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根岸もシルクも例年通りの3着穴狙いで大丈夫か?

  • 2017年01月26日(木) 12時00分


中央のダート重賞は激突感があるから、1・2・3人気のワンツーがほとんどない。
だからといって、1・2・3人気が負けるわけではなく、どれか1頭は勝ち負けする。その激突のおこぼれをちょーだいするのが4人気以下の馬。だから中央のダート重賞では人気馬と伏兵馬の組み合わせが有効だ。

チャンピオンズCとその前哨戦的重賞のみやこS・武蔵野S、フェブラリーSとその前哨戦的重賞の根岸S、みんなだいたいそうだ。
唯一、その傾向がゆるいのが東海Sだと思っていたら、今年は激突してしまった。

1人気-12人気-10人気

どうせ本命サイドで決着しても馬券は取れないし、当たったとしても大儲けなんてできないのなら、人気馬と伏兵馬の組み合わせをせっせと買ったほうがいい。
と、東海Sで散って、改めて思ったのだった。

根岸Sは2年前に1・2人気のワンツー、6年前に2・3人気のワンツーがあったけど、それ以外はないし、2年前も6年前も3着には二桁人気の馬が食い込んだ。やっぱり人気馬と人気薄の組み合わせを狙ったほうが有効に思える。

にしても、みやこSだ。

東海SでみやこSを2着したグレンツェントが1人気で1着して、みやこSを6着だったモルトベーネが12人気で2着した。

グレンツェントはともかくモルトベーネは人気薄で、この馬に注目できなかったことを激しく後悔した。なぜなら、昨秋のみやこSを走った馬がその後けっこう頑張っていたのを実感していたからだ。

アスカノロマンはみやこSを2人気で14着に負けたけど、チャンピオンズCでは10人気で3着した。
たとえば、アポロケンタッキーはみやこSを1着して、チャンピオンズCを5着して、東京大賞典を1着した。
たとえば、タムロミラクルはみやこSを9着して、ポルックスSを6人気で3着した。

実際、みやこS組を理由の1つと見立てて、東京大賞典もポルックスSもその2頭を買って、馬券も当たった。だからそこを重視するなら、東海SもみやこS組6頭の馬連ボックスでも買っておけばよかった。ボックスは無理でも、みやこS組で1人気のグレンツェントから他の5頭に流すくらいの気持ちの余裕は欲しかった。

しかし、それはできなかった。みやこSをナイガシロにしたわけではない。ただ6頭もいたから、グレンツェントやアスカノロマンやロワジャルダンを大事にしすぎてしまった。そしたら、グレンツェントとともにやって来たのはみやこS6着だったモルトベーネで、アスカノロマンは8着、ロワジャルダンは14着に負けてしまった。ついでに言えば、みやこS10着だったカゼノコもあわや馬券圏内の5着に走った。

人気に連続で応えた馬(グレンツェント)がいたり、人気薄で好走して、人気で裏切ったり(アスカノロマン)、人気薄で好走したり(モルトベーネ)、伏兵で好走したり(タムロミラクル)、人気になって裏切ったり、特に変化はなかったりと、去年のみやこS組の次走は様々だ。

きっとちゃんとした理由があって、期待通りに走ったり、期待以上に走ったり、期待を裏切ったりするのだろうけど、自分はこういう場合はそこの分析をすっ飛ばして、こう思ってしまう。

昨秋のみやこSはミステリーだ。

以下は、みやこSを走った馬のその後。

1着アポロケンタッキー→チャンピオンズC7人気5着→東京大賞典5人気1着
2着グレンツェント→師走S1人気1着→東海S1人気1着
3着ロワジャルダン→チャンピオンズC9人気8着→東海S5人気14着
4着モンドクラッセ→チャンピオンズC12人気10着
5着メイショウヒコボシ→浦和記念4人気4着→名古屋GP6人気6着
6着モルトベーネ→東海S12人気2着
7着キョウエイギア
8着インカンテーション→東海S4人気12着
9着タムロミラクル→ポルックスS6人気3着
10着カゼノコ→東京大賞典6人気7着→東海S11人気5着
11着マイネルクロップ→ベテルギウスS9人気7着→東海S15人気10着
12着サクラエール→すばるS10人気12着
13着ラニ→チャンピオンズC8人気9着
14着アスカノロマン→チャンピオンズC10人気3着→東海S2人気8着
15着ナリタスーパーワン→霜月S11人気14着→地方移籍
16着メイショウイチオシ

