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傾向として4歳馬が弱いシルクロードS

  • 2017年01月27日(金) 18時00分


◆今年は上位人気になる4歳馬がいるが…

 過去10年のシルクロードSではとんでもない人気薄が2,3着に来るケースがよく見られたが、今年は13頭立てのうえ、さすがになにをどうやっても無理だろうという馬も数頭いるので、2ケタ人気馬が絡むようなケースは想定しないでもよいかもしれない。

 ただ、荒れる余地が無いかというとそんなことはない。このレースの傾向として4歳馬が弱いのだが、今年は上位人気になる4歳馬がいるからだ。

 過去10年の4歳馬は[1-1-0-30]。人気になる馬がいなかったわけではなく、1番人気馬8頭(うち2頭が連対)、2〜5番人気が計5頭いてこの数字だ。原因として思い当たるのは前走から斤量増となるパターンが多いことだが、それ以外のケースでも人気を裏切る馬は多い。

 今回その問題が立ちはだかるのはソルヴェイグだ。斤量増に加えて京都芝1200mははじめて。さらにデムーロ騎手のテン乗り。最近はスタートにムラがあるデムーロへのスイッチは良いかどうか微妙なところだ。函館を1分7秒台で走る馬だから京都は向く可能性もあるが、あくまでやってみないと分からない。

 セイウンコウセイも4歳馬。こちらは前走内容が気になる。前走は前半34.1-後半33.9を2番手から押し切り。シルクロードSもけっこう後傾ラップになることはあるレースだが、その場合馬群が凝縮して、結果として道中通過順が後ろの馬も絡んでくることが多い。

 逆にテンが速くなると重賞レベルでもつかどうかは未知数。ここは脚質的にバッティングするのが同馬主のネロだから潰しあいはないと思うが、内枠を引いたラインスピリットの出方もあるし、想定外の展開になった場合にオープン経験の少なさが仇になる可能性はある。

 そのネロは今回1番人気だろう。信用するならこちらのほうか。57.5キロの経験もあり、大きなリスクではない。ただ重馬場の前走は派手に勝ちすぎたきらいもあり(京洛Sの重馬場圧勝もあるので道悪得意の可能性もある)、そのパフォーマンスを根拠に人気が構成されてしまうのはおいしくない。この馬自身に妙味があるというよりは、消しづらい馬というイメージだ。

 ダンスディレクターは1400mを2戦使われたがもともと1200mも歓迎の馬だし、昨年のこのレースなど京都実績もある。57.5キロはネロと同じ条件だし問題ないはず。もし2頭の間に大きな人気差ができるとしたら、こちらのほうに魅力を感じる。

 セカンドテーブルは良馬場で前半が速めでも対応できる馬なので、積極的に前をつついていきたいところ。水口騎手に戻るので人気にはならないだろうが、この馬に乗った場合の水口騎手は常に人気以上に走っている。また、芝で一定以上の人気の馬に騎乗した場合の水口騎手は実は高回収率。配当妙味の面から追求したくなる馬だ。

 ブランボヌールは、先述2頭と同様に4歳馬であることのリスクが問題。ソルヴェイグもそうだが、斤量の絶対値が軽い形で重賞を勝った馬がここでそこそこ人気というのは、パターンとしては良くはない。個人的には、4歳馬は絡んでも1頭という前提で馬券を組み立てたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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