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ダートは血統格言がハマりやすい理由

  • 2017年01月20日(金) 19時00分


◆「ダート短距離」の名血リストは絶好調

 昨年末「競馬研究所」という本で「ダート短距離」の名血リストを掲載したのですが、該当馬の昨年12月〜今年1月の回収率は、偶然にも本を出した前よりも上昇。おかげで、ホームページで公開している推奨馬(亀SP)の単勝回収率が一時的ですが、200%を越える事態に。千鳥のノブさんが推奨馬を買わなくなったことも影響しているかもしれません(笑)(今週末のフジTVの深夜番組で関連ネタやるみたいです)。

 JRAは、芝のレースよりもダートのレースの方が「○○産駒を買え!」といった格言がハマりやすい構造をしています。大きな理由のひとつに、芝のレースに比べてダートのレースの方が「明らかにダート向きではない血統」が上位人気を占めるレースが多いことが挙げられます。

 先週の中山ダートも、タートルボウル産駒やハービンジャー産駒が1人気で次々と馬券圏外に消えました。タートルボウルやハービンジャー産駒は本質的にダート血統ではありません。しかし、芝のレースではスピード不足でもあり、冬は芝の番組が少ないので「仕方なく」ダートを使う馬も多いのです。また、この手の「ズブいからダートを使う」馬は内枠を引くと捌けないリスクがさらに加わります。

 なお昨年12月〜今週までのダートでのハービンジャー産駒は3人気以内に支持されたケースが6回あり全敗。連対も1頭のみ。

 一方で4人気以下の人気薄は5頭が馬券に。複勝回収率は348%。「人気の信頼度は低いが、人気薄の期待値は高い」のも「本質的にはダート血統ではない馬力血統」の特徴。同様のタイプのハービンジャー産駒も似たような傾向を示します。超簡潔に書けば、字面上の芝血統を人気で買うのは危険。人気薄なら母系に見どころがあればおさえましょう、といった塩梅。

 さて、今週末は中京で重賞東海Sが行われます。当コースは、下級条件では「前走芝出走馬」の期待値が高い特徴があります。前走まで芝を使われるような馬が走りやすい構造のコースは「父は芝の要素がある程度強い」血統馬が走りやすいコースともいえます。ただし、先に書いたように「完全な芝血統」の馬ではやはり厳しいでしょう。

 カゼノコの父はアグネスデジタル。父の産駒は当コースの期待値が高いのも、自身が芝、ダート両方のG1を勝つような適性に由来します。アグネスデジタル自身の血統も父はダートの快速血統。母は芝の長距離血統。

 ピオネロは母が世界の芝、ダート兼用血統ともいえるアルゼンチン血統。母父の産駒にインヴァソール。母父がブラッシンググルーム系のダート馬といえば、ホッコータルマエ。芝G1適性もダートG1適性も高い血統。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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