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Fレビューと中山牝馬のベストポジションとプロディガルサンの人気

  • 2017年03月09日(木) 12時00分


弥生賞、チューリップ賞が終わると、なぜか3歳世代の重賞1人気の成績をまとめて眺めたくなる。

その年の3歳世代には人気を背負っても勝ち切れる馬がどの程度いるのか? 
1人気の成績は世代全体の特徴をつかんだり、足腰の強さをはかるバロメーターにもなるのではないか? なんて思い込んだりしている。

“それをするならせめてスプリングSや若葉SやフラワーCが終わってからでもいいんじゃないか!?”

たしかにそうだ。クラシックの大枠を掴むならそのほうがいいに決まっている。ただ、前哨戦の傾向を残りの前哨戦に活かしたいという欲求も出ているのか、なぜか弥生賞の終わった週に眺めてしまう。パブロフの犬、バカの一つ覚え、合体して、パブロフの一つ覚え。ワハー。

だから今年も自分のパブロフに従って、整理してみる。
今年の1人気はどんなかな!? とりゃ!

その前に、まずはここ4年のおさらい。

13年
1人気2-0-0-7
勝ったのはマイル路線の2頭のみ。あとは3着にも入れなかった。1人気をナイガシロにしやすかった。

シンザン記念  エーシントップ   1人気1着
フェアリーS  イリュミナンス   1人気4着
京成杯     フラムドグロワール 1人気10着
きさらぎ賞   リグヴェーダ    1人気8着
クイーンC   コレクターアイテム 1人気9着
共同通信杯   ラウンドワールド  1人気4着
アーリントンC コパノリチャード  1人気1着
チューリップ賞 レッドオーヴァル  1人気7着
弥生賞     エピファネイア   1人気4着

14年
1人気7-2-0-0
勝率.777!
ここまではパーフェクト連対だった!

シンザン記念  ミッキーアイル   1人気1着
フェアリーS  オメガハートロック 1人気1着
京成杯     キングズオブザサン 1人気2着
きさらぎ賞   バンドワゴン    1人気2着
クイーンC   フォーエバーモア  1人気1着
共同通信杯   イスラボニータ   1人気1着
アーリントンC ミッキーアイル   1人気1着
チューリップ賞 ハープスター    1人気1着
弥生賞     トゥザワールド   1人気1着

15年
1人気1-2-1-5
13年よりは馬券圏内ではマシだけど、不安定で、とらえ所がなかった。

シンザン記念  ダッシングブレイズ1人気4着
フェアリーS  カービングパス  1人気8着
京成杯     ブラックバゴ   1人気2着
きさらぎ賞   ルージュバック  1人気1着
クイーンC   ロカ       1人気3着
共同通信杯   ドゥラメンテ   1人気2着
アーリントンC ナヴィオン    1人気4着
弥生賞     シャイニングレイ 1人気7着
チューリップ賞 クルミナル    1人気11着

16年
1人気2-2-0-5
この年から騎手名も記してみた。ルメールとMデムーロの本格通年騎乗が始まったからだ。
で、1人気で連対した馬4頭の鞍上はルメールとMデムーロだった。

シンザン記念  ピースマインド(藤岡康)  1人気14着
フェアリーS  リセエンヌ(蛯名)     1人気7着
京成杯     ウムブルフ(Fベリー)   1人気5着
きさらぎ賞   サトノダイヤモンド(ルメール)1人気1着
クイーンC   メジャーエンブレム(ルメール)1人気1着
共同通信杯   ハートレー(横山典)    1人気9着
アーリントンC アーバンキッド(Fベリー) 1人気5着
弥生賞     リオンディーズ(Mデムーロ)1人気2着
チューリップ賞 ジュエラー(Mデムーロ)  1人気2着

この中から春のG1でも好走できたのは、サトノダイヤモンド(皐月賞3着・ダービー2着)、メジャーエンブレム(NHKマイル1着)、ジュエラー(桜花賞1着)の3頭。みな1人気で連対した馬たちだった。

1人気で連対すれば春のG1での好走が約束されるわけではない。16年以前の馬を見てもよくわかる。ただ、1人気で連対した馬(特に1着した馬)をナイガシロにできないこともよくわかる。

で、今年はこう。

17年
1人気5-2-2-0
今年は牝馬のレベルが高く、牡馬が少々脆弱と言われているけど、1人気は思った以上に頑張っている。14年ほどではないけど、馬券圏外0は立派だ。とはいえ、今年もルメールは2勝、Mデムーロも1勝している。

シンザン記念  ペルシアンナイト(Мデムーロ)1人気3着
フェアリーS  アエロリット(横山典)    1人気2着
京成杯     コマノインパルス(田辺)   1人気1着
きさらぎ賞   サトノアーサー(川田)    1人気2着
クイーンC   アドマイヤミヤビ(ルメール) 1人気1着
共同通信杯   ムーヴザワールド(戸崎)   1人気3着
アーリントンC ペルシアンナイト(Мデムーロ)1人気1着
弥生賞     カデナ(福永)        1人気1着
チューリップ賞 ソウルスターリング(ルメール)1人気1着

1人気の活躍と全体のレベルは一致するものではない。レベルの高い同士で凌ぎ合え
ば、1人気は強くても負ける。逆にレベルの低い中にも強さのヒエラルキーが存在していれば、1人気は勝つ。

今年はどんな年か?
1人気が馬券圏内にいるという点では、オール連対だった14年は参考になるか?

