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波乱を前提に大胆な買い目で臨むべし!/東京新聞杯

  • 2017年02月01日(水) 20時00分

■東京新聞杯(G3・東京芝1600m)フルゲート16頭/登録14頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 1番人気が猛烈に弱く、波乱傾向が強い東京新聞杯。とはいえ、前走2ケタ人気や2ケタ着順から巻き返してくるケースは非常に少ない。信頼度の低さはデータをご覧のとおりで、前走2ケタ人気や2ケタ着順である時点で、大幅な割引が必要。ところが、今年はコレに該当する登録馬が過半数を占めているのだ。とくに、人気を集めそうなプロディガルサンやヤングマンパワーの扱いには注意が必要。過信は禁物といえる。

 詳しくは後述するが、東京新聞杯は7歳以上の高齢馬が不振なレース。「前走1ケタ人気かつ1ケタ着順の6歳以下馬」に限るだけでも、トータル[10-8-6-56]で複勝率30.0%、複勝回収率130%と、期待値はかなり高くなる。さらに期待できるのが「関東所属騎手」が騎乗の場合で、ただでさえ高い回収率はさらに向上。現時点では、ブラックムーン、マイネルアウラート、ロイカバードの3頭が要注目の存在といえそうだ。

【コース総論】東京芝1600m Dコース使用

・コースの要所!

★1番人気の勝率が非常に高いコース。複勝回収率なんと100%以上!
★枠番による成績差は小さいがベストは中枠。外枠は信頼度が落ちる。
★脚質は中団からの差しがベストも、追い込んで勝つのは至難の業か。





 多頭数のレースで目立っているのが、1番人気の猛烈な強さである。勝率35.7%、連対率60.7%は圧倒的な数値で、回収率も1番人気とは思えないほどの高さ。同じ人気サイドであっても、2〜3番人気とはまったく別モノの成績といえる。それ以外では、7〜9番人気や10〜12番人気もマズマズ。1番人気からのヒモ荒れを狙うのが、いちばん効率が良さそうなコースである。

 枠番データでは、それほど大きな偏りは見られない。信頼度の面では、外枠である馬番13〜18番が少し見劣るが、回収率が最も高いのも外枠。外が不利とは、一概に言えない面がありそうだ。複勝率と枠番値が最も高い中枠がベストだが、ぶっちゃけ1レース単位では、枠番を気にする必要はほとんどないはずだ。

 直線が長い東京の芝コースらしく、脚質は差し優勢。勝率、連対率、複勝率のいずれもトップで、回収率も先行勢とほとんど変わらない。ハナを切れそうな馬には相応の警戒が必要だが、馬券の主軸に据えるべきは、やはり差し馬だろう。ただし、後方から直線一気の追い込みを決めるのは至難の業。後方に置かれる可能性が高そうな馬は、人気でもかなり割り引いて考えたい。

【レース総論】東京新聞杯(G3) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気が最後に勝ったのは2007年。2〜3人気も含め人気馬は過信禁物。
★馬番1〜8番[8-6-7-57]と異様に内が強いレース。外枠に入ると厳しい。
★コースデータよりも先行優勢。7歳以上の高齢馬はかなり割り引くべき。
★前走中央G3組がイマイチの成績。前走重賞以外組の健闘が目立つ内容。








 レースの平均配当は、単勝988円、馬連1万1216円、3連複7万9107円と大荒れ。その最たる理由が、[1-1-1-7]と惨憺たる成績に終わっている1番人気の不振である。コースデータとは正反対の傾向で、最後に勝ったのは2007年のスズカフェニックスで、もし今年も敗れればなんと10連敗。さらに2〜4番人気の成績も冴えず、人気サイドは「嫌ってナンボ」といっても過言ではない。

 対照的に絶好調なのが、[4-3-4-19]で複勝率36.7%の4〜6番人気。同様に7〜9番人気も非常に強く、信頼度・回収率の両方が高いこのあたりから入る馬券が、最もオイシイ。2ケタ人気馬も4頭が馬券絡みしているが、こちらは拾うにしても2〜3着のヒモで十分。軸足を置くべきはやはり中穴で、ここから入る馬券に妙味があるのは間違いない。

 そして、枠番別成績もコースデータとはまったく異なる結果となった。とにかく「内」が強いレースで、単純に内外を比較したデータでも成績差は歴然。平均人気は8.3とまったく同じなのだが、平均着順にはなんと1.6もの大差が出ている。ちなみに、「4〜9番人気馬の馬番1〜8番」が馬券に絡まなかったのは、過去10年で2015年だけである。

