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年に一度の大一番!ばんえい記念の栄冠は誰の手に?

  • 2017年03月07日(火) 18時00分
キタノタイショウ

今年のばんえい記念がラストランとなるキタノタイショウ(写真は2015年ばんえい記念優勝時)



大河原騎手「ベストに近い状態で挑めるので本当に楽しみ」


 今年もばんえい記念の季節がやって来ました!!一年に一度、シーズンラストに1トンの重さを曳いて戦うばんえい記念は、中央競馬でいう有馬記念と中山大障害を併せたようなドリームレースです。普段競馬を見ない方も有馬記念は見るように、普段ばんえいを見ない方でもばんえい記念は特別!さらに、中山大障害で全馬無事に大障害を越えるとファンから拍手が巻き起こるように、ばんえい記念も全馬無事にゴールしたところでみんなで拍手。大きな感動と一体感を味わえる、夢のレースなのです。

 3月20日(月)に行われるばんえい記念はまだ出走馬が確定していませんが、今年出場予定の有力馬の関係者にお話を伺いました。馬券検討の参考にしていただけたら嬉しいです。


 まず1頭目はキタノタイショウ。一昨年、悲願のばんえい記念制覇を果たし名実ともにトップに立ちました。長年ばんえい界を引っ張ってきたスターホースで、今回がラストラン。デビュー前からコンビを組む大河原和雄騎手にお話しを伺いました。

赤見:ばんえい記念がラストランなんですね!寂しいです…。

大河原:そうですね、僕も寂しいです。2008年のデビュー前からずっとコンビを組んできましたから。でも、ホッとしている気持ちもあるんですよ。まだレースは残っていますけど、引退後は種牡馬入りが決まったので、競走馬としては最高の形で次の道へいけるので。

赤見:本当に長い間一緒に戦ってきたわけですが、大河原騎手にとってどんな存在ですか?

大河原:先生ですね。本当にいろいろなことを教えてくれましたから。もともと相当な能力はあるなと感じていたんですけど、なんせ怖がりでね。体はデカいのに本当に気が小さくて(笑)。例えば水たまりがあると進まなくなるし、レース中隣の馬の手綱を見て怖がったり。その辺りは時間が掛かりましたね。上手くいかないことの方が多かったけれど、一つ一つ課題をクリアしてくれて、各世代のチャンピオンレースを勝ってくれたんでね。本当にすごい馬だと思います。

赤見:2歳シーズンでイレネー記念、3歳でばんえいダービー、そして9歳でばんえい記念を制覇してますもんね。いろいろな想い出があると思いますが、その中でも一番印象に残っているレースはなんですか?

大河原:やっぱりばんえい記念を勝った時ですね。本当はその前の年に勝たなきゃいけなかったんですけど、自分がケガをしてしまって、馬にも関係者にも迷惑をかけてしまいました。一年ばんえい記念を目指してやってきて、その直前にケガしたわけですから、本当に悔しかったです。そこからまた一年がんばって、やっと勝つことができた時には嬉しいというよりホッとしました。この馬に勲章を獲らせることができて、本当によかったです。

赤見:ばんえい記念を勝ったあとはなかなか本調子に戻らなかったそうですね。

大河原:やっぱりね、1トンを曳くでしょう?普段よりも脚元が砂に深く入るんですよ。障害の入りなんて、力が入るから膝くらいまで砂に埋まりますからね。出場するだけでもかなり負担がかかる上に、そこで好勝負したとなると、ガクッと来ますよね。キタノタイショウの場合は疲れよりも蹄に来ちゃったんです。体を維持するためにムリして食べて、その中で負荷をかけるトレーニングをしたので。ばんえい記念を勝ったあとは、100キロくらい体が落ちてしまいました。そこから戻るまでに時間が掛かりましたね。

赤見:いよいよラストランのばんえい記念です。現在の状態はいかがですか?

大河原:ベストは1150キロ前後なんですけど、やっとそこまで戻りました!帯広記念でも2着に来ているように、力勝負はもってこいの馬だし、ベストに近い状態で挑めるので本当に楽しみです。ばんえい記念はファンの方々もものすごく声援を送ってくれるので、それが力になります。ぜひ、キタノタイショウの最後のレースを目に焼き付けて下さい!応援よろしくお願いします。


 2頭目にご紹介するのは、昨年のばんえい記念を制し、NARグランプリ2016ばんえい最優秀馬に選ばれたフジダイビクトリー。今期も岩見沢記念、北見記念、チャンピオンカップと重賞3勝を挙げています。連覇に挑むお気持ちを金山明彦調教師に伺いました。

フジダイビクトリー

昨年のばんえい記念を制し、連覇に挑むフジダイビクトリー(写真は2016年北見記念優勝時)


赤見:去年のばんえい記念は見事な差し切り勝ちでしたね!

金山:ありがとうございます。ニュータカラコマ(2着)がいい感じで先行していたんでね、これはもう差し切れないなと思いながら見ていたんですけど、松田(道明)騎手がいい位置で止めて息を入れてくれて、そのまま一気のスパートで先頭でゴールしてくれました。ヒヤヒヤしましたが、すごく嬉しかったです。ばんえい記念は一年に一度の大舞台ですし、このレースに出場する馬を育てるだけで大変なことですから、その中で勝てたことは最高に嬉しいです。

赤見:あれだけのレースをしましたが、今シーズンも重賞3勝。反動はなかったんですか?

金山:いや、ありました。春先は斤量の軽いレースが多いですし、スピード的に負けていたんですよね。立ち直るまでには少し時間が掛かりました。でもだんだん良くなって、9月の岩見沢記念の辺りに戻ってくれました。

赤見:ばんえい記念が近づいていますが、連覇に向けて意気込みをお願いします。

金山:周りからも、「連覇連覇」とプレッシャーをかけられています(苦笑)。ただね、先月のチャンピオンカップも勝ち切れましたし、すごくいい状態に持ってこられました。レースは何が起こるかわかりませんが、今の状態ならばいいレースをしてくれると思います。


 3頭目は帯広記念を連覇したオレノココロ。今回満を持してばんえい記念初参戦です。8年連続リーディングに輝く鈴木恵介騎手にお話を伺いました。

オレノココロ

8年連続リーディングの鈴木恵介騎手が手綱を取るオレノココロ(写真は2017年帯広記念優勝時)


赤見:いよいよばんえい記念初参戦ですね!

鈴木:7歳になって、年齢的にもちょうどいいと思います。去年チャレンジしてもよかったんですけど、1トンを曳くというのは精神的にも肉体的にも大変なことで、後遺症が残ったり、障害を越えるのがイヤになってしまったりするんです。なので1年待って、満を持してという感じですね。

赤見:この一年で成長を感じる部分はありますか?

鈴木:そうですね。若い時は軽い馬場でスピード勝負の方が得意だったんですけど、重賞ばかりを使って来て、高重量の力勝負の方が力を発揮できるようになりました。調教でもけっこう負荷をかけていますが、へこたれないでいい状態をキープしています。

赤見:では、ばんえい記念に向けて意気込みをお願いします。

鈴木:ばんえい記念は特別なレースなので、騎手として乗れることがとても嬉しいです。勝つのは簡単ではないですが、ファンの方々の声援も聞こえますし、いい勝負ができるようがんばります!

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常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

赤見千尋
1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミックシリーズ」の「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍中。

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