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ここは差せる脚のある馬を重視!/根岸S

  • 2017年01月25日(水) 18時30分

■根岸S(G3・東京ダ1400m)フルゲート16頭/登録19頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 短距離戦を使われてきた組から中距離戦に強い馬まで、さまざまなタイプが出走してくる根岸S。明暗がハッキリ分かれるのが、前走でダ1500m以下戦に使われていた組である。好走馬のほとんどが「前走3着以内」であり、前走で4着以下に終わっていた馬は大不振。前走5着であるタールタンは、今回ちょっと買いづらい面がありそうだ。

 前走でダ1600m以上戦に出走していた組の場合、前走着順は問われない。そのかわりにチェックしたいのが前走で走っていた競馬場で、こちらは武蔵野S組など東京で使われていた馬が非常に強い。また、こちらは単純に「上位人気馬」が強いのも特徴で、5番人気以内馬が[5-1-1-8]と好成績。カフジテイクやキングズガードのように、人気に推されそうな馬を狙うべきである。

【コース総論】東京ダ1400m

・コースの要所!

★人気馬の信頼度は「並」程度。7〜9番人気など穴馬の好走が目立つ。
★枠番の内外による差はそれほどないが、外枠のほうが少しだけ有利。
★直線の長い東京コースながら信頼度も回収率も先行勢のほうが高い。





 向こう正面からスタートして、コーナーをふたつ回るというオーソドックスなコース形態。オールダートでスタートから最初のコーナーまでも長いので、枠番による有利・不利が極端に出ることはあり得ない。しかし、レース結果は意外と紛れるケースが多く、7〜9番人気など人気薄が好調。10〜12番人気も侮れず、少しひねった馬券のほうが好結果を呼び込めそうな印象である。

 枠番別での成績は、やはりフラット。枠番による信頼度の差はほとんどないが、複勝回収率や枠番値に関しては「外>内」となっており、少しだけ外枠のほうが有利であるようだ。もっとも、各レース単位で影響が出るような差ではないので、実際にはほとんど気にする必要ナシ。内枠であろうが外枠であろうが、とくに気にせず買えるコースだ。

 直線の長い東京コースだが、ダート戦というのもあり、全体で見るとやはり前有利。クラスが上がるにつれて道中のペースが厳しくなり、差しが届くようにもなるのだが、だからといって差し優勢ではない。とくに目立つのが回収率の差で、人気薄での激走例は、その多くが前々で粘ってのもの。人気薄を狙うならば、先行勢に的を絞ったほうがいい。

【レース総論】根岸S(G3) 過去10年

・レースの要所!

★人気馬の信頼度は並以下。4〜6番人気や10〜12番人気など穴馬が好調。
★内枠が過剰に人気。回収率や枠番値で勝る外枠重視のスタンスを推奨。
★コースデータよりも格段に差し優勢。上がりが速い馬の強さも目立つ。
★7歳以上の高齢馬は[1-1-6-59]と連対率低め。実績よりも勢い重視で。








 平均配当は単勝1503円、馬連4266円、3連複2万2269円。連対馬は大きく紛れないが、昨年や一昨年のように、3着に人気薄が食い込んで高配当──という決着パターンが多い。また、人気サイドの信頼度が低めで、4〜6番人気や10〜12番人気など、穴馬の好走が目立っているのも特徴。中波乱あたりを想定して、馬券を組み立てるべきだろう。

 まず枠番データだが、目立っているのが内枠である馬番1〜4番のイマイチさだ。人気薄が2〜3着に来ているので複勝回収率は高いが、単勝回収率はわずか15%。勝率や連対率もかなり低めで、枠番値もマイナス0.7という低さである。対照的に好調なのが「やや外」である馬番9〜12番で、枠番値もプラス0.7と超優秀。儲けを狙うなら、外枠重視のスタンスで攻めたほうが、ここは面白そうだ。

 脚質面は、コースデータよりも格段に差し優勢。4コーナー11番手以下からでも9頭が馬券に絡んでいるように、後方からの追い込みもけっこう決まるレースである。目立っているのが速い上がりの重要性で、上がり最速〜2位馬は信頼度、回収率ともに文句なしの好成績。回収率トップが中団待機組というのは、かなり珍しい結果といえる。