 続いて脚質面だが、こちらも差し優勢だったコースデータとは違って、先行勢の健闘が目立っている。過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち、ちょうど半数である15頭が、4コーナーを5番手以内で回った先行勢だった。中団や後方からでも届くが、ある程度は前のポジションを取れる馬のほうが、信頼度は高いはずだ。

 年齢別成績もかなり極端な結果に。4〜6歳はいずれも好調なのだが、これが7歳以上の高齢馬になるとサッパリ。昨年は7歳馬のエキストラエンドが2着に粘ったが、これはかなりのレアケースである。あとは、最も出走数が多い「前走中央G3組」も不振で、これならオープン特別や準オープン勝ちからのローテを狙ったほうが面白い。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きDコース。差しや追い込みが決まりまくる差し優勢の馬場バイアス。

・天候予測
 日曜日の降水確率が高く道悪となる可能性も多少アリ。良〜稍重を想定。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ダイワメジャー産駒○

 思いっきり差しバイアスだった、先週の東京芝コース。ただでさえ差しが決まりやすいコースなわけで、おそらく今週も同様の傾向になりそうだ。日曜日に雨が降るとしても、一気に道悪になるとは思われず、おそらくあって稍重程度。かなり決め脚が要求されるレースになりそうである。

 血統面は、ディープインパクト産駒とダイワメジャー産駒をプラス評価。ほかにはとくに目立った成績を残している種牡馬は見当たらず、回収率ベースの比較でも、ステイゴールド産駒が「やや高め」程度である。あとは「母父サンデー」の血統馬が好成績を残しているレースだというのも、一応は覚えておきたいポイントだ。

★出走登録馬・総論×各論

 現時点で鞍上が発表されていない登録馬が多く、ダッシングブレイズやトーキングドラムなどの評価が難しい側面アリ。また、波乱傾向が非常に強いレースであるのは間違いなく、おそらく1番人気となるエアスピネルの扱いも難しい。レース直前まで、ウンウン唸らされそうな一戦である。

 トップ評価はブラックムーン。京都金杯では3番人気に推されるも9着に終わったが、2走前には今回と同コースのキャピタルSを制している、侮れない1頭である。決め脚の鋭さも文句なしで、内田博騎手が騎乗予定と冒頭の「特注データ」該当馬になりそうなのも大きなプラス。レース傾向にもピッタリとマッチする。

 二番手評価にブラックスピネル。前走の京都金杯ではエアスピネルにハナ差の2着と、やはり力があるところを見せた。もともと現4歳世代でもトップクラスの能力馬であり、東京コースにも向きそうなタイプといえる。この中間もしっかり乗り込まれており、デキもまったく問題ないはず。前走以上も十分に期待できそうだ。

 三番手評価にマイネルアウラート。オープン特別を現在連勝中で、4走前には重賞の富士Sでも差のないレースをしている。こちらも冒頭の「特注データ」該当馬であり、適度に人気がなさそうなのも好印象。前々で流れに乗るタイプなので脚質面がどうかだが、それでも一発があっておかしくないプロフィルの持ち主といえる。

 四番手評価にエアスピネル。前走の京都金杯は菊花賞からの大幅な距離短縮だったが、それを56.5キロのハンデを背負って勝ち切るのだから、立派なモノ。おそらくこの馬が1番人気となるが、気がかりなのはその点くらいなものだ。「母父サンデー」という血統面での魅力もあり、やはり軽くは扱えない1頭である。

 以下は、ロイカバード、ダイワリベラル、ダッシングブレイズ、プロディガルサン、ヤングマンパワーという評価の序列。ただし、トーキングドラムは鞍上次第で「特注データ」該当馬に変身するので、その場合は大幅に評価が上がる可能性アリだ。また、枠番の影響が非常に大きなレースであるというのも、これまでに解説した通り。ブラックムーンやマイネルアウラートには、ぜひ「真ん中より内の馬番」を期待したいところだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧




東京11レース 根岸S(G3)
1着 03カフジテイク
2着 05ベストウォーリア
3着 13エイシンバッケン

また1着3着でござるか(#^ω^)ビキビキ

というわけで、掲示板5頭のうち4頭までが「2枠と7枠」だったのにハズレ。トップ評価が勝って、四番手評価が2着、三番手評価が3着という結果なら、キッチリ獲らなきゃいけないんですけどねえ。いやもう我ながら、ホントに馬券が下手すぎる(自嘲)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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