うむ、なかなかにミステリーだ。着順に関係なく走ったり、裏切ったりだ。
こういう場合は、謎解きをしようなんて考えずに人気薄なら拾っておくくらいのスタンスでいるのが一番いい。

たとえば、今週の根岸Sにも昨秋のみやこSに出走していた馬が登録している。
みやこSを逃げて4着(5人気)に頑張ったモンドクラッセだ。次走のチャンピオンズCも逃げて10着に負けた。だからであろう。根岸Sでの予想は現在12人気(1400が初というのも人気薄の原因だろうけど)。

人気なし! ならば拾っておこう!
それくらいでいいはず。

でも、ミステリーを前にして、謎解きにまるで参加しないのもどうかと思う。だから一応、走った馬とそうでもない馬の共通項がないかはチェックしておく。

ん〜〜なんだか若い馬の方がその後頑張っているように見える。

みやこS以後好走した馬
アポロケンタッキー 4歳
グレンツェント   3歳
モルトベーネ    4歳
タムロミラクル   4歳

不人気で好走し、人気で凡走したり、馬券にはなってないけどまあまあだったりの馬
アスカノロマン   5歳
カゼノコ      5歳
メイショウヒコボシ 5歳

そこそこの人気で裏切った馬
ロワジャルダン   5歳
インカンテーション 6歳

特になにもかわってない馬
マイネルクロップ  6歳
サクラエール    5歳
ラニ        3歳
ナリタスーパーワン 7歳

ラニはまだ未知数として、3、4歳の馬はみやこSが肥やしになって、5歳の馬は一時的に刺激を受けた馬もいれば、なんの刺激も受けなかった馬もいて、6歳以上の馬はなんの刺激も受けてない……そんな感じだ。
(モルトベーネは東海Sが最大の買い時だった!? ひぃ〜!)

おっと、モンドクラッセは5歳だぞ。5歳は走ったり走らなかったりの境界線にいる世代だ。さて、どうしよう。

距離が足りないと思えばスルーでいい。
ミステリーだと思えば拾えばいい。

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根岸S・注目馬
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ブルミラコロ
ラストダンサー
コーリンベリー
×
上位人気馬

根岸Sで穴をあける馬は、先行馬か中団後方(10番手くらい)の馬が多い。
今年は、モンドクラッセが逃げを打ててしまえるかもしれないメンバー構成(先行はしたいけど、逃げたくはない馬が多い)で、ならば、去年のグレープブランデー(10人気3着)や4年前のセイクリムズン(10人気3着)や5年前のトウショウカズン(9人気2着)のような3、4番手を追走して粘り込めるかもしれない人気薄を買いたくなる。

人気のベストウォーリアやベストマッチョやニシケンモノノフが5、6番手を追走してくれるとありがたい。この2頭が壁になってくれるとペースも落ち着くかもしれないからだ。

レース後に人気の差し馬に騎乗した騎手たちから「重賞でこのペース(遅い)では届かない」というコメントが出ればしめたもの。

上記3頭は、予想オッズを見て見繕った。
人気がなさそうで、かつ先行しそうな馬たち。ノボバカラもいいと思ったけど、予想では7人気だったので、やめた。実オッズで人気を落としていたら上記3頭と入れ替えてもいい。

モンドクラッセには頑張って逃げてほしい。ミステリーだとは思ってるので、ヒモでは拾うけど、ここではない気がしている。


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シルクロードS・注目馬
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4歳馬とローレルベローチェ、ヒルノデイバロー


