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カフジテイクのデキはいかに? フェブラリーS有力馬追い切りチェック!

  • 2017年02月15日(水) 18時00分


混沌とした雰囲気のレースだけに波乱になる可能性が大

 今週はJRA最初のG1レース、フェブラリーS。昨年の覇者モーニンや昨年のチャンピオンズカップを勝ったサウンドトゥルーなど、実績ある馬が揃うことで面白いメンバーになりそうですが、前者は中間にアクシデントがあり、後者は乗り慣れたジョッキーが騎乗停止。前走根岸Sを福永祐一騎手で圧勝したカフジテイクもジョッキー負傷で乗り替わり。なんだか混沌とした雰囲気のレースとなりそうなだけに、波乱になる可能性が大。それを調教から見極めることができればよいのですが。

 そんな弱気になってしまうのも、メインレースでの予想の精度の低さ。ウマい馬券を参考にしてくださっている方には本当に申し訳ないくらい。クイーンCのアドマイヤミヤビくらい抜けた能力であれば、きっちり勝ち切ってくれるのですが…。フェブラリーS以外にも重賞たくさんの今週末こそ、なんとかお役に立てる予想をしなくてはいけませんね。

【フェブラリーS/カフジテイク】

 15日15時現在のnetkeiba.comの予想オッズが1番人気。前走の勝ちっぷりはもちろん、3走前武蔵野Sで3着している実績を考えると、未知の魅力として期待するのは当然。個人的に、ここまで6戦連続して左回りを使い続けているという点は大きなアドバンテージになるとも思っています。

 中2週の今回ですが、1週前追い切りもきっちり時計を出し、2月12日の日曜日は左回りのCWで6Fから時計を出しています。そして最終追い切りは単走とはいえ、4F52.1秒と自己ベストに0.2秒差に迫る時計。津村明秀騎手が跨っていましたが、手応えには終始余裕があり、楽に時計が出たという印象です。状態に関しては申し分ないだけに、あとはいつも通りの決め脚を炸裂させることができるかどうか、それだけでしょう。

カフジテイク(2月14日撮影)

状態に関しては申し分ないカフジテイク(2月14日撮影)


【フェブラリーS/ゴールドドリーム】

 前走12着で初めての馬券圏外。左回りも距離も経験済みなのに大敗したという点については、いろんな見方があると思いますが、個人的には競馬予想TV!でも話したように、4F50.8秒と速い時計をマークしたことは、チャンピオンズCを走るにあたっては決してプラスにならないだろうと思っていました。

 レース間隔をあけて、この中間はかなり静かな調整。最も速い時計も1週前追い切りの4F52.1秒にとどまっています。そして最終追い切りはCW。これはユニコーンS1着時以来ですが、当時と同じように併せ馬ではきっちり先着。時計は速くなりましたが、馬場差を考慮すれば、極端に速い数字ではありません。15日15時現在のnetkeiba.comの予想オッズが2番人気という評価には正直驚いていますが、今回は前走のような不甲斐ない結果に終わることはないでしょう。

ゴールドドリーム(2月14日撮影)

不甲斐ない結果に終わることはないであろうゴールドドリーム(2月14日撮影)


【フェブラリーS/モーニン】

 昨年の覇者ですが、今年はチャンピオンズCからのローテーション。それだけなら特に問題ありませんが、既報の通り、中間にフレグモーネがあったというところが問題。これにより、追い切り本数が少なくなっている事実はありますが、1週前の追い切りを見るかぎりはこれを気にしなくてよいと思える動きを見せてくれました。

 それを確信にしたのは、最終追い切り。4F50.4秒は0.1秒だけですが、自己ベストを更新する時計。しかもテンから飛ばしたわけではなく、2F23.7秒と終いがしっかりした内容でマークしたものですから、高い価値があります。この最終追い切りは日本テレビ盃2着時と同じだけに、状態に関しては中間のアクシデントは深く考える必要はないでしょう。

モーニン(2月14日撮影)

中間のアクシデントは深く考える必要はないモーニン(2月14日撮影)


【フェブラリーS/コパノリッキー】

 逃げることができなかった昨年のフェブラリーSなど、敗戦にはそれなりの理由がある馬。前走東京大賞典にしても、あんなスロー逃げではこの馬の持ち味が出ない、という見方でよいと思っています。もちろん7歳という年齢を考えれば、衰えもあるだろうという意見は否定しません。なぜなら、衰えが調教ではなかなか判断できないので。ただ、この中間も活発な動きを見ていると、決してパフォーマンスが落ちる衰えがあるとは思えません。

 特に1週前追い切りが絶品でしたが、最終追い切りは坂路。村山明調教師からは「気合を乗せるために併せ馬をやることを主眼に置きましたが、CWでそれをやると時計が出すぎるので」と聞くことができました。最終追い切りが坂路は2015年JBCクラシック1着以来なので、決して悪いわけではありません。まして、馬なりで併せ馬に先着したわけですから、この追い切りが起爆剤になって、勝利につながるという可能性は大いにあります。

【フェブラリーS/アスカノロマン】

 前走の敗因について、担当厩務員にレース翌週に聞きましたが「全く走っていない」とのこと。それがあったからなのか、この中間の動きは非常に目立っています。特に2月3日に坂路で4F52.5秒を出したのは少し驚きました。翌週にはCWで速い5F時計。とにかく前走からの巻き返しが十分に考えられる状態です。

 それを確信した最終追い切りの内容。向正面を走っている時に昨年の東海S1着時の最終追い切りで感じたスピード感。実際の時計は少し遅めで6F83.2〜5F67.1〜4F52.9〜3F39.5〜1F13.1秒でしたが、とにかく自分から走る気持ちを出していました。その分、前肢がしっかりと伸びていましたし、昨年より攻め強化した今年は高く評価したいと思います。

アスカノロマン(2月15日撮影)

昨年より攻め強化した今年は高く評価したいアスカノロマン(2月15日撮影)


◆次走要注意

・2/12 3歳未勝利【スリーソードシチー】(10人/10着)

 スタートが普通なので、外枠で位置取りが後ろになったことは仕方なし。3コーナー手前でラップが遅くなった時に位置を上げることができればよかったのですが、それもできなかったので、この着順は仕方ないでしょう。

 忙しい距離よりもマイル以上でゆったりと走ることができれば、いつかはチャンスがくるはず。その目安として、最終追い切りでの加速ラップを挙げておきます。

[メモ登録用コメント] [芝マイル以上]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・2/12 4歳上1000万下【ストリートキャップ】(8人/10着)

 パドック、返し馬ともに文句ない状態。ただ、後方からのレースで上がり勝負になっては出番なし。着順が悪くなった点については、考慮すべきレースでしょう。

 次走も最終追い切り美浦坂路でラスト1Fが最速になるラップを踏むことができていれば、馬場と展開次第で勝ち負けに加わることができます。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【エイシンルーク】
 酒井学騎手が跨ったCWでの追い切りは3頭併せの最後方。かなり大きく追走しただけに、きっと追いつかないだろうというのが私のイメージ。ところが3コーナーあたりから差を詰めて、最後の直線は最内。あっさりと前2頭を追い抜いて、マークした時計は6F79.7秒。4F49.4秒も素晴らしく速く、潜在能力は相当高いと思います。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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