。どうやら、ヒモはかなり紛れると考えているファンが多いようだ。

 当データ分析の筆頭評価馬は、順当にゼーヴィント。1番人気が猛烈に弱いレースであるのが気がかりだが、冒頭の特注データ該当馬で、臨戦過程や脚質、血統など、その他の項目でもプラス評価のオンパレード。大きく割り引くような材料もなく、もし当日2番人気にでもなってくれれば、さらに自信を持って買えそうだ。

 二番手評価にワンアンドオンリー。ダービー馬ながら、現在は何とも扱いが難しい、ファンを苦悩させる存在となりつつある。とはいえ、特注データの該当馬で前走G1組、さらに斤量57キロの「背負っている組」で先行できる脚質など、ここはかなり買い材料が多い一戦。6〜7番人気になるなら、狙ってみる価値は十分にある。

 三番手評価にルミナスウォリアー。こちらも特注データ該当馬で、しかも高信頼度である関東馬。中山芝コースの実績も十分で、メイショウサムソン産駒のコース適性が高そうなのも心強い。馬場が想像以上に外差しバイアスになるようなら、思いきってここから入ってみるのも面白そうだ。

 以上の3頭が上位評価組で、以下は完全にどんぐりの背比べ。タンタアレグリア、リアファル、クリールカイザー、ミライヘノツバサ、クラリティスカイ、ヤマニンボワラクテ、シルクドリーマー、シングウィズジョイと続くが、ブッチャケ「展開次第で何でもアリ」くらいの勢いで大混戦である。

 よって馬券は、上位評価組3頭の組み合わせから流す3連複や3連単を推奨。2〜3着が思いっきり紛れてもおかしくないメンバー構成なので、10〜12番人気あたりまで積極的に拾うスタンスを推奨する。もしゼーヴィントが2番人気以下になるようならば、ココを1着固定で狙うのもアリだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧





京都11レース 日経新春杯(G2)
1着 05ミッキーロケット
2着 03シャケトラ
3着 08モンドインテロ

見事に1着3着を食らいました(#^ω^)ビキビキ

とはいえ、1番人気と2番人気の組み合わせを買いたくなかったからハズレなワケで、どこまでも自己責任。トップ評価のマキシマムドパリが愛知杯を勝ち(関係ないけど)、二番手評価のミッキーロケットが日経新春杯を制したんだから、決して悪い結果ではない……と言い張ってみよう。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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