ここ6年二桁人気の馬がずっと絡んでいる。

11年 2着アーバニティ   14人気 単58.0
12年 3着ケンブリッジエル 16人気 単263.1
13年 3着メイショウデイム 11人気 単22.5
14年 3着リトルゲルダ   13人気 単143.2
15年 3着セイコーライコウ 12人気 単36.7
16年 3着ワキノブレイブ  11人気 単90.9

単オッズを見ると、どんなに人気のない馬にもチャンスが潜んでいるような気になる。
単100倍以上の馬もいれば、人気薄の牝馬もいれば、人気薄の高齢馬(8歳)もいる。
っていうか、な〜〜んも考えずに11人気以下の馬をぜんぶ買っておけば間違いない、少なくともこの6年は間違いなかったと思える。

では今年はどうか?
今年は最大でも14頭立てで、16頭立て以上の例年とは違うのが少々気になる。

人気も例年とは違う感じだ。

このレースはたいてい、4歳馬が1人気になって、期待を裏切る。
4歳1人気 1-1-0-6
5歳以上1人気 1-0-0-1

4歳で勝ったのはロードカナロア、2着はレディオブオペラ。それ以外は人気を裏切っている。っていうか、そもそも4歳馬が馬券になりにくい。この10年で馬券になったのもロードカナロアとレディオブオペラのみ。4歳には厳しいハンデ重賞、それが例年のシルクロードS。

しかし、今年は4歳馬が例年より頑張れそうな雰囲気もある。
4歳で1人気になりやすいのは淀短距離Sを勝った馬で、今年はセイウンコウセイがそれにあたる。

しかし、セイウンコウセイの上に、ネロやソルヴェイグやダンスディレクターがいそうで、セイウンコウセイにはありがたい人気になりそう。

しかも4歳馬のハンデも例年より1キロ軽いようにも思える。
セイウンコウセイ 55(2年前、淀短距離を勝ったエイシンブルズアイは56だった)
ソルヴェイグ   54(重賞ホースだし55でもおかしくはない)
ブランボヌール  54(同じく重賞ホース)

ちなみに重賞未出走で、前走・淀短距離を勝ったレディオブオペラは55だった。ハンデは縦(例年)の傾向だけでなく、横(出走メンバー)の比較もあるから一概には言えないけれど、56より55、55より54の方がありがたいのではないか。

つまり、劣勢の4歳だけど、今年は例年よりは馬券圏内に頑張れそうとも言えるわけだ。

1人気 ネロ        57.5
2人気 ソルヴェイグ   4歳
3人気 ダンスディレクター 57.5
4人気 セイウンコウセイ 4歳
5人気 ブランボヌール  4歳

57.5キロの2頭が「+500g」にちょっとだけ苦戦すれば、4歳の出番もあるか? シルクロードSは人気薄が馬券に絡みやすいけど、1〜4人気の馬も馬券に絡みやすい。

そういうことを見越した上で、穴として、
ローレルベローチェ
ヒルノデイバロー
に注目してみたい。
(編集部注:ローレルベローチェは回避が決定)

ローレルベローチェは、2着した去年と同じ56というのがいい。それでいて人気は去年より低そう(去年は5人気、今年は予想8人気)。前走は58キロで逃げて7着。いい稽古になったのではないか。

ヒルノデイバローは去年のこのレースから芝に転向した。その時から1年。まだ一度も馬券に絡んでないけど、この馬は京都が好きそうなことが自身の上がりから垣間見える。

負けはしたものの上がり1位で追い込めたのが去年のシルクロードSと前走の淀短距離Sだからだ。どちらも京都で、京都はこの2走だけ。つまり、ここでも速い上がりを繰り出せる可能性があるわけだ。

問題は差し届くか?
今年は例年より確実に2頭は出走頭数が少ない。そこにチャンスが潜んでないか?

というわけで、穴は一番先頭にいそうなローレルベローチェと一番後方にいそうなヒルノデイバローとしてみた。予想人気のままで、4歳馬と絡んでくれれば、そこそこ美味しい気がする。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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