ダートグレード競走に魅せられて/荘司典子

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レース史上初の3連覇達成に挑むクリソライト/ダイオライト記念

2017年03月14日(火)18時00分

注目数:3人


GI戦線を占う重要な位置付けのレース


 3月15日(水)、船橋競馬場で行われる『第62回ダイオライト記念』。かつて宮内庁下総御料牧場に繋養されていた種牡馬ダイオライトがレース名の由来である伝統の一戦。過去の勝ち馬にはホクトベガ、アブクマポーロ、インテリパワー、ヴァーミリアン、フリオーソ、スマートファルコン等、中央地方を問わず名馬の名前が並び、その年のGI戦線を占う意味でも重要な位置付けのレースとなっています。

 今回はこのレースを連覇したフリオーソが最初に勝った年、2008年のレースを振り返りましょう。

 1番人気は当時4歳だったフリオーソ。前年の南関東クラシック戦線を賑わし、ジャパンダートダービーを制覇。JBCクラシック、東京大賞典では3歳ながらヴァーミリアンの2着に健闘。さらに年明けの川崎記念でも2着。もう2着は要らないとばかりに人気を集めていました。

年明けの2008年川崎記念で2着だったフリオーソが1番人気(写真は2008年ダイオライト記念パドック)


 2番人気は2007年の帝王賞馬ボンネビルレコード。2012年に引退するまで重賞戦線で息の長い活躍を続け、現在は大井競馬場の誘導馬としてファンの皆さんに親しまれています。

2007年帝王賞勝ち馬ボンネビルレコードが2番人気(写真は2008年ダイオライト記念パドック)


 3番人気はヴァーミリアンの半兄サカラート。2007年かしわ記念以来の出走となる7歳になったアジュディミツオー。シンガポール航空国際Cを勝った芝のGIホース・シャドウゲイトは川崎記念3着に続くダート2度目の挑戦。さらに2004年の覇者・笠松のミツアキタービンと、個性あふれる出走メンバーが揃っていました。

2007年かしわ記念以来となるアジュディミツオーも出走(写真は2008年ダイオライト記念パドック)


 レースはシャドウゲイトが逃げ、2番手アジュディミツオー。3番手を進んでいたフリオーソが4コーナーで先頭に並びかけ、直線で抜け出すと後続との差を広げ2着ボンネビルレコードに5馬身差をつけて圧勝。3着はサカラートで1、2、3番人気の固い決着となりました。

 この日の鞍上は初コンビだった戸崎圭太騎手。その後フリオーソが引退するまで主戦ジョッキーとして活躍し、帝王賞、かしわ記念をはじめ、2009年ダイオライト記念の連覇を含む数々のタイトルを共に手にしました。戸崎騎手は2013年に中央競馬に移籍する際に「最も心に残っている馬はフリオーソ。彼のお蔭で現在の自分がある」と、感謝の言葉を述べています。

戸崎圭太騎手にとって「(地方競馬時代)最も心に残っている馬」のフリオーソ(写真は2008年ダイオライト記念口取り風景)



2連覇中のクリソライトvs勢いNo.1のマイネルトゥラン


 さあ過去の振り返りはここまで。ここからは今年のダイオライト記念の見どころをご紹介します。

 なんといっても注目を集めるのは昨年の覇者クリソライト。フリオーソ以来7年ぶりに連覇を達成。今回勝利すればレース史上初の3連覇を実現することになります。船橋では5戦して[3-1-0-1]。2014年の日本テレビ盃も制しており、得意としている競馬場。昨年、韓国のGI・コリアCを圧勝したのは記憶に新しいところ。ともに連覇を果たした武豊騎手に鞍上が戻るのも心強い。産駒の勢いが止まらない亡き父ゴールドアリュールの後押しもあって3連覇達成は濃厚?!

武豊騎手鞍上でレース史上初の3連覇達成に挑むクリソライト(写真は2015年ダイオライト記念優勝時口取り風景)


 勢いナンバーワンは4歳馬マイネルトゥラン。500万下、1000万下、準オープンを3連勝して一気にオープン入り。重賞初挑戦、地方競馬参戦初、ナイター競馬も初めてと初物づくしですが、同じような経歴のワンミリオンス(TCK女王盃、エンプレス杯)やオールブラッシュ(川崎記念)が一気に重賞制覇を達成したことを考えればこの馬にも十分資格あり。東京のダート2100mで連勝してきていることから距離も問題ありません。

500万下、1000万下、準オープンを3連勝して勢いナンバーワンのマイネルトゥラン(写真は2017年1月8日500万下優勝時、撮影:下野 雄規)


 マイネルバイカは2015年10月に白山大賞典を勝って重賞ウイナーの仲間入り。その後は勝ち星に恵まれていませんが、昨年はマーキュリーCで3着に健闘。休みあけを一度叩かれ、得意の長距離戦で昨年の5着以上を狙います。

 不気味な存在はグレナディアーズ。昨年8月に釜山S(準オープン)を勝ってオープン入り。クリソライトと同じ音無秀孝厩舎所属で、馬主、生産もすべて一緒。ミルコ・デムーロ騎手との初コンビでどんな戦法に出るのか目が離せない1頭です。

 中央勢を撃破する可能性のある地方馬として筆頭はユーロビート。2015年にマーキュリーCを制したダートグレード競走ウイナー。昨年は東京記念1着(東京記念は2014年も1着)。8歳になった今年も2月の大井・金盃を快勝と衰え知らず。去年は金盃2着からダイオライト記念3着。去年以上を狙える心強い存在。フリオーソ以来となる地方馬による勝利を狙います。

フリオーソ以来となる地方馬による勝利を狙うユーロビート(写真は2017年金盃優勝時、撮影:武田 明彦)


 前走・金盃組からは3着クラージュドールも挙げておきましょう。昨年のダイオライト記念では4着。金盃では痛恨の出遅れで最後方からの競馬に。それでも直線で3着まで押し上げたのは立派。JRAから船橋に移籍後、大井記念2着、埼玉新聞栄冠賞2着、報知オールスターC2着と重賞でも力上位。前走の悔しさを森泰斗騎手とともに晴らせるでしょうか。

『第62回ダイオライト記念』。果たしてクリソライトの3連覇なるか? それを阻む馬はいるのか? 未知数の魅力あふれるニューフェイスも揃って非常に面白いメンバー構成となりました。力の比較は難解ですが、そのぶん予想しがいのあるレースとなりそうです。

※次回の更新は3月29日(水)18時。名古屋で行われる「名古屋大賞典」のコラムをお届けします。



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。
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コラムニストプロフィール

荘司典子
荘司典子
埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。