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大きく紛れるケースはない!/弥生賞

  • 2017年03月01日(水) 18時00分

■弥生賞(G2・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録15頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 詳しくは後述するが、弥生賞は人気馬が順当に強いレース。この傾向が最もよく現れているのが前走での人気別成績で、前走で1番人気に推されていた馬は、トータル[6-4-2-15]で連対率37.0%、複勝率44.4%と高信頼度だ。回収率も単勝122%、複勝95%と非常に高く、これだけで「買い」といえる内容。前走人気が今回の結果に直結するレースといえる。

 前走で3番人気以内に推されていた馬については、前走がオープン〜重賞か、それとも条件戦であるかで、大きな成績差が出ている。同様に、今回の馬体重が480キロ以上であるかどうかも重要。この両条件を満たすような馬なら、好走が高確率で期待できるはずだ。特注馬は、前走の京成杯を1番人気で制している、コマノインパルス。次点がカデナ、グローブシアター、ダンビュライトだ。

【コース総論】中山芝2000m Aコース使用

・コースの要所!

★意外なほど紛れはなく、1番人気など人気サイドが好成績なコース。
★成績がいいのは内ではなく外。複勝率や回収率は外枠が最も高い。
★中団から差す馬の取りこぼしが目立つ。基本的には先行勢が優勢。





 2回の坂越えがあるなど、高い能力なしでは勝ち負けできないタフなコース。中山芝というだけで荒れそうなイメージだが、1番人気は[25-18-11-26]で複勝率67.5%をマークと、その信頼度はかなり高い。総じて人気サイドが強い印象で、無理な穴狙いは避けたほうが賢明だろう。

 意外だったのが枠番データ。なんだかんだで内枠が好成績になる──と読んでいたのだが、フタを開けてみれば、最も好成績なのは外枠である馬番13〜18番。勝率、連対率、複勝率のいずれもトップで、さらに回収率や枠番値まで優秀なのだ。外枠を理由に、評価を割り引く必要はまったくない。

 脚質面は、基本的に先行勢優勢。中団待機組と比較すると、連対率には2倍近くの大差が出ている。逃げた馬も相応に残っているように、ある程度は前に行けたほうがいいのは確実。中団待機組は[9-8-15-125]と、差し届かずに3着となるケースが非常に多いので、人気馬であっても過信は禁物だ。

【レース総論】弥生賞(G2) 過去10年

・レースの要所!

★コースデータ同様に人気馬優勢。1着が紛れるケースは狙いづらい。
★馬番1〜4番が絶好調。内枠に入った馬はかなりプラスと考えたい。
★逃げ馬は信頼度イマイチも先行勢は8勝14連対をマーク。前が有利。
★実績馬が順当に強いレース。芝1600mからの距離延長組に要注意。








 レースの平均配当は、単勝715円、馬連7111円、3連複1万1260円。馬連平均だけやや高めだが、それ以外はかなり低めの水準である。2番人気以内馬が過去10年で8勝しているように、順当決着傾向はかなりの強さ。2〜3着はそれなりに紛れているが、それでも2ケタ人気馬の連対例は1回(2013年・ミヤジタイガ2着)しかない。

 コースデータと大きく異なるのが、枠番別成績である。少頭数で行われた年もあるので当然ではあるが、それにしても内枠の強さが目立つ。馬番1〜4番はトータル複勝率42.5%、複勝回収率143%、枠番値プラス0.9と絶好調で、対照的に外枠はかなり不振だ。コースデータのほうが正確であり、実際はそこまで外枠不利ではないと思うが、ちょっと判断の難しいところである。

 脚質面はコースデータ以上に先行勢優勢。4コーナーを5番手以内で回った馬が[8-6-3-44]と、連対馬の過半数を占めた。複勝率ならば中団待機組も負けていないが、勝率や連対率の差を考えると、前のポジションを取れないとかなり厳しいはず。コースデータで見られた「中団待機組が3着に取りこぼす」という傾向を、忘れないようにしたい。

