1月15日終了時点で収録したレース回顧をお届け。今年の小牧騎手は何かが違う!?
先週土曜日の京都6Rでの斜行により、開催2日間の騎乗停止に…。若駒の難しさを痛感した一戦でしたが、小牧騎手自身は土曜8Rのワンダーピルエット、日曜8Rのダブルイーグルで勝利を収め、2017年の勝利を「5」に伸ばしました。今回は、1月15日終了時点で収録したレース回顧をお届け。今年の小牧騎手は何かが違う!?
(取材・文/不破由妃子)
年末より体の動きが良くなってるような気がする
──今年は2週目が終了した時点で3勝。リズムを取り戻されたようでホッとしています。
小牧 毎年ね、1月はけっこう勝ってるんやて。この前、実家に帰ったとき、おふくろにそう言われた(笑)。
──お母さまに!?
小牧 うん。よう見てるねん。で、「気持ちが続くよう、12月までボチボチ勝っとったらええ。ゆっくり勝ちや」って(笑)。こっちとしたら、そんなわけにはいかんよねぇ。でも僕自身、今思うとやけど、年末より体の動きがちょっと良くなってるような気がする。自分でいうのもなんやけど、年明けのほうが追えてるわ。まぁとにかくひとつでも上に持ってこようと必死やねんけど。
──確かに気迫が伝わってくる騎乗が多いような気がします。では、さっそくレース回顧を。まずは、今年の初勝利となったワキノアタリ(1月8日・京都7R・4歳上500万下)から。
小牧 あの馬はね、もともと園田にいた馬で、年末に曾和先生とお会いしたときに「すごく走る馬なのに、お前、なんで乗らんねん」て言われていて。そうなんやぁと思っていたら、たまたま年明けの想定に入っとった。曾和先生に聞いていた通り、返し馬の段階で「いい馬やなぁ」と思ったわ。そんな流れで勝てたから、余計に嬉しかったね。オーナーの脇山さんも、昔からお世話になっている方やし。
──直線は狭いところを割ってきて、着差以上に強い勝ちっぷりでした。
小牧 うん。あれは手応えが抜群やったからできたこと。少し休ませるみたいやけど、この馬は先々もっと走ってくるんちゃうかな。
──続いては、翌週土曜日のアンナペレンナ(京都6R・4歳上500万下)。レース後のコメントでは、「能力は上でも通用する」と断言されていましたね。
小牧 あの馬は思った以上に強かったわ。前走こそタイムオーバーやったけど、その前に川島が乗った1800mでは、出遅れながらも4着にきていて、しかも大して負けてなかったんですわ。だから、ゲートさえ互角に出ればやれるんちゃうかと思っていたし、なんせ調教で動いていたからね。
──時計が掛かる日の坂路でも、51秒台で走る馬ですからね。
小牧 そうそう。それもあって期待してた。実際、返し馬の感触も良くて、「これは一発あるかもしれんな」と思ってたんやけど、それ以前に、ワキノアタリにしてもアンナペレンナにしても、なんでこんなに人気するんかなと思って。
──ワキノアタリは3番人気、アンナペレンナは4番人気でした。
小牧 普段、オッズはほとんど気にしないんやけど、馬場に入るときに電光掲示板をパッと見たら、どっちも人気になっていて、「ファンはよう知ってるなぁ」と感心したわ。アンナペレンナはコメントでも話した通り、クラスが上がっても通用すると思う。またどこかで乗せてもらいたいね。
クラスが上がっても通用すると思う。またどこかで乗せてもらいたいね
──続いては、同日12Rのワンダーサジェス(4歳上1000万下)。1番人気に見事応えましたね。
小牧 これも上手いこと乗ったね。相手はハナから2着の馬(タガノヴィアーレ)やと思っていて、相手は先頭に立つと遊ぶ馬やから、その後ろで競馬をしたいと思っていた。スタートしてパッと横を見たら、そのタガノが前に行きそうやったから、その直後に控えたんですわ。で、4コーナーで早めに動いていって。
──相手の癖を利用しての技あり一本という感じですね。
小牧 ただ、僕の馬は思ったより弾けんかったなと思ってね。本来なら、もっとやれる馬やと思う。まだ本調子にはないのかもしれんね。
──勝ってなおその評価ということは、期待の大きさの現れですね。
小牧 そうそう。ここでも前に話したけど、新馬戦で圧勝したときから期待が大きかった馬やからね。ひとつひとつ、一緒に勝っていけたらいいなと思っています。
──最後に中山金杯のダノンメジャー(7着)を。中山2000mの前半1000m通過60秒4というのは、数字以上に速かったかもしれませんね。
小牧 そうやね。押していったしね。それでもバッタリとはこなくなったし、だいぶしぶとくなってきた。ただ、2000mはちょっと長いかもしれん。1600mだとハナに行くのが難しいし、現状は1800mがベストかな。次はその1800mの小倉大賞典になりそうやね。
──乗りに行かれるんですよね?
小牧 もちろん。コースも距離もいいと思うし、しぶとさが生きるレースをしたいね。
(文中敬称略)