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一番計算が立つ有馬記念組が不在のAJC杯

  • 2017年01月20日(金) 18時00分


◆GIIIから来た馬は前走の内容が問われる

 AJC杯はなぜか1番人気の成績がさほどでもない一方、格上タイプは強いレース。有馬記念組がいれば一番計算が立つが、今年は不在。反対に中山金杯のようなGIIIから来た馬は前走の内容が問われる。前走着順は良いにこしたことはないし、せめて前走上位人気であるほうが、ここでも買いやすい。

 ゼーヴィントは福島記念1番人気2着なので、その資格は満たしていると言える。同じコースのセントライト記念でディーマジェスティのクビ差2着しているし、買いやすい人気馬だ。問題はどの位置で競馬をするか。セントライト記念のような形になれば崩れないと思うが、初手が後ろだと、先行タイプの強いこのレースだけに多少リスクは出てくる。

 リアファルは金鯱賞3番人気5着からの参戦。金鯱賞組はここ10年で[2-0-2-2]。有馬記念組がいない状況下では別定GII組が頼りになる。前走は長期休養明けだし、今回上積みがあると考えたらこちらを軸に取る手もある。こちらは脚質とレースもマッチしている。

 ミライヘノツバサはこのコースで3勝。崩れるときは崩れるが、勝ち切るときの鮮やかさはある。個人的には先に触れた2頭に比べると地力の面でやや劣るようにも思うが、このコースだと全否定はできない。買うならいっそ単か1着付けだろう。

 タンタアレグリアは天皇賞春以来。GIIなら常に警戒が必要な馬だが、今回は休み明けということと、再三触れている先行有利のレース傾向がひっかかる。実力を認めながらも△くらいでいきたい馬だ。

 シングウィズジョイはエリザベス女王杯で激走したが、いかにもキレるというタイプでもないし、本来なら内回りか、外回りでもまさに中山芝2200mのような形態がよさそう。レースごとのムラが激しい馬なので、馬券上の取り扱いは実際のオッズが出てから考えていきたい。

 ルミナスウォリアーあたりは複穴になってくるかもしれないが、脚質的に軸にはしづらく、来る場合はヒモで引っ掛けたいタイプ。それよりはクラリティスカイの復活を信じたいように思う。ただこちらは乗り替わりが正直マイナス要素。柴田善騎手にケチをつけるわけではなく、いまの田辺騎手は相当魅力だけに、それが無くなるのが痛い。

 その田辺騎手はワンアンドオンリーに騎乗。延々と「そろそろ復調」と言われている馬だが、デキを吟味する立場の人たちが評価するようになってからもレースでは結果が出ない。GIIとはいえ今回買う理由を見出すのは難しい。田辺騎手という要素も、何度かコンビを組んでいるだけにそれだけでは強調できない。

 大穴候補を1頭あげるならクリールカイザー。このレースは高齢馬がけっこう絡む。前付けできてリピーターでもあるこの馬が候補か。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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