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キタサンブラックの4分の3妹テーオーメーテル

  • 2017年01月25日(水) 12時00分
コパノレヴィーン(牝 栗東・村山明 父ゴールドアリュール、母コパノニキータ)
 フェブラリーS(GI)2回、JBCクラシック(JpnI)2回などダートGI/JpnIを8勝している名馬コパノリッキーの全妹にあたる。母コパノニキータは「ティンバーカントリー×トニービン」なのでアドマイヤドン(最優秀ダートホース2回)と同じ組み合わせ。スマートファルコン、エスポワールシチー、シルクフォーチュンといったゴールドアリュールの代表産駒は、「HyperionとSon-in-Lawの組み合わせ」から成る血を母方に抱えているケースが目立っており、本馬の母の父ティンバーカントリーは、その母Fall Aspen(20世紀を代表する名繁殖牝馬の1頭)がImitation≒Swaps 2×2。ImitationもSwapsも「HyperionとSon-in-Law」が主要な構成要素となっている。ティンバーカントリー自身はSwaps 4×3なのでSwaps≒Imitation 4×3・3。ゴールドアリュール産駒としては申し分ない配合構成だ。同産駒は牝馬よりも牡馬のほうが走る傾向が見られるものの、名馬の全妹だけに大いに期待したい。

サウスカップ(牝 美浦・尾関知人 父サウスヴィグラス、母ブライアンマリア)
 母ブライアンマリアは現役時代、ダート中距離で3勝を挙げた。「ブライアンズタイム×アンバーシャダイ」という地味な血統ながら繁殖牝馬としてはアベレージが高く、ゲンパチタキオン(父アグネスタキオン/OP)、ベビーネイル(父コロナドズクエスト/準OP)、レッドジャクソン(父ストラヴィンスキー/1000万下)など中央でデビューした産駒8頭中5頭が勝ち上がっている。本馬の父はサウスヴィグラス。ダート短距離で優れた成績を残している名種牡馬で、地方競馬のリーディングサイアーにも三度輝いている。「サウスヴィグラス×ブライアンズタイム」の組み合わせからはトーホウドルチェ(10年マリーンC-Jpn3)、サノイチ(OP)、サウスビクトル(準OP)などが出ており悪くない。ダート向きのマイラー。

ジェニアル(牡 栗東・松永幹夫 父ディープインパクト、母サラフィナ)
 15年のセレクトセール1歳で1億6000万円の高値で落札された。母サラフィナは現役時代、仏オークス(G1・芝2100m)、サンクルー大賞(G1・芝2400m)、サンタラリ賞(G1・芝2000m)など5つの重賞を制した名牝で、フォワ賞(G2・芝2400m)では日本から遠征したヒルノダムールをくだしている。母の父Refuse to BendはSadler's Wells産駒ながら、母方のスピードの影響を受けて英2000ギニー(G1)を勝つなどマイル戦を得意とした馬だった。とはいえ母サラフィナはスタミナ色の強い血統で、ヨーロッパの本格的なクラシック血統の影響を強く受けている。ディープインパクトとの間に誕生した本馬はサラフィナの初仔。軽いスピードを武器とするタイプではなく、芝2000m以上で底力を問われる展開となったときに強いタイプだろう。速い脚が使えるようなら大物だ。

タイムトラベル(牝 栗東・角居勝彦 父ダイワメジャー、母トーセンブリリアン)
 フェアリーS(GIII)を勝ったトーセンベニザクラの全妹。「ダイワメジャー×ホワイトマズル」は本馬のほかにダローネガ(11年デイリー杯2歳S-GII・2着)、ダイワミストレス(12年フェアリー-GIII・3着)などが出ている。ホワイトマズルに含まれるDroneがキーポイントで、母方にこの血が入るダイワメジャー産駒にはカレンブラックヒル(12年NHKマイルC-GIなど重賞5勝)、メイショウタマカゼ(13年ステイヤーズS-GII・4着)、サンブルエミューズ(13年フェアリーS-GIII・3着)、オメガホームラン(12年ジュニアC-OP)などがいる。姉と同様の活躍を期待したい。

テーオーメーテル(牝 栗東・清水久詞 父ゴールドアリュール、母シュガーハート)
 2016年の年度代表馬に選出されたキタサンブラック(16年ジャパンC-GI、16年天皇賞・春-GI、15年菊花賞-GI)の4分の3妹。父はブラックタイドからゴールドアリュールに替わった。母シュガーハートはキタサンブラックだけの一発屋ではなく、その前にショウナンバッハ(父ステイゴールド/16年アメリカJCC-GII・3着)を産んでいる。また、本馬のイトコにあたるアドマイヤフライトは日経新春杯(GII)で2着の成績がある。「ゴールドアリュール×サクラバクシンオー」はトップカミング(10年日経新春杯-GII・2着)をはじめスターバリオン(OP)、メモリアルイヤー(OP)などが出ている成功パターン。ゴールドアリュール産駒ながら芝でもやれる配合なので、兄キタサンブラックと同じように芝戦線で活躍できそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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