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NARグランプリ2016

  • 2017年02月04日(土) 12時00分


◆ひときわ“オーラ”を放っていた武豊騎手

 2月第1木曜日直後の当コラムは、例年どおり「NARグランプリ」がテーマ。なぜなら、毎年その日に表彰式と祝賀会が行われ、私が司会を務めさせていただいているからです。

 今回の「NARグランプリ2016」では、コパノリッキーがダートグレード競走特別賞馬に選ばれ、馬主のDr.コパさんにトロフィーが贈呈されました。コパさんが会場にいらっしゃったのは、ラブミーチャンが4歳以上最優秀牝馬と最優秀短距離馬に選出された「2013」以来3年ぶり。昨年終盤のレース内容は今イチでしたが、「まだまだ頑張ってくれるでしょう」と、明け7歳となった愛馬のさらなる活躍に期待を寄せていました。

 コパさんの登場に加え、宮下瞳&木之前葵両騎手の“競演”などもあって盛り上がった今年の「グランプリ」。このところ地方競馬の馬券売上も好調続きで、数年前に比べると実にいい雰囲気になってきたような気がします。

 そんな中、ひときわ“オーラ”を放っていたのが武豊騎手でした。今回、武騎手は、去年の浦和記念の優勝でダートグレード競走通算100勝を達成して特別賞を受賞したほか、コパノリッキーの主戦騎手として同馬の表彰で登壇。さらに、特別表彰馬に選出されたイナリワンにもゆかりのあるジョッキー(同馬が中央入りした後、1989年の天皇賞・春と宝塚記念で手綱を取って優勝)ということで、その表彰でもステージに上がりました。

 これまでの「グランプリ」でも、自身が特別賞を受賞した時や、お手馬がダートグレード競走特別賞馬に選出された際に登壇してきた武騎手ですが、こんなに何度も舞台に立ったのは初めてかもしれません。

 で、ここからは武騎手にまつわる記録の話です。当日、武騎手にインタビューするコーナーがあったので、そのための下調べをしていたら、あることに気が付きました。去年、武騎手はコパノリッキーでかしわ記念初制覇を果たしました。これで今、地方で開催されているGI/JpnI全10レースのうち、同騎手がまだ勝ったことがないのはJBCレディスクラシックだけになったのです。

 もちろんこれは、各レースがGI/JpnIとして実施されるようになってからのこと。JBCレディスクラシックはまだ6回しか行われていない新しいレースで、これが残っているのは仕方のないことかもしれません。武騎手にその話をすると、「そうだったんですか。じゃあ、獲りたいですね」と意欲を見せてくれました。

 そうそう、武騎手のJRA全GI制覇は、これまでは朝日杯フューチュリティSを残すのみとなっていたのですが、今年から大阪杯とホープフルSがGIに昇格したため、あと3つになってしまいました。こちらは本人も認識しているはず。それにしても、王手をかけていたのに“3歩”も後退しちゃうなんてねぇ。

 なにはともあれ、前人未踏の“中央・地方GI/JpnI完全制覇”に向けて、武騎手にはまだまだ頑張ってもらいましょう!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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