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2017年開幕ダッシュ 今年の小牧騎手は何かが違う!?

  • 2017年01月24日(火) 18時01分
小牧太

1月15日終了時点で収録したレース回顧をお届け。今年の小牧騎手は何かが違う!?


先週土曜日の京都6Rでの斜行により、開催2日間の騎乗停止に…。若駒の難しさを痛感した一戦でしたが、小牧騎手自身は土曜8Rのワンダーピルエット、日曜8Rのダブルイーグルで勝利を収め、2017年の勝利を「5」に伸ばしました。今回は、1月15日終了時点で収録したレース回顧をお届け。今年の小牧騎手は何かが違う!?
(取材・文/不破由妃子)


年末より体の動きが良くなってるような気がする

──今年は2週目が終了した時点で3勝。リズムを取り戻されたようでホッとしています。

小牧 毎年ね、1月はけっこう勝ってるんやて。この前、実家に帰ったとき、おふくろにそう言われた(笑)。

──お母さまに!?

小牧 うん。よう見てるねん。で、「気持ちが続くよう、12月までボチボチ勝っとったらええ。ゆっくり勝ちや」って(笑)。こっちとしたら、そんなわけにはいかんよねぇ。でも僕自身、今思うとやけど、年末より体の動きがちょっと良くなってるような気がする。自分でいうのもなんやけど、年明けのほうが追えてるわ。まぁとにかくひとつでも上に持ってこようと必死やねんけど。

──確かに気迫が伝わってくる騎乗が多いような気がします。では、さっそくレース回顧を。まずは、今年の初勝利となったワキノアタリ(1月8日・京都7R・4歳上500万下)から。

小牧 あの馬はね、もともと園田にいた馬で、年末に曾和先生とお会いしたときに「すごく走る馬なのに、お前、なんで乗らんねん」て言われていて。そうなんやぁと思っていたら、たまたま年明けの想定に入っとった。曾和先生に聞いていた通り、返し馬の段階で「いい馬やなぁ」と思ったわ。そんな流れで勝てたから、余計に嬉しかったね。オーナーの脇山さんも、昔からお世話になっている方やし。

──直線は狭いところを割ってきて、着差以上に強い勝ちっぷりでした。

小牧 うん。あれは手応えが抜群やったからできたこと。少し休ませるみたいやけど、この馬は先々もっと走ってくるんちゃうかな。

──続いては、翌週土曜日のアンナペレンナ(京都6R・4歳上500万下)。レース後のコメントでは、「能力は上でも通用する」と断言されていましたね。

小牧 あの馬は思った以上に強かったわ。前走こそタイムオーバーやったけど、その前に川島が乗った1800mでは、出遅れながらも4着にきていて、しかも大して負けてなかったんですわ。だから、ゲートさえ互角に出ればやれるんちゃうかと思っていたし、なんせ調教で動いていたからね。

──時計が掛かる日の坂路でも、51秒台で走る馬ですからね。

小牧 そうそう。それもあって期待してた。実際、返し馬の感触も良くて、「これは一発あるかもしれんな」と思ってたんやけど、それ以前に、ワキノアタリにしてもアンナペレンナにしても、なんでこんなに人気するんかなと思って。

──ワキノアタリは3番人気、アンナペレンナは4番人気でした。

小牧 普段、オッズはほとんど気にしないんやけど、馬場に入るときに電光掲示板をパッと見たら、どっちも人気になっていて、「ファンはよう知ってるなぁ」と感心したわ。アンナペレンナはコメントでも話した通り、クラスが上がっても通用すると思う。またどこかで乗せてもらいたいね。
小牧太

クラスが上がっても通用すると思う。またどこかで乗せてもらいたいね



──続いては、同日12Rのワンダーサジェス(4歳上1000万下)。1番人気に見事応えましたね。

小牧 これも上手いこと乗ったね。相手はハナから2着の馬(タガノヴィアーレ)やと思っていて、相手は先頭に立つと遊ぶ馬やから、その後ろで競馬をしたいと思っていた。スタートしてパッと横を見たら、そのタガノが前に行きそうやったから、その直後に控えたんですわ。で、4コーナーで早めに動いていって。

──相手の癖を利用しての技あり一本という感じですね。

小牧 ただ、僕の馬は思ったより弾けんかったなと思ってね。本来なら、もっとやれる馬やと思う。まだ本調子にはないのかもしれんね。

──勝ってなおその評価ということは、期待の大きさの現れですね。

小牧 そうそう。ここでも前に話したけど、新馬戦で圧勝したときから期待が大きかった馬やからね。ひとつひとつ、一緒に勝っていけたらいいなと思っています。

──最後に中山金杯のダノンメジャー(7着)を。中山2000mの前半1000m通過60秒4というのは、数字以上に速かったかもしれませんね。

小牧 そうやね。押していったしね。それでもバッタリとはこなくなったし、だいぶしぶとくなってきた。ただ、2000mはちょっと長いかもしれん。1600mだとハナに行くのが難しいし、現状は1800mがベストかな。次はその1800mの小倉大賞典になりそうやね。

──乗りに行かれるんですよね?

小牧 もちろん。コースも距離もいいと思うし、しぶとさが生きるレースをしたいね。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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