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フェノーメノの全妹ミラグレ

  • 2017年03月08日(水) 12時00分
≪3歳≫

オプティマイズ(牡 栗東・池添学 父ハーツクライ、母データ)
 母データは南米アルゼンチン産で、同国のG1で2着2回という好成績。母の父Royはチリでリーディングサイアー9回、アルゼンチンで2回の大種牡馬で、Fappianoを経てMr.Prospectorにさかのぼる系統。母方にFappianoを持つハーツクライ産駒は共同通信杯(GIII)を制したスワーヴリチャード、ストロングサウザー(ダート重賞2勝)、マジェスティハーツ(重賞2着4回)などコンスタントに活躍馬が誕生している。サンデー系の大物種牡馬+アルゼンチン牝系といえばサトノダイヤモンドやマカヒキなどが出ている。配合が噛み合えば芝中距離向きの大物となる可能性を秘めている。

パーセプション(牡 栗東・野中賢二 父ストリートセンス、母タッチII)
 父ストリートセンスは現役時代にケンタッキーダービー(米G1)、BCジュヴェナイル(米G1)、トラヴァーズS(米G1)を制した名馬で、マル外として日本に入った産駒にフリートストリート(13年エルムS-GIII)、ノウレッジ(12年新潟2歳S-GIII・2着)などがいる。現3歳世代の初年度産駒は好調で、現時点JRAで17頭の勝ち馬が出ており、ダート連対率は20%を超える。本馬は現1000万下のルナーランダー(父アドマイヤムーン)、伏竜S(OP)3着のタンジブル(父ディープスカイ)を兄に持つ。母タッチIIはPoker≒La Mesa 5×3で、2代母Caressは種牡馬Bernsteinの全姉にあたる良血。それに加えて「ストリートセンス×Pulpit×Storm Cat」という組み合わせはダート向きの高いポテンシャルを感じさせる。中距離のダートで楽しみな存在だ。

プリンセスタイム(牝 栗東・中内田充正 父エンパイアメーカー、母スターオブサファイア)
 母スターオブサファイアはザズー(11年ラスヴァージネスS-米G1、11年レディーズシークレットS-米G1)、Flashback(13年ロバートB.ルイスS-米G2)の全姉にあたる良血で、全日本2歳優駿(JpnI)で2着となったタップザットの4分の3同血でもある。デビューした兄2頭はJRAで勝ち星を上げていないが、配合が合えば大物を出してもおかしくない。父エンパイアメーカーは、その父Unbridledが持つDr.FagerとIn Realityのニックスを継続する形でDr.Fager≒In Reality 4・4×3として成功した。本馬はDr.FagerとIn Realityのニックスから成るUnbridledを2×4とクロスさせる配合。大胆でありながら理に適っており、吉と出れば重賞戦線を賑わす存在になってもおかしくない。

ミラグレ(牝 美浦・戸田博文 父ステイゴールド、母ディラローシェ)
 天皇賞・春を連覇したフェノーメノの全妹。母方の近い世代にデインヒルを持ち、なおかつRibot系のクロスを持つという配合はステイゴールドが大物を出すパターンのひとつで、ほかにナカヤマフェスタ(10年宝塚記念-GI、10年凱旋門賞-仏G1・2着)が誕生している。管理する戸田調教師は兄フェノーメノを「マメちん」と呼んで溺愛したが、妹も同様に可愛がることだろう。ディラローシェの子はフェノーメノを除いてこれといった活躍馬は出ていない。そのあたりは懸念材料で、おそらく完成するのも遅いタイプだろう。ただ、ハマれば長打が出る素材であるのは間違いない。芝向きの中距離タイプ。

ラディアントシチー(牡 美浦・斎藤誠 父ディープブリランテ、母ツルマルオトメ)
「タイキシャトル×Storm Cat」は成功しており、少ないサンプルからメイショウボーラー(05年フェブラリーS-GI、03年デイリー杯2歳S-GIIなど重賞5勝)、レッドスパーダ(14年京王杯SC-GIIなど重賞3勝)という2頭の重賞勝ち馬を出している。本馬の母ツルマルオトメも活躍馬の1頭で、フェアリーS(GIII)5着という成績がある。母は繁殖牝馬となった初年度にダイワメジャーと交配し、シンジュボシ(準OP)を産んだ。本馬の父ディープブリランテはディープインパクトが送り出した3頭のダービー馬のうちの1頭で、現3歳の初年度産駒からディーパワンサ、ナイトバナレット、スズカゼ、ジャストザマリンといった活躍馬を出している。母方に入るStorm Cat、Caerleon、Balladeといった血は2代父ディープインパクトと相性が良く、配合構成は悪くない。芝向きのマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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