 年齢別成績では、7歳以上の高齢馬がイマイチ。トータル[1-1-6-59]と3着にはけっこう来るのだが、連対率はたったの3%に過ぎない。馬券の主軸に据えるべきは、間違いなく6歳以下馬だ。あとは、交流重賞からのローテが不振で、最も期待できるのが中央G3からのローテであるのも、押さえておきたいポイントである。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 ダート戦だが最低気温は氷点下で、凍結防止剤の影響が出てきそう。

・天候予測
 今週は週末まで雨や雪の予報は出ていない。良馬場前提で問題なし。

・注目血統
 シニスターミニスター産駒◎、キンシャサノキセキ産駒○、ボールドルーラー系種牡馬の産駒☆

 東京競馬の開幕週で、しかもダート戦。どういった馬場になるかは、フタを開けてみないことには何ともいえない。ただし、週末にかけての東京はかなり冷え込みそうで、木〜金の最低気温は氷点下となる予報が出ている。土日も冷え込みは厳しいようで、ダートに凍結防止剤が散布される可能性が大。含水量が少ないので粘っこい馬場にはならないと思われるが、どのような影響が出るかは、土曜日の競馬で見定めておきたい。

 血統面は正直なところ「コレ」という存在が見当たらないが、目立っているのがボールドルーラー系種牡馬の強さ。それもあってシニスターミニスター産駒を◎としたが、タピット産駒のタールタンや、マジェスティックウォリアー産駒のベストウォーリアも侮れない。あとは、キンシャサノキセキ産駒も地味に強いので、要警戒。

★出走登録馬・総論×各論

 登録馬を見た段階から「なんじゃこの超難解なレースは」と頭を抱えた、今年の根岸S。netkeiba.comでの現在の予想オッズは、1番人気がカフジテイクで3.1倍、2番人気がベストウォーリアで3.6倍、ベストマッチョが3番人気で5.5倍となっている。レース当日の人気も、かなり割れそうである。

 行ければ行きたいという馬も多く、ハイペースとなる可能性も高そうな組み合わせ。というわけで珍しく、今回は「差せる脚」のある馬を上位にズラリと並べた。トップ評価は、武蔵野Sで3着、チャンピオンズCで4着という結果を残しているカフジテイク。極端な脚質だけに取りこぼす可能性も高いが、プロフィル面やローテなど、ここはプラス評価となった項目が非常に多い。人気でも、素直に信頼したい。

 二番手評価にキングズガード。こちらもカフジテイクと似たようなタイプで、仕掛けどころが難しい馬だが、高い能力の持ち主であるのは間違いなし。武蔵野Sからの直行組であるのもプラスで、血統面などの後押しもある。安定感があるのも大きな強みで、持ち味ををフルに生かせるこのコースならば、初重賞制覇も期待できそうだ。

 三番手評価にエイシンバッケン。前走のファイナルSでも素晴らしい末脚を見せたように、こちらも末脚のキレは相当なモノだ。東京ダ[1-1-1-0]とコース適性が高く、「前走ダ1500m以下のオープン特別で2着」しているのも好材料。この相手関係ならば、配当的な妙味も十分に期待できそうだ。配当面でのレース傾向から考えると、ここから入るのが正解となる可能性もある。

 以下は、ベストウォーリア、ベストマッチョ、タールタン、コーリンベリー、ニシケンモノノフ、ノボバカラ、ラストダンサーという評価の序列。このあたりはかなりの僅差で、最終的にはオッズとの相談になりそうだ。いずれにせよ、ここは「差し優勢」かつ「中波乱」という前提で馬券を組み立てたいところだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧



中山11レース アメリカJCC(G2)
1着 08タンタアレグリア
2着 10ゼーヴィント
3着 01ミライヘノツバサ

トップ評価と四番手の決着でハズレとは(#^ω^)ビキビキ

とはいえ、ゼーヴィント重視&リアファル軽視という見解は大正解。4コーナーを5番手以内で回った馬が上位独占というのも、近年のデータ通り。つまり、結局は「オマエの馬券が下手だ!」というという結論にしかならないんだよなあ。まあ、昨年よりはナンボかマシになってきてる気がしますが(錯覚)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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