 驚いたのが、芝1600mからの距離延長組が強いこと。朝日杯FS組が強いのは当然だが、シンザン記念組や新馬戦からの格上挑戦組も勝ち負けしているように、実績馬でなくとも軽く扱えない部分がある。それ以外はものすごくフツーに、前走重賞組や前走上位人気馬など、実績馬が順当に強いというデータばかり。騎手の乗り替わりも大きなマイナスではなく、とくに気にする必要ナシだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 先週は土日ともに先行勢が勝ちまくり。内枠の先行勢が最も有利か。

・天候予測
 木曜日が雨模様だが週末の降雨はなさそう。良馬場前提でオッケイ。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハービンジャー産駒○、バゴ産駒▲、キングカメハメハ産駒△

 エアレーションの影響で開幕週から差し馬場か──と身構えていたのだが、先週の中山芝は土日ともに先行勢が勝ちまくり。今週も引き続きAコースなので、馬場バイアスの大幅な変化はないと思われる。前々で流れに乗れる馬を軸馬に選び、相手に先行勢〜中団待機組を選ぶのがよさそうである。

 血統面はディープインパクト産駒をトップに評価したが、侮れないのがバゴ産駒。連対率50.0%、複勝率78.6%とシャレにならないほど強く、ミュゼゴースト、ブラックバゴなど、2〜3歳戦で好成績をあげている馬が多いのも魅力的だ。出走予定のコマノインパルスも、このコースで[1-1-0-0]とパーフェクト連対中。あとは、ハービンジャー産駒もかなりの好成績である。

★出走登録馬・総論×各論

 15頭の登録があった今年の弥生賞だが、ブレスジャーニーの回避がすでに発表されており、最高でも14頭立てに。ちょっと小粒な印象があるメンバーだけに回避は残念だが、カデナ、コマノインパルス、ダイワキャグニー、グローブシアター、ダンビュライトなど、なかなか面白いメンツがそろった。

 トップ評価は、京成杯の勝ち馬であるコマノインパルスだ。中山芝実績、距離実績ともに文句なしで、さらに冒頭の「特注データ」該当馬でもあるという、いかにも好走が期待できそうな1頭。中団から差す脚質だけが気になるが、今年の有力馬はどれも同じようなタイプである。中山芝2000mで異様に強い、バゴ産駒であるのもプラス材料。信頼度はこの馬が最も高いと判断した。

 二番手評価にダイワキャグニー。前走のセントポーリア賞はハイレベルなメンバー構成だったが、そこを0秒3差で快勝。育成段階から評価の高かった馬だが、その強さを改めて実証した。スッと先行できる脚質はここでは大きな武器で、展開も味方につけられそう。無傷の3連勝が達成される可能性も、十分にありそうである。

 三番手評価にカデナ。netkeiba.comでの予想オッズは、現在のところこの馬が1番人気だ。2走前の百日草特別では、クイーンCを制したアドマイヤミヤビと僅差のレースをしており、前走の京都2歳Sでは重賞タイトルを獲得。混戦模様の現3歳世代牡馬で、トップクラスの能力を持つのは間違いない。

 四番手評価にグローブシアター。エピファネイアやリオンディーズの弟という超良血で、格上挑戦だった前走のホープフルSでも3着に好走している。ここが改めて試金石となりそうだが、爆発力のある血統だけに、格下といっても侮れない面がありそう。皐月賞の出走権獲得や賞金加算のためにも、ここは力が入る一戦となる。

 以下は、ダンビュライト、サトノマックス、マイスタイルという評価の序列。大きく荒れるレース傾向のレースではなく、また枠番の影響も大きくはなさそうなので、評価順に大きな変動はないはず。ここは「上位評価組でキッチリ決まる」という前提での予想をオススメしたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧



中山11レース 中山記念(G2)
1着 01ネオリアリズム
2着 05サクラアンプルール
3着 09ロゴタイプ

ワイド1-9が13.8倍もつくんかい(#^ω^)ビキビキ

というわけで、馬連で勝負して1着3着を食らったワケですが、なかなかアツかった。直線を向いたときには「もしや……デキたか!?」なんて思ってたんですけどねえ(遠い目)。ちなみに、阪神メインの阪急杯でも○▲のタテ目を食らって悶絶したのは秘密デスヨ。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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