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朝日杯馬の次走

  • 2017年03月14日(火) 12時00分


◆練習台としてのここは惜敗止まりになる可能性がある

 今週のスプリングSには2歳チャンピオン・サトノアレスが登場する。メンバー構成的には当然有力馬の1頭ということになるが、「朝日杯馬の次走」というのは馬券的にはなかなか厄介なものなのだ。

 過去20年の朝日杯馬について成績を振り返ると、[2-3-5-9]。勝率10.5%・複勝率52.6%はGI馬を前提とした成績としては良くはない。回収率も単勝41%・複勝70%だ。

 ただこの中には3歳時に出走できなかったメジロベイリーやアドマイヤコジーン、3歳秋の毎日王冠まで出走がなかったグラスワンダーも含まれる。3歳の1〜3月に限定した「朝日杯馬の次走」とすると、[2-3-5-5]。複勝率66.7%はやはり無視できないが、どうしても人気になるので複回収率は88%まで。単回収率も52%と低調だ。

 ちなみに勝った2頭は03年弥生賞のエイシンチャンプと、13年スプリングSのロゴタイプ。この2頭について朝日杯と当該レースでの通過順を振り返ってみると、

エイシンチャンプ 3-3-2→5-4-4-3
ロゴタイプ 2-2-2→3-4-4-2

 で、いずれも自分で競馬を作れるタイプ。朝日杯を差し・追い込みで勝った馬は追い込みきれていない。ドリームジャーニーやローズキングダムのように差し届かなかったケースもあれば、リオンディーズのように先行策に出ても2着だったという馬もいる。

 以上は朝日杯が中山だった時代もごっちゃにした乱暴な話ではあるが、やはり朝日杯を勝つための資質と、クラシックのトライアルを勝ち切るために必要なものはちょっと違う面があると思う。最終的にクラシックで勝ち負けする馬でも、練習台としてのここは惜敗止まりになる可能性がある。また、なまじ収得賞金を持っているので仕上げも全開ではないというケースも多いと思う。

 ということで個人的にサトノアレスは2,3着には取ってアタマ付けは取らない前提にしようと思っている。代わりとなる1着候補を探さなければならない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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