14年組の春のG1成績
1人気1着組
ミッキーアイル   NHKマイル 1人気1着
オメガハートロック 休養
フォーエバーモア  桜花賞3人気8着 オークス5人気11着
イスラボニータ   皐月賞2人気1着 ダービー1人気2着
ハープスター    桜花賞1人気1着 オークス1人気2着
トゥザワールド   皐月賞1人気2着 ダービー2人気5着

1人気2着組
キングズオブザサン 皐月賞11人気15着 NHKマイル12人気3着
バンドワゴン    休養

1人気1着組が本番のG1でも1人気に支持されていたら、勝ち負け。
2人気なら勝ち負けは五分五分。
そんな感じだ。

今年1人気1着している馬は以下の5頭。この5頭は、本番でも1人気に支持されるのならば、勝ち負けする5頭ということだ。

コマノインパルス  
アドマイヤミヤビ
ペルシアンナイト
カデナ       
ソウルスターリング

ソウルスターリングは桜花賞では1人気だろうな。桜花賞のレースっぷり次第だけど、出ればNHKマイルでも1人気になりそうだな。(これまた桜花賞次第だけど)ミスエルテと1人気を争うかな。

アドマイヤミヤビは桜花賞でいいレースをして、オークスにルメールで出走してきたら1人気になるかもしれないな。

カデナは皐月賞のレースっぷり次第ではダービーで1人気になるかもしれないな。いや、それでも1人気はないかな?

ペルシアンナイトはソウルスターリングとミスエルテ次第かな? ソウルスターリングとミスエルテがNHKマイルに出ていなくても、2人気か3人気っぽいかな?
コマノインパルスは、たとえ皐月賞で1着してもダービーで1人気になることはないだろうな。ただ人気薄になっていたら、逆にヒモで拾いたいような…(懲りない自分!)。

間違いなく1人気になりそうなのは、結局ソウルスターリングの桜花賞だけかな。
ん〜〜思ったより1人気になりそうな馬が少ないような…………。

まあ現時点ではこんなもんだろう。
とにかく上記した5頭が春のG1で1人気になったら、ナイガシロにしないようにしよう。

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フィリーズレビュー注目馬
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ここ10年の1着馬は、
3角3、4番手の馬か、4角11〜13番手の馬。

今年そういう競馬をしそうなのは、
予想1人気のレーヌミノル(3角3番手にいそう)と、
予想2人気のカラクレナイ(4角13番手くらいにいそう)。

レーヌミノルは前走、逃げて4着した。この日は平場でルメールが上手に逃げても最後に垂れるような日で、逃げ馬にはつらい一日だった。そういう意味ではレーヌミノルのクイーンCの逃げっぷりは強さを感じさせるものだった。

カラクレナイはMデムーロ騎乗で、そこが魅力。ちゃんとスタートできれば最後は必ず伸びてくるように思える。

上記2頭のどちらかの走りがハマると想定して、
アズールムーン 先行
タガノカトレア 差し
アンジュデジール?

理由は1着馬と同じような場所にいる馬がいっしょに来ることが多いから。
レーヌミノルが勝つなら先行系、カラクレナイが勝つなら差し系がいっしょに来やすい。で、なるべく人気のなさそうな馬をチョイス。

アズールムーンは逃げるか番手で競馬をしそう。関東馬は4〜6人気がちょーどいい。
タガノカトレアは初芝で結果的に差しになってしまうかもしれない。それがいい方に出ないかな。
アンジュデジールは差すか先行するかよくわからない上に抽選に通るかもわからない。でも父ディープインパクトだし、抽選に通ったら押さえておきたいな。

ちなみにフィリーズレビューは、長々と眺めていた3歳重賞の傾向にリンクしないことが多い。今年の1人気・レーヌミノルは1着、少なくとも馬券圏内の可能性は大だと思うけど。

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中山牝馬S注目馬
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トーセンビクトリー
デニムアンドルビー

中山牝馬のここ数年のベストポジションは3角10、11番手くらい。
だから毎年、その位置を狙いそうな馬を選ぼうとしているけど、なかなか難しい。
逃げ先行や、追い込みとは勝手が違うようだ。

実際、馬券圏内に好走している3角10番手前後の馬の前走脚質は先行だったりすることも多い。だから読むのが難しい。

というわけで、今年は10番手探しをあきらめた。
トーセンビクトリーとデニムアンドルビーにしたのは角居厩舎だから。

G1以外の重賞では、特に牝馬では無闇に遠征しない印象のある角居厩舎。
デニムアンドルビーはずっとG1戦線を歩んで来たから、G1遠征はたくさんしてるけど、G2、G3の関東遠征は3歳のフローラS以来だ。

トーセンビクトリーは条件戦とG1で東京遠征をしてるけど、G2、G3遠征は今回が初。東京では0-0-0-3の成績で、中山出走には何らかの意味があるとみた。

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金鯱賞注目馬
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プロディガルサン
ロードヴァンドール

4歳だから。

プロディガルサンはここでのレースっぷりが大事な気がする。

春本番は、大阪杯になるか、安田記念になるか、エプソムカップになるか。
そして、
秋は天皇賞秋にいるか、マイルチャンピオンにいるか、富士Sにいるか。そして香港にいるか。

前走の東京新聞杯でも注目したので、もう1回。
人気どおりに走りがちだったプロディガルサンが東京新聞杯では5人気で2着した。3ジャンプは初めてだ。

今回は予想3人気。ふつうに馬券圏内とみた。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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