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種牡馬ハーツクライに注目/クイーンC

  • 2017年02月10日(金) 18時00分


◆スピード能力が乏しいなどということはありえない牝系

 今週は種牡馬ハーツクライ(16歳・父サンデーサイレンス)に注目。多くの種牡馬はだいたい脂の乗り切った15〜16歳ごろに、代表産駒となるような活躍馬を送ることが多いが、ハーツクライの現3歳世代は確かに駒がそろっている。

 このクイーンCには「1番トーホウアイレス、7番ディヴァインハイツ、15番アドマイヤミヤビ」を出走させ、日曜の共同通信杯には「1番スワーヴリチャード、9番チャロネグロ」が挑戦する。みんな印のつく馬である。

 1月21日の若駒Sを勝った牡馬アダムバローズ。昨秋のアルテミスSを勝ち、阪神JFを2着した牝馬リスグラシュー。1月7日の寒竹賞を強烈な内容で勝った牝馬ホウオウパフューム。さらには公営で地方重賞4勝を含め【6-0-0-1】の牝馬ヤマミダンスなどもハーツクライの3歳の手駒であり、これから活躍しそうな馬がそろっている。

 同じ2010年に産駒がデビューしたディープインパクト(15歳)には、さまざまな種牡馬成績でかなわないが、ジャスタウェイ、ワンアンドオンリー、ヌーヴォレコルトなどにつづく活躍馬が出現しそうなムードである。

 クイーンCは、【2-1-0-0】のアドマイヤミヤビ(母の父クロフネ)に期待したい。前回、東京2000mの百日草特別を上がり33秒5(推定11秒9-10秒8-10秒8)で快勝しているから、今回のマイルより2000m級の方が合っている可能性は否定できないが、阪神1600mの未勝利戦では楽々と上がり33秒7で伸びて完勝している。ハーツクライ産駒には非常に珍しい芦毛馬であり、その芦毛を伝える母の父クロフネは、種牡馬となってからはマイラータイプの父である。

 祖母ライクザウインド(父デインヒル)は、ディープインパクトの半姉。スピード能力が乏しいなどということはありえない牝系。桜花賞だけでなく、オークスにも有力馬として挑戦できるようなクイーンCになることを期待したい。

 そのディープインパクト産駒のフローレスマジック(ラキシスなどの下)と、全体時計は平凡でも新馬1600mを圧勝したコマノレジーナ(父ドリームジャーニー)が相手本線。コマノレジーナは地味そうに映るが、3代母リンデンリリー、祖母リンデンジョオーなので、1月の京成杯を勝った牡馬のクラシック候補コマノインパルス(父バゴ)と、いとこの間柄である、なおかつ、コマノレジーナは大種牡馬サンデーサイレンスの〈3×3〉でもある。

 大穴は、前回はフロック勝ちのようにも見えたが、菜の花賞で2勝目を挙げたあと、動きがまるで一変したように感じられるスズカゼ(父ディープブリランテ)。4代母ロッチバージ(父ファバージ)は皐月賞馬ハードバージの全妹。スターロッチ(有馬記念など9勝)から発展する大変な名牝系の出身馬だった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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