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【フェブラリーS】『第2回 血まみれのアクシデント』井上オークスが贈る〜メイセイオペラ物語〜

  • 2017年02月14日(火) 18時01分
GIドキュメント

▲赤い明正メンコがトレードマーク(撮影:森内智也)


マイナー血統の小さな馬が、地道に力を蓄え、やがて連勝街道を歩み始めた。そして名手・菅原勲を背に、東北3歳世代の頂点に立った。地元に敵なし。メイセイオペラは東北を飛び出して、より大きな舞台へ羽ばたくことになった。その矢先に……最悪のアクシデントに見舞われてしまう。(取材・文:井上オークス)

※本企画は2月13日(月)〜17(金)、5日連続公開します。


(前回のつづき)

あの頃のオペラには戻れないのかもしれない


 1997年9月23日、早朝。水沢競馬場の馬場で調教に精を出していた柴田洋行厩務員(当時)は、同僚から知らせを受けた。

「オペラが大変なことになった。早く厩舎に戻れ!」

 まったく状況がつかめなかったが、あわてて佐々木修一厩舎へ向かう。するとメイセイオペラが、血まみれになっていた。洗い場に繋がれて、ガタガタ震えている。

 朝一番に馬房を覗いたときは、なんの問題もなかったのに。大人しくて、とても扱いやすい馬なのに……。愛情を注いできた担当馬の痛ましい姿を見て、二十歳の若者は茫然と立ち尽くした。その日は仕事にならなかった。

 メイセイオペラはこの朝、ユニコーンステークス(JRA・東京)に向けて1週前追い切りを予定していた。オペラが馬場に現れないことに首を傾げていた菅原勲騎手も、知らせを受けて佐々木厩舎に駆け付けた。そして血まみれのオペラを目の当たりにして、言葉を失った。

 右目の周りが酷く腫れた。何日も鼻血が止まらず、飼い葉も食べなくなった。診断は「前頭骨の骨折」。馬房で体を横たえた状態から起き上がるとき、右目の上をどこかに強くぶつけたようだ。不可抗力の事故だった。

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▲怪我の前と後の写真を並べると、右目の上の陥没がよくわかる(撮影:森内智也)


 幸い、脚元は無事だった。一時は失明も危ぶまれたが、視力に影響がないことがわかった。

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