◆迫力は兄より一枚上になった印象 昨年12月の「金鯱賞」で1-3着した
ヤマカツエース、
パドルウィール、
サトノノブレスは、その後有馬記念(小倉大賞典)に出走しているので大丈夫だったが、この3頭、もうちょっとで前走が「金鯱賞」、休んでいたわけでもないのに今回もまた「金鯱賞」になるところだった。
12月の金鯱賞は、G1に昇格した「大阪杯」の前哨戦となり、時期が3月に移ってきた。G2-3格のふつうの重賞は時期が変更されることは珍しくないが、手元のストックブックをみると、金鯱賞の流転、変遷は飛びぬけて多い。創設されて約半世紀のあいだに、「2、4、9、10月」以外の月にはすべて行われた歴史があった。サトノノブレスは、過去の金鯱賞「2、3、3着」であり、成績表にすると、2年4ヶ月の期間に4度目の金鯱賞出走となったのである。
やっと本物になりつつある
プロディガルサン(父ディープインパクト)に期待したい。ここまでの成績は、ドバイでG1を制覇した5歳の全兄リアルスティールに大きく見劣るが、慎重な国枝調教師が脚部難、体質の弱さが解消するのを待っていただけのことで、リアルスティールと互角以上のオープン馬になる可能性がある。全兄弟だから体型はそっくりに近いが、512キロ(前走)に達した馬体のボリュームは兄をしのぐものがあり、迫力は一枚上になった印象がある。
ここまで2000m以下【2-2-0-0】。兄以上にマイラー系になるかもしれないが、前回の東京新聞杯のこの馬の上がり32秒0は、ハロンごとの推定「10秒8-10秒8-10秒4」に限りなく近い。
13年秋、府中牝馬Sを6着のゴールデンナンバーが、後方差詰めで上がり32秒0を記録したことがあるが、いかにスローとはいえ勝ち負けに持ち込んで後半3ハロン「32秒0」は、坂のある東京コースでは歴史的な爆発スピードである。
父は瞬発力のディープインパクト。母の父はストームキャット。祖母の父はミスタープロスペクター。さらに、キングマンボの母として知られる3代母ミエスクは、マイル中心のG1競走10勝を含み【12-3-1-0】の歴史的な女傑。近年の名馬に不可欠のノーザンダンサーの血量「5×4×5」。
プロディガルサンは、本物になって安田記念あたりに出走すると、近年の代表的な名マイラーと並ぶ内容を爆発させてくれるかもしれない。
ベテランの力量馬がそろったが、4歳プロディガルサンの本格化に注目したい。2000mまでなら十分に守備範囲である。人気薄の相手妙味は、前出の中京巧者パドルウィールと、2000mベストの
ルミナスウォリアーか。